タコ
小川 葉
近所の魚屋で
タコが売っていた
三匹くらいいたと思うけど
どこからどこまでが
ひとつひとつの体なのか
その数は定かではない
きっと海の中では
ひとつひとつだったのだ
ひとつひとつでいられたのだ
親子か兄弟か知人なのか
ただの通りすがりの他人なのか
それさえもわからなくなって
近所の魚屋で売っている
タコはすべて
タコである
自由詩
タコ
Copyright
小川 葉
2011-01-11 20:18:58
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