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親父が脳溢血で倒れた日
電話が掛かってきた
親父本人から

「ひろし、今すぐ俺に会いに来い!」
それは命令口調だった
「どうしたんだよ父ちゃん?何かあったのか?」
すると父ちゃんは言った ....
きちんと洗い物をしよう
ちゃんとご飯を作って
決まった時間に食べよう
幼稚園児みたいだな
こんな当たり前のことすら
出来ていない

天球と交信するとか
青色のアステカ蟻だとか
夢 ....
蛾って
匂いを感じるための
大きな二対の
触角があるだけで
口がない
成虫になると
食べ物を食べることはなく
幼虫の間に食べた
栄養だけで生きてゆく
そして
雌のフェロモンを求めて ....
今は昔さ
いっとき一世を風靡したっけ
小説とそれを原作にしたテレビドラマのタイトル

思い出したよ
思い出したけど
世界の中心って何処だったんだよ

そこはきっと地球の中心からはずっと ....
何があったか知らないけど
君のその表情だけで
夏が嫌いになりそうだ

風は凪
蝉が鳴いてる深夜二時
素直な夜は今日だけにする
世界が
造り物みたいに見える日

夜をひきずって
陽のもとへ出る

同じように見えて
異なる日々


今日の世界は
惜しい世界

ある日は
できすぎた世界

こ ....
水溶き片栗粉を養分に、さなぎの餃子は羽化をする。
安アパートのキッチンで、輝かしい生命の進化です。
縁側で
ぷっと
西瓜の種飛ばし
放物線の先を
追っている
幼い子供が
独り居て

遠い夏の日
夏の午後
その日を生きる
幼子が

風に吹かれて
風に吹かれて

名無しで ....
今日も
意識を想像の海に遊ばせて
精神の懐かしい場所に
ゆっくりと降下してゆく
そこに見えるのは
青色の巨大なアステカ蟻の行進
それは僕の意識の辺境まで
延々と続いてゆく
空には金色の ....
田んぼからは主食の米が
畑からは野菜 そして米以外の穀物

片田舎の農地
猫の額程の土地って表現しか浮かばない

山際に沿ってへばりつくように農家は点在し
それぞれが貧相な佇まいだった
 ....
{引用=散歩道}
彼女は二つの嘘を連れ歩く
いつも同じコースで
一つの嘘は人懐っこく誰にでも尾を振った
一つの嘘はところ構わず吠えたてる
どちらも夜のように瞳を広げ
油膜で世界を包んでいた ....
廃道の縁石の上に腰かけて週末のブルース、三連符のリズムで歩道を啄む鳩ども、フライパンの上の季節、なにもかもまるで白昼夢のようさ(夢じゃいけない理由ってなにかある?)寝転がりたいくらい草臥れてるけど .... 今夜
この惑星の何処かで
誰かの精神が囁く
その言葉は声にならないから
誰にも聴きとれない
だけど確かに
「愛はどこにあるの」
と精神に伝わってくるんだ
だったら僕の話を聞いて ....
地下室への階段を降りてゆくと
探していた言葉があった
それは難しい言葉なんかではなくて
なんてことはない言葉だった
くだらないなぞなぞの答えのような
拍子抜けするようなやつ
でも 昔は仲良 ....
私は妻であるようだから
妻の声帯から声を出す
「夕飯はなんにします?」
私の息子があたかも私であるかのように返事をする
彼とは離れて暮らしているのに
「ひさしぶりにトンカツなどがよいです」
 ....
ぜんぶ
俺のお陰なんだ

俺の必死な思い
俺のいっしょうけんめい

でも
俺だって
全力疾走
全力投球は
苦手だから
無理だから

だけど
ぜんぶ
俺のお陰なんだ

 ....
或いは
オブ・ザ・フットボール

或いは
万延元年のフットボール

或いは
1973年のピンボール




 ....
いつも
礼儀正しく
控え目で
慎ましく
誰よりも優しい
人の善意を信じている
君には
酷かも知れないけど
この現実の世界には
つらのかわひとつ人間で
にくは底知れぬ悪意
はらわた ....
天球は精神と繋がり
地球は身体と繋がり
刹那に感じる
身体を駆け巡る
その波動が
眉間から生じる
紫のオーラが
全方位に向かって放たれる
無限の意識が
森羅万象の宇宙に溶けてゆく
 ....
大阪王将のある街で、歩兵の僕は何とか懸命に生きている。
「男なら将棋を上手くなれよ」と、そんな父上の言葉を胸に。
本当は存在しないもの
駄菓子の当たり
国境線
赤道


本当は存在するもの
自販機の当たり(たまに当たるんだぜ)
戦争
ひとり


地球儀にキャプテンがいる
片言の日 ....
本当はアホのくせに
気難しい顔ばかりしてた
ああ優しい人
何も言わないで
ごはん美味しいねって言う
美味しいねって返事したら
すごい幸せそうに笑った
私なんてつまらない人間
もう生きて ....
懐かしい場所に
行きたい
ただそれだけだ
この街で
この場所で
日々遠くなっていく景色を
一目見たい
それだけ
海と
山の神社と
坂の階段にいる狐と
その角の魚屋の匂い
灯台
 ....
成り得ない私は基本であり
素敵であるのだ

お城に王子
何者でもない私が王女になり
蒼いドレスをひらめかせ
真っ赤にはにかみ
無理してニコっと笑うのだ

「お祖母ちゃん、大丈夫、痛く ....
何か懐かしいこと
思い出しそうで
思い出せないまま
やさしい曇り空
包まれる

迫られるものはなく
小さな雑事たちだけ
転がっていて
待ってね、待ってね
と何回

さっきの ....
失ったモノはたくさんあるけど

落ちてくるイタミは数えきれないけど

降りかかる悪意は背中を刺すけど

愛は遠く遥か彼方に離れているけど

転がっている挫折にはまってばかりだけど

 ....
あゝ窓ガラス越し
物凄い空の青が広がって
自分が何処に居るのか
一瞬わからなくなる
地球、いや宇宙
そうだ、此処は地球という
宇宙に浮かぶ場所なんだ
まぁるく廻る星なんだ

それにし ....
言語は解体され、意識の破片となって、冷たい寝床で検死医を待っている、風が鳴くような音は、体内に残留した空気が逃げ場所を探す音、死後硬直のトーンは灰色、アルミニウムのような冷たさだけがそこにある、空 .... 小学校の教科書だったろうか
あの坂をのぼれば
海が見える
あの坂をのぼれば
海が見える
と繰り返す文章が
40年近く経った今も
あのときの少年たちの声とともに
ここに聞こえている
あ ....
言ってやろうか 聞かせてやろうか
俺を産んだ女は無学で
字もろくに書けねえ読めもしねえ女だった

昭和二十年
この国は戦争でぼろ負けになり
東京辺りは焦土と化してしまったけれど
嫁ぎ先は ....
道草次郎さんの自由詩おすすめリスト(984)
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