しののめという
停留所で
降りた

ゲームみたいに
人生みたいに
パリに夢を買いに行ったけど
留守だったので
インディアナポリスを訪ねた

私の夢の中の都市は
私が思い描くままの姿で
そこにあったり
なかったりした
都市ばかりではない
 ....
ひととひとのきょりがある
わたしたちは
こどくであるために
そのきょりをちぢめたり
とおざけたりして
こどくをいじしてきた
てんたいをふくむ
しぜんげんしょうとして

こ ....
ばかものよ
きみのせかいにだれもいない

ばかものよ
にしのそらにしずみかけている

ばかものよ
そこにいたのはだれなのか

ばかものよ
せかいはもっとひろかった
 ....
おそろいの人のからだで手をつなぎもう離さないと声も聞こえた ものがたりのせかいに
だれもいない

と、かたるだけで
せかいはなりたつのだった

かぜがそよぎ
このはがゆれている

たりないものは
すべてみたされていた
お代り、と言って
空の茶碗を掌に持ち
伸ばした腕がどこまでも伸びていく

伸びきったところで
祖母が茶碗を受け取って
傍にある炊飯器のご飯を茶碗に盛る

おばあちゃんのお代 ....
息もなく脈もない君に水みたしコンロひねる夜会いたくて 異常気象の年の冬
街に米が降った
街と言っても
そこはかつて
田んぼだったから
不思議なことではなかった

スコップで
米を側溝に流しながら
街の人々は言う

この降 ....
帰り道
若い恋人を見た
正確にはまだ
恋人ではなかった

とても美しい光景だった
青白く月に照らし出された二人が
自転車置場で明るく語りあっていた
自転車のハンドルを手にし ....
解けない誤解なら
いっそのこと
編んでしまえばよかった

美しい
セーターにして
きみに贈ればよかった

ありがとうと言ってくれた
その嘘も
本当のことも
あんまりあなたを
おばさんと言うものだから
傷つけてしまったのかと思って

あんまりあなたが
おじさんと言うものだから
嫌われたのかと思って

あんまりわたしたちが
わた ....
ルールを忘れた
隠れん坊の鬼
もういいかいも忘れて
まあだだよを聞いている

年月は過ぎ
西の空から
日暮れになると
たくさんのもういいよ

さがす人は
もういない
 ....
きっと
僕らは水なんだ
低い方へ
低い方へ流れる
水なんだ
今は遠く離れていても
おなじ海に
たどり着くまで
 
 
耳にイヤホンして
蛸が八本足で
街を歩いている

目をこすって
もう一度見たけれど
火星人ではなかった

公園の鳩も
イヤホンしてる
進化したのだろ ....
近所の魚屋で
タコが売っていた
三匹くらいいたと思うけど
どこからどこまでが
ひとつひとつの体なのか
その数は定かではない

きっと海の中では
ひとつひとつだったのだ
ひ ....
えきまえで
ろうじょがねている

もうふをかぶって
さむくないのだろうか

さむいといえばさむいし
さむくないといえば

さむいといえない
わたしのははも
ねているの ....
かんらんしゃのまどから
みたけしきをおもいだしている

ひとがありみたいにちいさくて
たてものもおもちゃみたい

ゆいいつおおきくみえたのは
あおいそらとしろいくも

お ....
しぜんを
かんさつしたいけど
このしろいたてもののなかで
はたらいてばかりいるから
しぜんをかんさつすることは
できないとおもっていた

なのに
このしろいたてものの
な ....
道端に人が横たわっている
居眠り運転の自動車がやってきて
定刻通りに轢き逃げしようとしている
その間にも私には守るべき家族がある
見なければ見ないことに出来たその人にも
同じくら ....
ひきだしのおくから
あなごりょうりのみせの
チラシをみつけた

いつかちちを
つれていきたくてとっていた
チラシだった

あなごが
すきかきらいかなんて
かまわなかった ....
こおりつく
ゆきやまにある
とてもふかい
たにぞこにかけられた
いっぽんの
ほそいほそいつりばしを
わたしたちはわたっている

こたつでテレビをみながら
じょやのかねをき ....
よるおそく
きたくしたときに
たべようとおもっていた
カップラーメンが
ないのだ

これはふしぎなことだ
わたしいがいに
このいえで
だれかがくらしているのだ

おな ....
きんえん
というのは

じぶんのからだというか
じぶんのたちばを
まもるために
するもんなんだろう

でも
かっこわるいよな
だんだん
むりしなくなる

むりをし ....
わすれたくない
としがあった

だからわたしは
いかなかった

わすれることさえ
できなくなった

あなたを
わすれないために
 
 
つまがとなりで
ねている

ときには
いとしくてだきしめて
にくらしくてせをむけて

つまがとなりで
ねている

そのどちらでもない
よるも
 
 
 
 
新しいスリッパが
いつかぼろぼろになった時
その懐かしさに
胸を熱くさせる
二人でありたい
 
 
 
 
ふっとみえたのは
あしでした

あしいがいになにもない
わたしでした

うさぎにうまれ
うさぎとしていきていた
わたしでした

たしかなことはしりません
ことばより
 ....
 
 
いいわけをしていると
いいわけがない

いいわけがないのに
いいわけをしている

いけないことをしたときにした
それをいいわけにして

うまれたわけまで
さかのぼってし ....
 
 
クリスマスだと
おもうからいけない

そんなもの
はじめからなかったのだ

まちはさわがしく
わたしはいきている

そんなもの
はじめからなかったからだ
 
 
小川 葉(1581)
タイトル カテゴリ Point 日付
しののめ自由詩1*11/1/31 23:34
夢に関する権利自由詩1+*11/1/30 18:43
公民館自由詩511/1/28 0:08
ばかものよ自由詩211/1/27 0:23
おそろい短歌111/1/25 1:39
放射性欠損補填自由詩1*11/1/25 0:34
お代り自由詩911/1/24 0:44
ケトル短歌111/1/23 11:24
愚かな農園自由詩5*11/1/21 0:19
思い出散文(批評 ...111/1/19 1:06
美しい誤解自由詩6*11/1/19 0:10
ふたつ自由詩011/1/18 1:40
ルール自由詩311/1/16 18:18
海へ自由詩311/1/14 3:09
蛸にイヤホン自由詩1*11/1/13 2:59
タコ自由詩511/1/11 20:18
自由詩211/1/9 3:31
観覧車自由詩211/1/9 2:47
あったそこにあった自由詩511/1/8 0:04
友達自由詩411/1/7 4:12
引き出し自由詩511/1/4 21:39
年越自由詩310/12/31 4:13
家人自由詩310/12/30 5:17
プライド自由詩210/12/30 4:42
忘年会自由詩010/12/29 1:43
隣で寝ている自由詩3*10/12/28 2:09
スリッパ自由詩3*10/12/26 3:07
ラビッツフット自由詩5*10/12/25 0:35
それをいいわけに自由詩1*10/12/24 22:53
聖なる夜自由詩110/12/24 22:13

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 
0.12sec.