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誰もがみな
道の途中だった
そして誰もがみな
人に気づかれることなく歩いていた
人に見られていると
そう思うのはあさはかな傲慢であると
時の風が教えてくれた
深い
森の奥から道へ
わ ....
お昼時の込んだ食堂で
ヒロシ君、と呼べば
3人は振り返る


ヒロシ君はクラスの中に2人はいる
ヒロシ君はテレビの中に5人はいる
ヒロシ君はヒロっちゃんと呼ばれることが多い
らしい ....
手をのばしかけてやめた
あの日の、すこし歪んだ夕方を
ねんどをこねるようにまるめて
食べた
ひといきで飲みこんだ

だってどうにか、前にすすまないといけない
わたしは何に悩んで
わたし ....
ある日
自動ドアの前に立ったら

開かなかった

押しても引いても
やっぱり開かなかったので

慌てて君を呼んだ

ちっとも開いてくれないんだよと言いながら
二人並んで立ってみた ....
交差する車両たちに囲まれて
立ち尽くす
PM7:00

正しい世界が見えるような
そんな気がして
見上げた
低い天井

あの日あこがれた草舟は
ゆっくりゆっくり 沈んで ....
埠頭に
群れなす
カモメはすべて
哀しい心のなれの果て


船は今日も出てゆくのだ


海は広いというのに
のぞきこめない
瞳の深さをもって
船は今日も出てゆくのだ

 ....
夏のことをよく知っている人がいて
その人は
例えば緑の葉っぱを重ねたような人で
ときどき
鮮やかな花を咲かせていたりする

ただ画家がその人の絵を
描こうとするとき
その人は
たちま ....
眠る光を背に
夜を見る
燭台の木々に
風が点る


道のにおいが漂ってくる
逃げも隠れもしない水音
細やかにひと粒ひと粒と
葉の上に置かれる鉱の冠


枝から枝へ
 ....
台所の隅でゴキブリが
腹を天に向けて死んでいる


死骸にざまあみろって言ってやったんだ
その死骸さえ嫌悪感を抱かせる


何もしていない彼らを殺し
何もしていない彼らを罵り
彼ら ....
あと何度
逢えるかなって
数えたことが
君は ある?

あと何度
抱きあえるって
考えたことは
君は ある?

あと何度
夜が
ニュースを運ばずに

静かに明けていくだろう ....
今にも泣き出しそうな空
鬱屈する憶いまで塗り込めていく

しらちゃけた大地に空が投げキスのダイブ
待ち詫びた花弁にもジャンプ
透明な繭になって落ちてくる
ぽたぽたと追憶を綴る
忍び込む甘 ....
今あなたに手紙を書きます
この手紙が届くまでの間に
私はここから旅立ちます
今あなたに想いを伝えます
言葉が伝わるまでの間に
私はここから逃げ出します
幸せを求めるあなたの
眩しすぎる世 ....
あの日から
わたしのからだは
透明なゼリーに
くるまれていて
それはずっと
あなたの温度を保っている

その感触は
やさしくて あたたかで ぷるるん

いつまでも
その中にいては ....
夕景風が鳴る
ふひゅーんあおあお
さざめくざさささ

ふひゅーんあおあおは彼方からの信号で
信号を窓の中から感じている僕は
木のように揺れている頭のなかを巻いて

片頬をうちぬかれたお ....
いずれ姿を消す
だろう月光
光を失った者の記憶には残ら、ず
されどその引力は
植物の{ルビ枝葉=しよう}に
昆虫の触角に
魚の尾びれに
爬虫類の肺に
鳥の翼に
哺乳類の脳に
空の風 ....
冷凍庫でカチンカチンに凍らせておいた契約書3枚、両手で握りつぶす。
パリンパリンと気持ちのいい音が薄暗い部屋に響いた。
「ふふふ」
ipodを準備して、チラシを見ながら新しい消費者金融に電話をか ....
しろとくろ
きみが名づけたイタミはそれだ
不安になったらこれを読めばいい
痛くなくなるおまじない

しあわせにしたい、なんてごうまんだ
人は他人がおもうより
ずっとつよいいきものだ
そ ....
張り詰めた空気の中で
深呼吸をしながら溜息を漏らす
窓から見下ろす路地の脇の
錆び付いた自転車のサドルに
視線を合わせる

凍り付いた言葉の奥で
脈拍を測りながら吐息を漏らす
しっとり ....
かけおりた坂道のおわりには
ボーダー柄の、夏が
波のような顔をして
手をふっていた


それから、 と言ったあとの
あのひとの声が
ノイズにのまれて、ちらちらと
散ってしまったので
 ....
入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに

鶴を折っていました

それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき

その子 ....
大連から
ハルビンへ

道化師と
傀儡の逃避行


アミ棚の
女の鞄から

ジャスミン
の香りが
溢れ

車両が
眠りで満ちた


天井ファンが
けだるく
回り ....
{引用=八月の月で海鳴り
それでも僕らは響く波音を知っていた}


  僕は今、紺碧の{ルビ海=マーレ}を閉じ込めた窓辺から
  君に宛ててこの手紙を書いている


  {ルビ ....
むかし

一年に一度しか逢えない
ひこぼしとおりひめは
可哀想だとおもった


いま

一年に一度必ず逢える
ひこぼしとおりひめを
うらやましいとおもう
ゆうべのお日様と反対側の窓から
パリっと香ばしいクロワッサンとカフェオレを照らしていく
キッチンでは片手に乗るのからホームベースほどのお弁当箱に
基本は20品目の彩りと怒りと愛情をつめていく
 ....
この手には限りがあることを
渋々から卒業をして
潔く
承知出来るようになったんだ

五本の指は五本でひとつ
二本の腕は二本でひとつ

一生懸命になるのではなくて
一生懸命にならざ ....
あたし達は多分
できかけのべっこうあめみたいに
ぐにゃ、ぐにゃ、してる

べっこう色、
きれいな固い肌も
もってないし

白い上白糖の、
さらさらした柔らかさも
なくしちゃったし
 ....
なくしたと思ってたものは
いつもそう、わすれた頃に
もどってくる。

だれかにあいされて
やっとひとつの固体になれる。

混ざり合わない
液体
飽和水溶液

再結晶

淋しさ ....
みんな投げやりだってこと
私たちは
体感したいのだ

本能には抗えないってこと
おなじ
罪人になりたいんだ

しかたないよねって

あなたの言うままに
ハンドルを切る
国道は
 ....
こんなに浅い眠りでは
うまく泳ぐこともできない

私はきっと
魚になりたいと

こうやってもがいているのに

軽々とふとんをはねのけても
夜の重さには耐えられない

私はきっと
 ....
ぜいぜい息切らして走る土手に
意志ころ犬ころ石っころ
どけよ邪魔なんだからどいてくれよ

川底にきらりと光った真空管
俺がほしかったのはあれなのだ
長らく探し続けていたのは
あれにまちが ....
たりぽん(大理 奔)さんの自由詩おすすめリスト(3653)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
道の途中- 岡部淳太 ...自由詩11*05-7-6
ヒロシ君- 大西 チ ...自由詩14*05-7-6
おもいでは、いつも、きれいだけど- 八月のさ ...自由詩905-7-6
自動ドアのこと- ベンジャ ...自由詩9*05-7-6
単調な鼻歌- デニスホ ...自由詩7*05-7-5
埠頭- 千波 一 ...自由詩10*05-7-5
夏男- tonpekep自由詩21*05-7-5
夜の手- 木立 悟自由詩505-7-5
ゴキブリに死を_わたしにキスを- 蜜 花自由詩5*05-7-5
プラナリア- umineko自由詩9*05-7-5
*砕け散る*- かおる自由詩12*05-7-5
満ち欠け- 紫音自由詩3*05-7-5
透明の中で- フォマル ...自由詩20*05-7-5
ふひゅーんあおあお- 石川和広自由詩9*05-7-4
月の記憶- こしごえ自由詩10*05-7-4
踊り子の前の約束- 木葉 揺自由詩5*05-7-4
ごうまん- 八月のさ ...自由詩705-7-4
小旅行- 紫音自由詩2*05-7-4
空の底- 望月 ゆ ...自由詩49*05-7-3
千羽鶴- ベンジャ ...自由詩68*05-7-3
深夜特急- 043BLUE自由詩105-7-2
八月の海鳴り- 嘉野千尋自由詩16*05-7-2
七夕- フォマル ...自由詩10*05-7-2
*黄昏まで47秒*- かおる自由詩9*05-7-2
穏やかな陽のなかで- 千波 一 ...自由詩12*05-7-2
べっこうあめ- とうどう ...自由詩14*05-7-1
再結晶- かのこ自由詩105-7-1
左折- umineko自由詩9*05-7-1
溺れそうな夜に- ベンジャ ...自由詩6*05-7-1
真空管- 佐々宝砂自由詩205-7-1

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