観音山のすそ野に拡がる田が
今年は三色パステルの絨毯になって
そよと花が揺れる
ときおり
少し遅れて
風にすれる音が続く
明日
あの人に見せたい
と思う場所が
またひ ....
  



あなたはどうして 
あなたの存在を否定しているのですか



宇宙人、幽霊、前世来世、宇宙の果て、

なんかはともかくとして

熱水鉱床に巣くう細菌塊
深海で共 ....
 

ぐるぐるまわる世界で
立ち止まるなんてこと
しなきゃよかった
空が広がって



     何人もの君への想いを
     愛しているかもしれないこと
     と唇から綴 ....
ガロイ先輩は
割れにくい卵の研究に6年

チブラさんは
すぐ割れる卵の研究に3年

間に挟まれる僕は
ただ暖め続けている
だけ


やがて

夕暮れになってやっと君たちは
 ....
  
金沢の隅っこ
と言ってもこの中途半端に古い街では
どこがまん中でどこが端っこで
なんて遅々とではあるが変わり続けていて
ただ
最後の文化住宅が未だに壊されずに
次の住人を待ち続 ....
 

おうい

て声が聞こえる
聞こえる

振り返らない

熊が山を降りてゆく
呼ばれたわけでもないのに

呼ばれたのは
君じゃないのか
とさっきから
そこでしゃがんでい ....
  

日平均残業三時間の男で惣菜売り場がごった返する午後9時
たまには
という連中が鮮魚コーナーでうろうろする
帰りの電車でグルメ漫画を読んでたりなんかすると


白い袋の中には当然 ....
明日降るはずの雨が
雪になるという


いたたまれない気持ちで
坂道おりていくと
君の住む町角ではもう
もう静かに積もりはじめているのだろう
と思えた


流してしま ....
  



十五年ぶりに
山辺の路を歩く
あのときは誰と歩いたっけ

いくつもの寺や神社で
いくかのお願いをしながら
あのときは誰と

箸墓の謂れを読んでいるころから
みぞお ....
キュウちゃんいなくなった

ピーちゃん泣いた

おばあは笑った



じいちゃんいなくなった

みんな泣いた

おばあは笑った

おばあは笑ってた

お ....
と何回唱えても

僕の鼓動は少しずつ速くなって



よくあることさ

とつぶやくと

君は翼で空をひとつたたいて

すいと方角を変えて行く



見上げれば

立 ....
あの日

君と僕があの日拾った木の実の種は

同じように見えていたけど

そのうちに

芽が出て

葉がついて

茎がやがて幹になるころから

どちらの思いも

お ....
  

そちらは晴れていますか
あの青年も一緒にいるのですか
計り知れない憎しみはもちろんあるのですが
それでも
彼にもわずかの救いがあれと思う誰かがいます

そちらは晴れていますか
 ....
しりきれとんぼの君に
まる
いつもあたらしいおもちゃの方を向いて
振り向くこともなく
ぽいと捨てられた君のおもちゃに
まる

おけらの君にまる
最初の意気込みと
投げ出す言い訳の愛し ....
 
 
最後の頁は





いくつもの空を渡って

うたが

君の心へ届いたなら



いくつもの虹を越えて

ことばが

君の心へ入り込んだのなら

 ....
  

うみねこはねこじゃない
うみうしもうしじゃない
うみぶどうもぶどうじゃない
うみほたるは魂じゃない

そのほたるも海には帰れない


漁り火はほたるじゃない
燐光もほたる ....
陽も長くなって
もう無くなったと思っていた
花びらがみっつ
緑の Vivio T-top のフロントガラスで
ふわりとしていた


走り出すと
「春ですね」
って言って消えていっ ....
 卵を産もうとするシャケは身が白くなる。
まずまず白くなっても味は変わらないと思
うのだが、それでも紅いほうが美味しそう
に見えると、おじさんは卵を取り去った腹
に紅麹をなぶりつけて、 ....
  


だからって
なにを載せてもいいわけじゃないけど


  私はこんなに
  あなたへの思い綴っているのに
  そして
  世界中に繋がるはずの手紙で
  届けているのに
 ....
全自動じいさんは全自動ですが、梅干しを混
入させると、寂びてしまう恐れがありす。
そこで、改良されたグレート全自動じいさん
は耐性が強く、決して寂びることも侘びるこ
ともないのですが、面白味は ....
三日月1号線は
全ての痛みを解いてくれる
ここではないどこかへ行ける
らしい
東に向かって走る
それだけで


僕は毎日のように
日常57号線を
行ったり来たりしているのだが
三 ....
三丁目あたり


地球儀で見ると
ここは夜のはずなのに
夜はいったい何処にいったのかしら


どこにも辿りつけませんように
と願う



ナビゲーションを彼女に頼むなんて
 ....
替え玉 頼むと
隣で苦い顔をした
ヤダマサシはそんな友達
旨いものは旨いからもっと食べたい
言いたいことは判る
替え玉のったらダシが薄くなって
さっきと違って
もう旨くないのかも ....
 

駅の向こうはすっかり変わってしまった
と 久しぶりの彼女が言う
のを 知らんフリでスタスタと歩き
再開発のモールを抜け
すぐそこの古い喫茶店が見えると
彼女の頬が少しだけ紅潮した
 ....
 
結局また

こんなとこに戻ってまうねん

て とむ が言う

ほんまの自由は

ここにあるさかいに

て じむ が言う

ぼちぼち が一番や 

て言いかけた はっく ....
  

日焼けあとのしろとくろ
では
味が違うのだ

違うと思うから
何度も確かめようとしているのに
その境目で
ほら
邪魔が入って

夏はまだ終われない


感じるまま ....
八つまわって生まれ年には
かざぐるまで遊びます
ずっとずっと昔から
そういうことになっております

孫達が方々探し歩いてくれましたが
あいにく
アメリカ色の
プラスチッキーなものしかな ....
 


まだまだ不器用な
あいちゃんの手では
線香花火の玉が
もう少し
と思うところで

 ふっ

と下に落ちる



もう少しで
ひとつの場面が見える

もう少し ....
魚津の水族館で
イシダイの一尾が輪っかを
するりと抜ける
そのとき
古い学習図鑑の白黒ページのイラスト
を思い出した

それが
    かげろう


{引用=
 蜃気楼の街 
 ....
  

残暑見舞い申し上げます
少女だったあなたと出会ったときから
もう何回目かの夏が過ぎてゆきます

 白い制服と 浅黒い笑顔
 ぼんやりと胸に残っています


会わな ....
AB(なかほど)(631)
タイトル カテゴリ Point 日付
連音/ゆうなんぎい[group]自由詩5*04/11/1 22:04
ネガチヴ≠孤高の学者未詩・独白204/10/31 23:24
着想未詩・独白604/10/26 16:28
孵化[group]自由詩604/10/24 21:14
ぶらっくぼっくす[group]自由詩204/10/16 21:10
連音/脂喰坊主 と[group]自由詩704/10/14 18:47
タラ[group]自由詩104/10/8 21:56
明日降る雨が未詩・独白504/10/1 21:15
軒下いっぱい[group]自由詩704/9/25 11:20
姥の喝(仮[group]未詩・独白704/9/24 14:26
とんぼかげろうこおろぎ彼岸花(ゆうううつ)[group]自由詩204/9/23 20:36
ものかけ[group]自由詩304/9/21 21:18
Stabat Mater[group]未詩・独白404/9/15 11:41
[group]自由詩1404/9/14 16:05
あとがきにかえて[group]未詩・独白204/9/8 16:08
うみほたる[group]未詩・独白604/9/7 23:51
春でした自由詩204/9/6 18:59
デリシャス・ピンク[group]自由詩404/9/4 23:41
パロディ・サイト[group]未詩・独白204/9/2 18:06
全自動じいさん[group]未詩・独白704/8/31 0:42
交差点のリリィ[group]自由詩504/8/29 23:38
地図夜[group]未詩・独白504/8/29 23:26
戸越銀座からヤダマサシ自由詩2*04/8/26 15:18
イントロ 0+1自由詩204/8/25 15:44
淀川ブルー[group]自由詩1004/8/21 19:17
夏が逝く自由詩204/8/19 18:42
風色の記憶/花ぬカジマヤー[group]自由詩104/8/18 16:55
送り火ピアニシモ[group]自由詩304/8/15 13:53
カフェ・ミラージュ[group]自由詩5*04/8/12 18:19
宛先不知[group]自由詩404/8/9 15:43

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