帰りたいふゆの陽向の命日へ本当はいま骨はどこなの
ちょっと待って。何をですか? パソコンです、ハードディスクが呼んでいますよ。
立ち返る里を持ってはいないから何を捨ててものこしても ....
ほら首都高が唸り始めた
まだ週末には一日早いのに
しかも近頃は人手不足
売り手市場だって
遊んでないで仕事に励めよ
わたしの部屋にも一通届いた
握りしめて鍵をしっかりと確認してから
....
無理やり押し殺した感情はあった
具現はなみだだった
部屋に帰ってしっかりと鍵も確認してから
こぼれ落ちるにまかせてみた
止まらない止まらない
こんなにもあったのかと
いとしい形たちに
....
海に来た
理由、必要かい
海に来た
海に来た
五月晴れとの予報は当たり
かもめは冴え冴えと
風に乗っている
東京の埠頭に匂いがないと人は言うが
わたしには聴こえる
埋め立ての ....
なみだしかない日がある
ひとりだけの日ばっかりで
週末は私を孤児にするし
首都高では公認のお祭り騒ぎ
いつからか某リゾートが
花火を控えめにやるようになって
気がついたら穏やか上手な
....
泣いちゃいけないよ
って言わないで
俯いちゃいけないよ
って言わないで
言ってくれないから
泣いている
言ってくれないから
俯いている
雨降りお天気は
きょうもお元気
街に ....
町が痛いの、知らない風が吹いている
出てゆけって聴こえる
おまえの居場所じゃないぞって
いま、一人で泣いてる
死にたい気持ちが少しある
、紫色のスターチスを3本買ったよ
春の野がどこまでも遠いこの{ルビ病室=へや}できのうさくらが終わったと知る
この年のさくらも終わりわが{ルビ病室=へや}はたとえようのなく北東を向く
春風が知らずにすぎる向きに建つ ....
シャボン玉一瞬だけの夢をみる
君はダイイング・メッセージをのこしていたのかもしれないが
わたしは自分のことで蹲ってしまっていて
予感もあったし想定内だった
また、かい(幾度目のため息だろう)
もう同じ名ではここへ来 ....
儚そうにしているので
水をあげる
儚そうにしているので
そよ風に頼んでみる
儚そうにしているので
歌って聴かせる
儚そうな顔をやめないので
そっと立ち去る
ものかげ ....
一本の桜樹の隣に佇んでいる
赤いスカートの少女の笑顔は
難しくてきっと誰にも
読み解くことはできないだろう
花は満開で風から逃げながら
逃げ切れずに儚くしている
舞う薄桃色に歓喜する
....
春の庭は公然の果実となった
うららかが市民権を得て手を振っている
春嵐の気まぐれな登場が
時々番狂わせだけれど
戸惑うことなくスプリングコートを
選んだこの日にも季節は私に謳歌を許した
....
ジャンがみててくれる部屋で
どこも痛くなく暮らしたい
ジャンがみててくれる部屋で
どこも寒くなく暮らしたい
神さまがみててくれる部屋で
どこも痛くなく暮らしたい
神さまがやさしくしてく ....
夜の森に鹿は居て
、もう書けない
春に実った野ブドウを食べている
わけはないと(は、
違った意味で)当然だったはずのことが
そうではなくなり
永劫のような空腹を抱えて
すっかり神経は擦り ....
かもめは母国に呼ばれない
カムチャッカもシベリアも
君たちのことを忘れてしまったようだ
かもめは帰らない
かもめはかもめからこの国で生まれた
産んだかもめもこの国で
いつからそうなった ....
影二つ並ばぬ道のさくらかな
日めくりと月の暦の春くらべ
春うらら縄跳びをする白い靴
荒川のにびの隣に蝶の道
いずこにもナガミヒナゲシ春うらら
※そこな ....
富士川で水切りをした春のこと
さくらばなみあげるついでの空がある
長閑さに欠伸を一つ東京都
どの春も花は池上本門寺
もう下流にびの荒川ねこやなぎ
夜に善し上田城跡のさくらかな
草青む父の手のなか春生まれ
ブランコにぽつんと揺れる春帽子
彼岸寒世間と違いわが部屋は
凍てゆるむホットドッグ屋きょうも来る
金魚鉢ひらひらと赤水ぬるむ
三連休春だ春だと無事終わる
朝まだきソメイヨシノと少年と
紫の息も思い出春うらら
※荒川の河川敷より蝶々出づ(直し中)
菜の花にお辞儀をさせる風が居る
朧月永代という供養塔
クロネコの長距離トラック春霞
桜餅外税表示で並びをり
外税の九円ありて花疲れ
マーケット前のガチャガチャ子の春愁
龍天に昇る夜明けはすみれいろ
いっせいに北窓開くビルの壁
本閉じて灯りを消して猫の恋
冴え返る日に面影の浮かぶきみ
春めかず灰色の空にびの雨
桜東風おんな心のような風
花時を目の前にして部屋籠り
山笑う確定申告つつがなく
春の野の独り芝居かかなしきは
冴え返る金魚が一つだけの鉢
佐保姫の国籍をふと物思い
長閑なり雨降る故にこの町は
冬の朝太平洋側砂浜で待ちぼうけ無しの天気の予報
ひとびとが一歩一歩と近くなり他人の消えて浜初日の出
聞きづらいおばあちゃんにはテレビ音わたしにはみかん譲る正月
さびしさにどちらかとい ....
傘潰したいかのようにふる雨に応じるように生きる日々あり
つい泣いてわけ訊くひとも無い暮らし言いたい気持ち抑えられない
そろばんもカエルの解剖実験も避けて通れた転校万歳
大規模な改修工 ....
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