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水面はしずかに
うそをつく

その
うちがわに包む
かすかな声を
時間の
呼吸

ひとに
こころに
えがかせて
完全なる傍観者として
何ひとつ
あばかれない

 ....
いま
あの日、に立っている


右手をのばし
空の高さを測るきみ
手招く左手は
薄の穂の間に
見え隠れして
黄昏の
目で追う背中には
金色の翼があった
喧嘩しても
すぐに忘れ ....
夜明け前
神々の気配が
冷えた大地をわたり
静かな{ルビ洞=うろ}に届けられると
指さした方角から
蒼い鼓動が、はじまる

やがて
優しい鋭さをもって
崇高な感謝があふれだすと
う ....
口ぐせになっている
おとなも
こどもでさえも
何かと言えば口にする

死ぬほど頑張ったのか
どれだけ努力したと言うのか

口にすればするだけ
逃げていってしまうものがある

それ ....
頬づきの
われた視線 くびる

つけた 前髪敷く

地下に ひらいてる窓
写ってる 引き戸

つつぬけの
息 熱く ガラスに

かかしのように 突っ立って
だけだって 咲いてい ....
どのページが
めくられたのか

あまりに細い指先は
忙しさの数だけ
忘れてしまう

それがつまりは
ふたりであることの
やさしさを
難しく
する

純粋であるほど
不確かに ....
なんとなく
わかっていたけれど

夕風は
すっかり
つめたくて
昼間の陽光も
どこかしら寂しげで

緩やかに
届かぬ夏を
受けとめる頃合です


おろそかに出来るくらいなら ....
生きている限り湧き上がってくる
もう駄目だと諦めかけた思いを
励ますかのように

五体のひとつひとつが
出口を求めようとさざめきだすのを知覚し

もうひとつの確かな意思
本能だとか呼ば ....
波打ち際で
砂に埋もれかけた
木製の小舟が
少年の夢にたたき起こされ
夕映えに浮かぶ

かもめが船頭になって
赤く染まった海を進んでいく
静まりかえった海面に敷かれた
赤い絨毯は
 ....
 
 
冷蔵庫を背負う
重くて温かい
海のようなものが
背中から体の中へと
伝わってくる
夏休みを終えて
少したくましくなった
児童たちの声が
外の方から聞こえる
かつてもこうし ....
硝子の風が
きりりと秋の粒子で
二の腕あたりをすり抜け
寂しい、に似た冷たさを残して行く

野原は
囀りをやめて
そうっと十月の衣で包まれている

わたしは
それを秋とは呼べず
 ....
犬が休んでる
まるで僕のように

背筋が足りない
何かを継ぎたして
少しずつ毎日の
起立がある

どうしてだろう
お父さんになってしまうのは
瞬間は確かにあるのに
どんなに積み上 ....
ぼくは潜水艦になる
押し入れのハッチを閉じて
ながいながい航海にでる
まっ暗の中のひとすじの光は
消えることのない流れ星

ぼくは潜水艦になる
黒いごみ袋に入って
埠頭についたパパとマ ....
{引用=それは
真新しい譜面から
厳かに音があふれ出すように}

昏々と眠っていた東の山が目覚め
肌を震わせ鳴り始める
金色に燃える音をかき鳴らす
ほの白い月は
裏旋律を歌い上げる
 ....
落葉がそぞろに風にふかれ
雲は青く高い空をゆく

うらの{ルビ小径=こみち}の縁石に腰をかけて
杉といっしょにゆれている

夏の{ルビ遺言=いごん}は朽ちることなく
静かに実 ....
白い俎板のうえに
水洗いした秋茄子をのせる
遣い慣れた指先でまず、
縦半分に切ると
紫に汚れた
君は構わず
それを乱切りした

その一部始終を
彼らは黙って
観ている

コンバインが
おもちゃのように点々と
そこここに配置され

軽トラックが
ちゃかちゃかと走る

収穫の秋がきた

辺りには喜びが
薄い金色に色づいて漂って ....
八月はしづかに
葉先からくれないに燃え
白い節くれだった骨になる
そのつつましさの中に
芽吹こうとする強い意志を隠しもっている
漂流する鳥たちは
わずかの間のよすがを求め
自らの骨のゆめ ....
きみが眠っている間に、
きみをゆるめる。
きみは包帯に巻かれていて、
包帯はとてもきつく巻かれていて、
ぼくはいつもゆるめたくなる。
自分がきらいで、
自分 ....
夏の名残を雨が洗うと
淡い鱗を光らせたさかなが
空を流れ
ひと雨ごとに秋を呟く


九月は
今日も透明を守って
焦燥のようだった熱や
乾いた葉脈を
ゆっくりと
冷ましながら潤ませ ....
 
 
寝台車の匂いが
掌にする
腕はまだ
距離を測っている
残されたものを集めると
骨の近く
きしきしして
初めて靴を買ってもらったときの
恥ずかしい喜びしか、もう
いらない
 ....
薄紙は
とても破れやすいから
私はいつでも
言いなりになる

ことばの数だけ
肌を重ねて

ほんとうの恋は
最初だけだと
いつのまに
私は気付く

あとは
薄くなぞるだけ
 ....
比べたくなるものがある
幸せの度合いとか
それぞれの人生のありようとか

ひとと比べることで見いだせるものとは

柱に刻まれた幾筋かの古傷は
生を授かった証であり
輝ける未来への歓声で ....
泥を
振り払おうとする腕こそが
いつまでも拭えない
泥かもしれない

確かめようの無いその有様を
透明である、とは
誰も語らない

そこでまた
ひとつの泥の
可能性が
散る ....
老廃物と手をつなぐ
せつないから
死んでるようだ
見たものが
足元で花になり
ピアスでしたね
初めてのプレゼントは
初めてでしたね
はがれていったのも
見送ることは時々
見送ら ....
可愛い
と紡ぐ、その同じ唇で
解剖用のメスを銜える

抱かれて
幸せそうだったビーグルの
断片を少しだけ、見た


突風がまるで嘲笑うように
二年生の白衣の裾を翻して

救 ....
   かそけき風の香音(かのん)を連れて
   秋宵の橋を渡る
   あふれる水の数を
   わたしはしらない


   契る言葉の薄紙
   序(ついで)を忘れた指先で鶴を折る ....
{引用=



空を
ただよい
流されていく
やわらかな白を
ばら色に染めながら
闇に墜ちていった日

あなたは秋の夜になった




 星座があなたの中をさまよい
 ....
蝉の羽の剥げ落ちる夕暮れなのでしょうか 今日のような日は
ぬるい空気に溺れるように わたしはただ息をするのです
老朽化の進んだ体育館は
二階に観客席が付いていて
死んだ蛾や蝉がたくさん落ちていた
わたしは
つま先の赤いうわばきで
それらの死骸を踏み砕き
空へ近づこうとするかのように
一人でそこへの ....
たりぽん(大理 奔)さんの自由詩おすすめリスト(3653)
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