薬包紙を三角に折って
手が止まる
そのまま丸めて
くずかごに捨てる

遠く遠くのことを
そういうように
君のことを月と呼ぶ



{引用=即興ゴルコンダより}
  

二番煎じのお茶が
案外おいしかった とか
立会川からの車窓に
富士山が見えた とか

そういうことで
日々が過ぎてゆけば
あのひとも
泣かずにすんだのかな

ときどき
 ....
明日がずっとある
ような気がしてた

いつもおなかが空く
ように

ときどき
詩なんか綴るように



{引用=即興ゴルコンダより} 
そろそろ
おしゃかさまがそでをふるころだ
といわれて
もう
はっぴゃくとにじゅうねん
それから
さいごのおさばきがあるといわれて
もう
せんとじゅうねん
かみもほとけも
ずいぶ ....
砂漠

{引用=飽和湿度に近い街で
渇いた自分を見ている
店のガラスだけではなく
道行く人々の顔にも
同じような表情が広がって
だから
ときどき
父や母の顔を思い浮かべる
のだろう ....
  一

窓から見える
白い
卯辰山

きれいだね
と言えなかった

のに

君は
微笑んでいた



  二

フェンス横
に自転車


ゲイラカイトは
 ....
  

坂道のぼって十字路へ
薬局、食堂、てんぷら屋
くさみち、赤道、平良川
信号 渡って瀬戸物屋


バス停に立つ僕
落書き、はがれかけ、路線図
くさみち、赤道、平良川
指で明 ....
   


祈るべきことが多すぎて




だから

一日が終わるのだろう






眠るってのは

そういうことかい






{引 ....
朝から
ひぐらしの声が聞こえてきて
やっぱり
帰りたい って
思った


そんな日でも
快速電車は
あの頃のアパートを
速度を上げながら
通り過ぎる


耳を澄ませば
 ....
  

水辺のイカロスは
梅雨の数日しか舞うことはない
ただ静かに光りもせずにじっとしていれば
もう少し
例えば
今でも草陰で静かに呼吸をしている
のかもしれない


小惑星にま ....
電車は陽炎のレールを
すべるでもなくはうように



ホースの先を
つぶして持つ君の背中から
やぁ
 と声をかけると
驚いた拍子の水を
よける間もなかった

光化学スモッグ注意 ....
飛べるわけでもないのに
いつの間にか
こんなに遠くになってしまった

遠ざかったのは彼らなのか
僕のほうなのか
教えてくれるはずのあなたは
昼寝をしてた椅子のように
そっけなく ....
蝉時雨
もうすぐ初盆です
と言った義母の心が
くみとれなかった

その気持ちが解らないまま
私の口からも
同じ言葉が出てる
蝉時雨

記憶をたどろうとすると
嫁は不思議そ ....
*  

地球はまわる
ぼくらもまわる
ガリレオ相対性のきれいなこと


**

あの人のように強くなくても
あの人のように正しくなくても
やっぱりダメだと
苦笑いする夜も ....
天の川      A train crossing
渡る列車     the Milky Way
         is
ふぉがとん    forgotten
ふぉがたん    forgott ....
役に立たないものばかりに
気が行ってしまって
そんな中から
昨日の風景が広がって
風に乗った君が
僕に気づかずに
颯爽と消えてった
たぶんあれが一番大事な恋で
それは詩にできません
 ....
  

空を見上げたあなたを覚えている

強いひとになりなさい
と言われたことがある
そのときのあなたは泣いていた
いつしか同じことを僕が言っている
気づくと僕は泣いてはいない
あな ....
例えば二分の一の確率だけ
の君がいる
それは僕かもしれない
ふたを開けるまで
どちらの君がいるのか
あるいは僕がいるのか判らない
もちろん半分だけの君と僕が
キカイダーかバロムワンかダブ ....
ちょっと

散歩してきます

と言って

君が出てゆく


その背中に

さよならと言って


僕のほうが

消えてしまいそうだ


そろそろ

大岡川の ....
おとなになっても
われない実が
ぽけっとの中でまだ
じっと待っている

かたん
とあごのはずれた人形の
ぽけっとの中で
じっとしている

握りしめるたびに
昨日のことなんかも ....
昨日旅立ったものへ

ふってくるものが
すべてくもからやってくるものでもない
なんてことはわかっている

そらをみあげる

今日旅立ったものへ
明日旅立つものへ

ふっ ....
もう歩けない
って言った
しゃがんだままの
気持ちがまだあのあたりに

地球はぐるぐるまわっているのに
って
そんなふうに
知らんふり

進みつづけるって
忘れつづけるっ ....
雨ノ翌朝ニ
藻屑拾イニ行カフト思フ
其処ニ彼方ノ声ノ聞コヘル筈
モ無イコトハ知レテ居ル

藻ハ花持タヌニ咲クト詠フ
姫モ
吾ト同ジフ様ニ
玉藻ノ揺レルニ俯イタカ

揺レルガ藻ノ ....
これは たまらないね。
とふりかえると

そこに君がいない


そんな間違いとか
勘違いとか
ずるいことなんか
を教えてくれる小説が
本棚に詰まってゆく

ねぇ
Мさんなんか ....
その合間に

Stranger から
Honesty にかわる


その合間に

今日の失敗を
またつぶやいて


その合間に

明日の仕事の
算段が溶けていって

 ....
剣とペンも使いようで

早く抱きしめてあげてくださいと

好きな色のリボンを渡した




{引用=即興ゴルコンダより}
すべてを
優柔不断なかまいたちのせい
にして
そこに何もなかったことにする
つもり

その傷のふたつみっつは
僕の記憶だったはず
なのに

ひざこぞうがわらいながら
泣き出した
 ....
この世の全てに
いくつかのちからがあります
弱いちからと強いちからと
まだ見つかっていない重力と
あとは、
みなさんが考えてみてね

と去ってしまった先生、
僕らはうなずいたままです ....
隠すためか
見せるためか
守るためか
攻めるためか
脱ぐために
穿くため

そういえば
昨日はあんなに笑いながら脱いだのに
今日は
とてもじゃないけど笑ってらんない
 ....
きりのいいところで
ひとやすみにして
と言いかけると
とても悲しい顔をする
そんなに文字が好きですか
とても気になるおはなしの
魔法にかかった君は
幸せそうにカレンダーにしるしをつけ ....
AB(なかほど)(620)
タイトル カテゴリ Point 日付
硫酸の月自由詩310/11/3 23:08
薄幸と的自由詩310/10/28 18:21
一人暮らし自由詩210/10/6 23:28
ふれぬそで自由詩110/9/13 9:45
オベリスク自由詩710/9/11 15:43
指先の向こうには自由詩1*10/9/2 17:09
夕焼けが足りない 8[group]自由詩3*10/9/2 16:26
一日の終わりに自由詩110/8/23 14:24
その蜩自由詩610/8/5 9:24
イカロス[group]自由詩410/7/31 16:48
よこしまなにじ自由詩210/7/23 17:58
庭に胡瓜自由詩610/7/5 13:38
無回転姑自由詩310/6/28 9:17
くちなしの星 こころ ぶるーの自由詩4*10/6/18 19:08
忘却列車自由詩2*10/6/18 12:40
恋と詩と自由詩310/6/10 8:28
こころ そらの自由詩6*10/5/11 12:23
こころ はんぶん自由詩310/5/8 17:04
芽吹き自由詩4*10/3/18 0:49
胡桃自由詩310/2/23 17:32
くものせい自由詩310/2/23 11:07
ぼくたちの失敗自由詩310/2/14 23:47
かいそう自由詩209/10/9 23:37
おひとり戦記自由詩309/9/25 12:16
紅茶が冷めるまで自由詩309/8/25 23:00
安全ピンなら安全ですから自由詩109/8/16 22:22
真空にかすり傷自由詩309/7/14 23:05
グルーオン自由詩11*09/6/19 21:45
ほんとうのパンツ自由詩309/6/15 23:09
ところで、発売はいつになるんですか?自由詩209/5/25 23:20

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