余命知り
向き合う強さ
胸に咲く
ひとひらの花
散らぬ願いを
ひまわりの
木漏れ日揺れて
午後の庭
耳を切るほど
夏の静けさ
川沿いで
あの人にまた
見つめられ
狼狽 ....
京阪電車の線路沿い
車道を跨ぐ電線の五線譜に
音符が一拍、陽射しで霞み
黒い羽をひろげて飛びたった
窓越しに流れる炎昼は
人通りもなく
『割烹あんど喫茶』の看板を掲 ....
甘い香りが
ゆめの中で薫った
逢瀬は短く激しく
ただ
お互いを貪り
崖の上からダイブするような眩暈に
果てたわたしたちは
自然に微睡んだ
わたしは白い花に囲まれていた
甘い香 ....
○白めいた
色があった
君の白めいた指やその先
外海が言葉で満ちる頃
僕らは改札口で
無くしてしまった水棲生物の
欠片を探していた
でも本当は
最初からそんなものはなくて
....
こどものころ
朝顔の種をもらった
それは幼くして亡くなった子の
短い間育ててた朝顔がつけた種の系譜で
いのちの大切さが書かれた
小さな紙が同封されていたように思う
朝顔は朝だけ咲く花
....
銀河の天秤がゆっくりと傾いて
月がかろやかに昇ってゆきます
夏の星座の中心へです
澄んだ湖面は夜空をうつし
魚が背びれに月明かりをうけて
チカリ、チカリと輝きながら泳ぎ
まるで流星のよ ....
雨打つ夜陰、
ただ寂し
他者を求め
他者現れず、
苦し 、
孤独と云うモンスターと対峙し
絶望の自分に絶望仕切りて
あゝまた自意識目醒め壊れた
あの悪夢の根源悪の
三歳 ....
うまく書けなくてもいいのだ
カッコ悪くても痛々しくても
そのときの気もちを書いた言葉には
ふしぎなやさしさがある
詩のせかいはだれでも入っていける
きみの書いた詩を だれか ....
いつまでも
想い出にならない夏
痛くもなく
ただ痺れていただけの夏
ぽとり
昨日の端から
呆気なく零れ落ちたわたしは
黒い服を着せられ
どこかが
痛いような顔 ....
大洋の波は疲れを休めに
小さな湾へ入る
湾を取りまいた山々が厳しく空を区切り
空は益々、高く逃れ
大洋の波を冷たく見下ろす
⭐︎
姿を取りえない青春の彫像を打ち立 ....
生きるのはなぜと尋ねられたなら
義務と答える
仕方がなく
そして
ずっと迷子で
朝が来ても消えない影
空虚で胸を満たしながら
闇を歩く
どうにもならなくて
足掻けなくて
苦 ....
庭先に咲いていたのはほおずきの花
日常からわずらいを引き算したような
うすい黄色の小さな宇宙
秋になってそれは赤く実籠る
ほおずきの実には毒があり
かつて堕胎するために使われたと知ったの ....
手のひらの上に
ひとつの果実
それが果実であることはわかるが
その名を知らない
けれどその味は
なんだか知っているような気もする
不意に
果実は途方もなく重くなる
だからいっし ....
土佐の海辺の村で
毎日毎夜薄暗い電灯の
野外畳の上にでんと座り
鍋に茹でられた貝という貝
爪楊枝でほじくり出し
それぞれ異なる磯ノ味覚
噛み砕き引き裂き食い喰らい
瞑黙ひたすらに味わい尽 ....
光をおびて歩き来し
われの如くなれと仰った
光の如来
現われた
永遠に続く幸福
皆が従え
真理の下に
私は無だと
思える時は
心配は要らん
蜩の歌に
夜明けを知る
※ 蜩=ヒグラシ。別名、かなかな。
・
※ 五行歌とは、五行で書く 詩歌のことです。
君が笑った
太陽のように笑った
だから
仕事がどうだとか
難しい話はやめよう
君を笑わせよう
燦々とした君と
過ごす時間
短くても
なくすことはできない時間
いつも大丈 ....
{引用=(𝘭𝘦𝘵𝘵𝘦 𝘳)
ユウヒはとてもかわい よね さいきんなにしてすごしてる の ぼくはさいきん読みものしてる さいしょはわから なくて しらないことが少しずつわかるようになると これまでそう ....
冷蔵庫を開けると
あなたが中にいた
わたしと同じ話をするので
イカを取ってもらった
里芋と煮る
母に教わったとおりに作る
調味料の分量は
いつも適当でその度に
味付けが変わった ....
暮れ泥みに目覚めて
初夏の夕暮れ、残光に
湧き立つ薄紅の大雲
放射状に拡がり在る
眼前 、
あっちこっちと
散り散りばらばら
皆んな皆さん、
娘も息子も別れた妻も
それぞれ ....
時に感じた物語
頭の内をくらぶれば
夢幻の如くなり
届かぬ場所は地にはなく
唇湿して
愛を持つ
交わせぬ夢に
働かせるは
己の良心
ただひとつ
自分の周りを
あらゆるものが巡る
当たり前のこと
そう思っているけど
自分が誰かの
景色になっていることは
どうして想像しにくいのだろう
かつての天動説は
都合が良かった
....
話していて、それは子宮のなかだと気づいた。天井も壁も床も布張りの、ふかふかに熱い布だらけの狭い部屋、いつもはなかなか入れない部屋のそのまた先にある、小さな扉の奥にある部屋、特別な木のなかに入るよう ....
ざらついた耳触り、
壮大なるもの
壮大と感じ取る
繊細な素直さを
育て立ち上げる
意志の息遣い 、
自分なんて大したことない
単なる思い出の集積
だからこそ
その奥処に眠り在るも ....
誰かが好きだと囁いた
私も好きだと返した
だけど見渡しても誰の姿もみえず
虚しく木魂が響くだけ
Response
待ち侘びるたび体の隙間を通り抜ける
Believe
魂を震わせな ....
犬の名前を並べる、
タロー、ルル、ブンタ、シロ
そのことを悔い、
喉元にキムチの色を塗りつけて、
俺たちは、見つめあった
北の城壁が高く聳えていた
たぶん、高さは、
喉の渇きで測った ....
今日の投稿で1年経ちます
明日から2年目の1日目
三日坊主にならず
365日続けられた
毎日詩を書くということ
また次の1年
続くように
楽しんで書いていきます
読んでくだ ....
君はだれ?
どこから来て、どこへ行くの?
あっちから来て、あっちへ行くの
風の風来坊
君はだれ?
どこから来て、どこへ行くの?
上から下りて、下へ行 ....
不安を
見つめる
痛みと共に
生きていく
目をそらすのではなく
そう
思う
心音は
今ここで
未来への種を
つないでいる
痛く痛い
痛みを
ノドの深奥の言葉にして
ひねり出 ....
結局のところ
比べるのは
いつも自分だ
昨日の自分より
今日の自分が好きとは
到底言いがたい日々
後ろ向きに歩くのも
また良し
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