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藤棚をみて終わりにしたい
そう思いながら隣の庭が消えてしまう
積み置かれた状況 不要物
必要なものだけを鞄に詰め込んで
きみは何処へ行くというのか
即興で書いている ....
壮麗な科学技術の夜明けまえ
ボクとあなたが苺の関係だったということ
そのことが不可解な生き方に付加価値を付けてボクの証明につながり
つなぎ合わせのリボンを引きちぎる獣たちの姿を予見し ....
夜風に紙垂がゆれる
一文字だけの汗
斜影のない自転車を追いかける
金星はいつも金星で
見上げれば笑う檸檬の月
御前三杯酢をと乾く舌から 季節は巡り
....
はなしを食べたおかあさん
おとうさんはまだ会社にいる
ボクは画用紙にクレヨンをはしらせる
えんぴつでなまえのつづきを書いている
いろはたのしい
赤や青や黄色
た ....
渓流を下ると川幅は急流に狭くなる
浅瀬から水を撥ねた石には硬骨の節がある
隠れ鰻のように蛇行を繰り返し
河原に辿り着いたのは強固な意思に違いない
嘆く陰翳の底暗さの中に一点の灯りを見出した ....
引き出しの中にも眠る
掬われないまりうすの舵
印影の消えた朱肉をいつまでもはなさない
無駄に広がる玄関の扉開けば山河原の礎石が
角松と放置されたここには誰も居ないという証なのだ
盥いっぱ ....
紅茶山に陽が隠れて
キャンプを張るには少し肌寒い夜だった。
焚き火の根元をいじってるとムスコが問いかけてきたのだ。
(ねえ、法王様と天皇様ってどっちが偉いの?
枯れ枝で炭の棒を探る、こすり ....
冷たい風が鼻を折る
国道を挟んで対面から歩いてくる
久しぶりに見た欅の少年
あれはいつか晴れた日の青空に
いつも手を引かれた二人連れ
くねくねと大きな身振りと直角に折り返す手足
何かを ....