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剥き出されている

神経は逆立ち
風雨に鳥肌立つ
葉桜は激しく波打ち
瞳をくりくりと輝かせた
木登り少女は姿を消した

何にもない、何もない
意味は全て剥奪され
記号だけがひょろひ ....
まるで優しい夢だ
満月の砂漠
輝く満月が浮かんでいるように
胸には小さな宇宙のような穴が開いていて
埋める星の金平糖を探し続けていた

湖のそよ風の吹く夢や
海のそばの大きな河 ....
年老いた男爵は死を待っている
食べることもせず飲むこともない
身に纏うラビットファーだけが艶やかに光り
半開きの眼からは輝きが消えている
牢獄のような部屋の中
彼はその時を待っている

 ....
そよかぜは、そよそよと吹いて

そして、いつからか、よそよそしい

「そよちゃん」と呼びかけたって

振り向きもせずに、通りすぎていく

かつてのように、またお話がしたいのに

 ....
ヨラさんは小児麻痺だった
ヨラさんはよく笑った
ヨラさんはそのたび涎を机に垂らした
ヨラさんは頭が良くてクラスでいつも1番だった

僕はヨラさんを笑わせるのが好きだった
僕はヨラさんの涎を ....
青空に
白雲湧いて
僕は虚脱
外界は余りにも眩しく
チューリップが無数咲く
庭園を通ってイートインへ

コンビニの旗が揺れている

人々が通り過ぎていく

僕は苦いコーヒーを飲む ....
大きな口を開けた君は
生クリームの付いた苺をほおばっている。

半分が残ったホールケーキの上
苺が欲しくて
「もっと食べたい。」と腕を伸ばせば

ふっ。。と笑ったおじいちゃんが
一口食 ....
 
 
卍 萬之助  MANDJI Man'nosuké

 ×

肉豆腐 野獸郞  NIQDÔFU Yajûrô


 ★


午 後夫  UMA Notchiö


 ....
高原に
凍てつく
朝が来た

一人幕内で
くるくる回る
ストーブファンを
見ていると
僕の記憶の底に
ひっそり息を潜める
誰も知らない淀みの闇が
音を立てて
回り始める
そん ....
足下の散り切った花弁は
少しずつ汚れていく

達観した振りして
本当は泣きたくなるほど淋しい

何年こうしてきたのだろう
何年こうしていくのだろう

(ヒヨドリの発狂)

本 ....
二〇一六年一月一日 「20世紀アメリカ短篇選」


『20世紀アメリカ短篇選』は、むかし上下巻読んだんだった。でも、ひとつも憶えていない。きのう、スピンラッドの短篇集だと思っていた『星々からの歌 ....
連れてきて5年は経つだろうか
当初から敷き詰めた砂を蹴散らしては小さな魚を追い廻す
我が物顔で水槽の中を暴れ廻っていたおまえも
わたしの姿を見つけてはじっと動かなくなる
大きく成長するのも ....
うそつきって言われた。

ぼくはちょっと話を盛っただけなのに。
このごろは病臥しているので、
戸外の風景を見つめることができません。
買い物に出かける時も、目に入るのはアスファルトだけで、
鋪石が足元を圧迫しているのでした。

それでも今日は白い色の桜を ....
白銀の沙漠を
虹色の蝶が飛んでゆく
一人の子供が木を見上げている

緑と黄色と赤と茶色とそれぞれの濃淡
一枚一枚の葉の形
重なる葉の間から漏れ注ぐ眩しい光
微かなにおい
風の鳴らす音
そよぐ枝のランダムな動き
鳥や虫やそ ....
硬い言葉より柔らかい言葉を掘りたい
怖い言葉より優しい言葉と握手したい

たった今昨日を片付けてきたところだ
荘厳に鳴り響く十二の鐘が埋葬する
そして何気なく今日となった明日に袖を通す

 ....
五本の石柱がたっていた
ねっとりとしたモスグリーンの水に浸され

洪水の街を泳ぐ人達
徘徊していた裸の老女は何処へ行ったのだろう?

目覚めて闇が迫って来る
自分という感覚が死んでいく
 ....
たおやかな
緑の群れ
揺れて
踊る影は
光の万華鏡
私は静かに傾いて
遠くの森のザワメキを聴く
水深1メートルの情欲を完備した夜に、陽だまりで息絶える夢を見る 便利だよって聞いたから買ったけど、全然便利じゃない。
ソファとして使えば寝る時不便な上に、ベッドとして使えばソファとして使えないじゃないか。

とっても不愉快。
出血多量のごとく、桜は咲き乱れる

満開に、とてつもなく溢れ出す

一刻の猶予もない

春が苦しそうに何かを叫んでいる

しかし、人々は通り過ぎてゆく

なぜ誰も知らん顔なのか ....
桜の若葉
小鳥の囀り
雨の日の夜風
それらのように
雄弁にはなりきれず

言葉を使い
嘘をつくもの
である私

私は
あなたがいて
はじめて
言葉を持つ

そして
私は ....
海と空の写真を逆さにすると
水の惑星が現れるのに

海が 水に変わるこの瞬間は
たったひとつのフィルムにしか収めることができない

随分むかし
ひとつでじゅうぶんだから、と
父と母がも ....
追い求めた末に手に入れたのは
後悔だけで
似たような形状の夢たちは
いびつに微笑んでいる

見知らぬ道の桜吹雪

励ましのつもりでも
わたしには冷やかしである

咳払い一つで世界が ....
日がな一日
謎は謎として在り続け
私は五感の縛りに沈む
思いは鬼火のように揺動し
逃れる的を掠めていく
現象する本質を
律動する思考を
掴みかけては取り逃し
夢の底で溺れている
予感 ....
一月は行く 二月は逃げる 三月は去る

四月は 死ぬ

だからそれまで
いっしょうけんめい生きようね

いっしょうけんめい 行って逃げて去って

たらふくおもちを食べて
お年玉でい ....
時間がやって来て通り過ぎていく
その絶え間ない繰り返し
川にたとえられる筈だな

その川の水面に筏浮かべて
放心してた

筏を組んだ木は
川原に打ち上げられて干からびてたもの
水を得 ....
ひとおもいに
ひとしきりながした
ひとよのなみだを
ひとみにやどし
ひとりだと
ひとたまりもない
ひとのよを
ひとりの
ひととして
ひとつのしに
いきる
二〇一五年十三月一日 「芸術は自己表現はない」


 自己の表現と、自己表現は違う。2015年9月29日のメモ「いまだに芸術を自己表現だと思っている連中がいる。きょう、職場で哲学の先生たちがお話 ....
道草次郎さんの自由詩おすすめリスト(984)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
露呈- ひだかた ...自由詩721-4-13
半生の夢- 秋葉竹自由詩521-4-13
死を待つ男爵- 無限上昇 ...自由詩221-4-13
そよちゃん- クーヘン自由詩4*21-4-12
ヨラさん(再録)- ひだかた ...自由詩9*21-4-12
移ろい- ひだかた ...自由詩521-4-12
お祝い- 梓ゆい自由詩421-4-12
群像・貳- 墨晶自由詩1*21-4-11
回る- Giovanni自由詩321-4-11
葉桜- TwoRivers自由詩5*21-4-10
詩の日めくり_二〇一六年一月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩14*21-4-10
眼場馬の流木- アラガイ ...自由詩10*21-4-10
うそ- がん自由詩121-4-9
sonnet- 朧月夜自由詩5*21-4-9
静寂の春- 塔野夏子自由詩3*21-4-9
一人の子供が木を見上げている- 六九郎自由詩2*21-4-9
イメージの散らばり- 宣井龍人自由詩11*21-4-8
夢魔- ひだかた ...自由詩421-4-8
緑のスケッチ- ひだかた ...自由詩521-4-6
流れ星- 入間しゅ ...自由詩221-4-6
ソファベッド- がん自由詩421-4-6
春の頸動脈- クーヘン自由詩3*21-4-5
嘘つき- 入間しゅ ...自由詩421-4-5
現像- ぽりせつ自由詩421-4-5
春霞- TwoRivers自由詩8*21-4-4
推移- ひだかた ...自由詩921-4-3
四月になれば僕らは- にゃんし ...自由詩221-4-3
時間が- こたきひ ...自由詩421-4-3
ひとつ- 入間しゅ ...自由詩321-4-3
詩の日めくり_二〇一五年十三月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩15*21-4-3

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