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うぐいす色の線を引いて
君に良く似た生き物を書こう
虹色の二時に詰めた薄い憂鬱や
羽音を響かせる蝶番を連れて
 
この世のキャンパスは
まだくもりない君には美しい白に見えるから
世界樹の ....
やわらかな午後の風が吹きこむ窓のそばの

薔薇色の安楽椅子でまどろんでいる地球に

影をもたない人がひとり そっと近づいて

あえかな接吻をひとつ 残して立ち去った


 ....
 
 
海賊が泣いていた
アスファルトの水たまりを見て
海を思い出していたのだろう

海の歌を歌ってほしいと言うので
何曲か歌った
関係ない歌もいくつかあったけれど
気づかれることは ....
壁打ちテニスが流行っていた
とある場所がある
心に描いたネットの向う側へと
誰もがひたすらにラケットを振った
放物線を描き跳ね返ってきた球を
時が経つのも忘れ打ち返した

街灯の明りを背 ....
水の中に両手を
そっと差し入れ
泳ぐ魚の影を
そのくねりを
掬ってみたいと
思うのです

光と私はいつでも
とても遠い場所で
落ち合うけれど
必ずまた会えることを
知っています
 ....
 理由はありません、っていう理由について
 もう少しやさしくあれたら、
 と思うんだ





さびしい時刻が生え出したのは
ぼくの、背骨を笑う
星のした

だ ....
わたしの肩が
知らず知らずに
雪を溶かす、ということ

それは
もしかすると
物語ることを知らない
ほんとうの物語


容易には
何事も信じないけれど
疑うとなれば
 ....
雪のなかに立ちつくし
あとからあとから降り続く雪片を待つ
そうして私を埋める白いせつなさよ
ぼんやりかすんだ空を見上げ何を待つのか
あとからあとから降り続く雪片を待つ
さらりさらさら、刻の砂
さらら、今日の出口は見つからず
さらり、昨日の砂は無い

時計のなかでは
あどけない頬が
片隅にほんのりと笑っており
記憶の岸辺に
くすくすと
無邪気な声 ....
お金や幸せを掻き込むという
縁起物の熊手
わたしの望む幸せとは
そんな熊手の上手から漏れた小さな幸せ

例えばそれば
何時に無く目覚めの良かった小春日和の午後
所在無いままに陽だまり ....
 
 
男の人が白い塀に寄りかかってる
ぼんやりした格好で
衣服には模様のようなものがついている
何をしているのか聞くと
誰かの夢の中なので勝手に動くことができないんです
と言う
かわ ....
雑踏で喫煙をしていると
衛生的な感じの服を着て
酸素マスクを付けた人たちが
群れを成してやって来て
あなたはどうして煙草を吸うのか
と言う
くちごもっていると
健康の為に今すぐにやめ ....
静かな水面を犯す
色あせた小船
風に運ばれ
流れ

中ほどで止まり
つっと少女が生え

東雲の空を仰ぎ
湖に
か細い背を預け
ざばん


透明なほのお飛び散り
幾多の波紋 ....
銀色のケトルが鳴く
耐え切れずに

もう
私はおしまいだよ と
あらん限りの
声をあげて

鳴く
鳴き狂う
誰か止めて止めて止めて
さもないと

さもないと?

ひざを抱 ....
黒い道がのびている
静かな{ルビ轍=わだち}が寄りそうように走り
道の上には白い雪が
粉砂糖のようにやさしく降り置いて


灰色の空には切り裂く翼もなく
肌を刺す冷たい空気ばかりが動く
 ....
けっこうそれは近いのだ
もし呪いだとしたら
あまりにも空白であり
ところで私は充たされているのだ
あまりにも空白であり
公園の側の枯れた並木を通る
あまりにも空白であり
ところで私は充た ....
そんなの嘘よ と
ベッドに腰かけた少女は私の目の前で若草色のワンピースを腰まで
たくし上げ秘所を露わにする。不釣り合いな厚手のストッキングを
躊躇なく下ろしそして両大腿に咬み合わさった品質の悪そ ....
灰色に曇った窓の雫を
つ、となぞると
白い雨は上がっていて
弱々しい陽射しの予感がする

こうして朝の死角で透けていると
ぬるい部屋全体が
わたしの抜け殻のようだ

だんだんと色が濃 ....
夜を、
わたしの、夜を、
誰かがたやすく追い越して
ちがう、
誰か、は、
待ちぶせる



かけら、
手のひら、かけ、ら、
わたしの言葉は瞳を閉じ、て
もうじき嘘になる ....
日が暮れる
夕空に星が輝いた
大きな月ものぼった


満月だ


タワーに灯りがともった
家々の窓にも
お店のショーウインドウにも


月が追いかけてくる


黒い山の ....
きみのりんかくをぬいあげていく
オルガンの重さが
ひかりににていて
急に
まぶたがいらなくなる
砂糖の
あじをわかりたくて
紅茶ばかりのんでいる、午後
猫が行った



声に体 ....
乾電池が足りない
と昨夜寝言を言ったあなたは
夢の中で久しぶりに
何を作っていたのだろう

今日は朝から雪が降ってる
あなたの故郷のように
たくさんではないけれど

もう誰も
あな ....
薄い網戸の向こう
何かの割れる音がする
今日は朝から寂しいものが降っているから
話しかけるみたいに一日を生きたい

消えていくシャーペン工場で作られた最後の一本が
同じ価格で店頭に並ぶ ....
元気ですか
そういってメールを打つと

少し
微妙な間隔で

クタクタ
風邪 ひいたみたい 
って

そんなこと
聞きたいわけじゃない



元気ですか
もう君もわか ....
運ばれてゆく
ものがたりについて
ずっと聴けずにいたことを
ようやく受け取ったのは
はやすぎた夏、の
たてがみ辺りの
なごり風


 眠る、ということが
 どれほどの守りで ....
『食べられません』のラベルを貼り続けました。
あらゆる無生物に。
よくよく考えてみれば、
生きるというのはたったそれだけのことでした。

樹氷の白にくるまれながら、
ぼくがぼくの姿 ....
かなしいふちに降る雪が、
しろくしろいねむりにつき
冷気をはりつめて
その肺にひびいている。
しぃん、とした熱が、
深淵から徐々にひろがり
焼けた声となって吐き出され
冬の空 ....
深夜の路上に
空き缶がひとつ
ぽつりと立てて置いてあった
こおん
とけっとばしてみると
そこいらじゅうから
わああああ
と逃げてゆく子供らの声がして
にわかに恐ろしくなったものの
わ ....
冬の朝の肩口を
ふゆ
となぞり、柔らかさを与えてみる
100℃が滑り落ちていく、
白い学校から海までの坂道のなかで
袖をつかまれたまま
伸びきってしまうラーメンのような

(海はきらき ....
一.


青を
反故にした

よりも
事情がある

真昼につき、
雨はふらない




二.


鋏の持ち手が緑だったことから
分け合いたくない
ままの
手 ....
たりぽん(大理 奔)さんの自由詩おすすめリスト(3653)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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