部屋で
  死ぬ
  小さな
  しろい雨のあと



  音、
  壁を打ち
  忘れ
  透明に腐ってゆく



  君が
  待っていた
  空椅子に ....
   パラダイス イズ インサイジュー
   パラダイス イズ インサイジュー
   さあ、マイムマイム、舞え。
   心持たぬ人の群れ
   王国にいま集え



   ビト ....
  くだらないこと思い出しながら
  透明な月を見つめていた


  サランラップにつつんで息の根をとめた
  かなしみのはりついた君の顔


  ぼくは何になれるんだろう
 ....
  水から
  あふれた水


  長い
  道をつたって
  きみは
  こぼれてきた


  みずから
  あふれたみず


  朝は
  みじかくていい
 ....
  木々のそよぎ、
  風が通り抜け、
  夢の気配、
  朝露、
  日は差し、
  蝉の声、
  水が匂い、
  きみと歌をうたった。



  なくさないよう、
 ....
  川辺で
  黒い指が
  内臓を洗っている



  夜が
  温かな口をひらいて
  言葉を吸っている



  女たちが
  此処に横たわり
  草のように ....
  埃をかぶったブラインド越しに
  夕しずむ風景がちらばって
  きらる



  あちらは
  ひかり、
  骨のようにしずかな
  風のようにとうめいな
  夢のようにふくざ ....
  現実のなかのさまざまのもののけ
  すべすべした
  あるいはごつごつした
  ひとの頬のぬくみ
  ゴミ山



  雨あめ降れ降れもっとふれよと
  だいだい色の子どもたちは ....
  駅の裏に停めたはずなのに
  おれの自転車がぬすまれていた
  空から雨が落っこちてきて
  もうほんとうに最悪だ

  死ね 死ね 死ね
  みんな死ね 死ね



   ....
  ぼくの胸のなかには
  夕ぐれのかたまりが埋まっている


  まだ少し青い
  おさないトマトのような
  ゆううつを潰していく
  苦笑いに似た音をたてて


  きみ ....
  あつい夜
  壁にもたれて
  女が一人
  しゃがんでいた



  街灯が
  女の髪を乾かしていた



  化粧気のない
  山芋のような顔で
  その ....
  背中の曲がった老人が
  夕暮れに向かって歩いている
  歩きたいのだ
  だれも
  彼に杖を貸してはいけない



  赤ん坊を抱いた女が
  夕暮れに向かって歩いて ....
  川に流れる。
  水が流れる。
  石ころが
  魚たちが
  鴨が流れる。



  川に流れる。
  夕焼けが流れる。
  燃えるような
  色の群れが
  と ....
  いびつに
  きみをだきしめる
  できるだけ身ぢかく
  みつめるため



  しろい
  しろい
  息できない
  うまく笑えない
  とても、
  ビュー ....
  むかし、近所に住んでいた
  髪のながい女の人が
  ことばはオモチャじゃありません
  そういって
  心に両手をつっこんで
  僕の言葉を持っていってしまった



 ....
  ジャングルジムのぽつんとある
  くらい公園
  ここが最後だ
  ここからこころはどこへもゆけない



  ざらついた月の下で
  気がすむまで
  煙草を吸ったら
 ....
  六月の光が君の
  最後のてのひらで混ざって
  うすぐらい雨になって
  降りしきった
  君の小さな声や
  僕のくだらない夢は
  もう誰にも
  聞こえたりしなかった ....
  朽ち終えたような、
  もう、動くことのないベッド
  朽ち終えたような、
  もう、動くことのない
  ひとつ、カラダ……
  男なの女なの?
  ヒトなの、サルなの?
  ....
  81.

  太陽の真実を
  月が省察している

  82.

  会議室のホワイトボードに掲げた
  サハラ砂漠のレントゲン写真
  言葉は保冷剤ほどの値打ちもない
 ....
  

  61.

  半規管の殺風景
  宇宙を感じ
  宇宙に感じられること

  62.

  包帯を巻かれたマイクロフォンで
  肋骨にヒビが入った空気を震わす

 ....
  

  41.

  光のうちに
  五つどころか、六つも八つも
  感覚は踊り
  誘う

  42.

  空き缶の塔に住む五十七歳の老人

  43.

  失 ....
  

  21.

  緑色の金属に囲まれた空間が
  ハニカム構造で互いに結びつき
  誰もが知っている簡単な方程式を合言葉に
  夜の扉がひらく

  22.

  春のJ ....
  1.

  海岸に
  打ち上げられたふたりの詩人が
  詩の話をしている
  金持ちが金の話をするように

  2.

  都市を撃ちぬく
  弾丸
  僕たちの指 ....
  夜になると
  忘れていたものが僕の
  心を重くする



  夜になると
  僕たちはせっせと産みを始める
  明日はどうせやって来て
  握り潰してしまうのに
  ....
  果物ナイフできみの
  胎のあたりをちょっと切ったら
  どろどろとした詩がこぼれてきた
  その飴色の液体は
  ぼくの手のうえを這い
  フローリングに落ちて広がった
 ....
  不自然。
  風吹かず、散る、
  人格、人情、人間性。僕、僕、
  ぼくは散る。
  句読点。ぼくはオノマトペ、
  ぼくは感嘆符、感動詞、畢竟、雑音。
  プラスチック ....
  ゆれる
  歩道橋で
  ぼくのからだは
  空を見あげた



  光の
  ふやけたところから
  いまにも
  だれかが降りてきそうだよ



  ち ....
 1.花畑に咲く

{引用=もう朝は終わってしまった
ちいさな女の子の
やわらかな手のうえで



朝は終わってしまった
だれかの罪が
ぼくの眠りを食んで
プランターの中で育って ....
  八月の市営プールが君のノスタルジア。
  脚立みたいな正体不明の監視装置に鎮座する五十格好、
  主婦を悩ます排水溝のぬめりに近似したプールサイド、
  二十五メートルを往復している小型 ....
  学校帰りの
  黄色い子どもたちが
  葉桜の大きな
  大きな陰をこえると
  もう
  すっかり
  おとなになってしまった
草野春心(1149)
タイトル カテゴリ Point 日付
静謐自由詩311/1/12 0:12
王国自由詩211/1/10 23:44
サランラップ自由詩2*11/1/7 17:34
うつわ自由詩4*11/1/5 18:16
夏の宝物自由詩2*10/12/17 11:16
川辺で[group]自由詩2*10/9/6 15:01
きらる自由詩2*10/8/18 23:14
あいについて自由詩110/8/18 22:48
カレーライス賛歌自由詩110/8/16 21:47
ゆううつ自由詩4*10/8/8 23:09
しゃがむ女自由詩010/7/30 0:07
帰り道自由詩110/7/24 1:04
川に流れる自由詩410/7/19 2:35
ビューティフル[group]自由詩4*10/7/13 23:27
初恋[group]自由詩410/7/13 11:24
ジャングルジム自由詩4*10/7/10 20:07
君のアパート自由詩110/7/8 17:30
太陽[group]自由詩010/7/6 20:21
都市風景(81〜100)[group]自由詩1*10/7/3 14:15
都市風景(61〜80)[group]自由詩310/7/2 11:00
都市風景(41〜60)[group]自由詩210/7/1 5:36
都市風景(21〜40)[group]自由詩210/6/30 15:21
都市風景(1〜20)[group]自由詩410/6/29 16:20
夜になると自由詩210/6/27 14:22
[group]自由詩210/6/16 23:15
部屋自由詩010/6/14 1:34
白い空自由詩310/6/11 2:39
ゲルニカ[group]自由詩310/6/8 14:49
ノスタルジア[group]自由詩210/6/6 14:04
日陰[group]自由詩310/6/3 14:07

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