生駒さんの餅まきで
みっちゃんは手を伸ばしとったけど
その手に餅は届かず
白い紙切れだけが絡んできた


帰り道

こんなんいやや
とちぎろうとしたころ
竜田川の迅奈良が顔出し ....
 
 朝 二台並んだクリーンベンチの前に座り
 ルーチンワークを始める
 もうひとつの椅子にはいつもの相棒Sが座る
 「サザエさん症候群」
 マスクでくぐもった声が話し出す

    数 ....
 今
 そんなに強張っているけど
 肩の力を抜いて
 眉間の力も抜いて
 下唇の下の力も抜いて
 そしてなにより
 心の力を抜いたら
 自然に腹の力も抜けるから
 そしたら
 Boo ....
  

ラベンダー絨毯の中
東へ東へ向かうバス
点在するハーブ園
スィングするカラフルな文字
流れる
ラジオから
セージ、パ リ、マリ 、タイム、、、
と聞こえ
行くのですか
と ....
凸凹配位座はいつでも漂っていて
なにかの拍子に
繋ぎ合っている手のひらの合間にもある
ついさっきまで当たり前のことが
風ひとつ吹いただけで
何ひとつ理解できなかったり
その道理に畏れたり
 ....
三丁目の角を曲がったところでふと
君の匂いを感じたとき
なんてことないと思っていたのに

電子レンジに卵を入れて
しばらく眺めてから取り出し
破裂するかどうかを少しだけ考える
あれと似て ....
 おっきい おばあ
 おきなわでもきしゃがはしってたって
 ほんとぅ

 ええ やーぬ わらばーや        ねえ お前の子は
 ぬーんでぃ あびとうが         何と言っているの ....
 今
 君が飛び立つ理由を僕は知らない
 君が微笑んでいる理由も僕は知らない
 なあ エンキドゥ
 この世でやるべき事は僕よりも多いはずだし
 この世で愛されているのも君の方だ
 
 ....
ちゅらさ ちらす ちらさ{引用=(美しさ 散らす つらさ)}
笑って 
と三回繰り返した後
泣き出したのは
どっちだったっけ

まぶや まぶや



ちらさん ちゅらー ちらさに{ ....
いくつもの季節が過ぎて
君の笑顔しか思い出せなくなっていました


田舎へ帰ったと聞いて
いくつものアルバムの中の君を探しているのですが
探しているのは笑顔ではないのです
悲しみを探 ....
1 自然環境におけるチャンスは人間の想像以上に確率の低いもので
  まず心よりも先に愛しいと感じる全ての器官

{引用=参考資料1「2つの景色」より

マウントするのは
野生における♂が
 ....
 誰も彼もが遥かな野望を抱いて
 自分の道を進む訳でもないのに
 「最終講義」をされる先生方はみな

 立派な「哲学」を持ち

 その専門分野に
 どんな斬新な風を吹き込み
 どん ....
まだ緑の生い茂った頃につく花梨の実は、
毎年のように手が届かないところについてい
て。酒に漬けると美味しくなるとか、蜂蜜を
加えたら喉の薬になるとか、はす向かいのK
さんは毎年言う。

け ....
赤い辞書

君の持っている赤い辞書に
夕焼けは
挟まれている

もう長いこと挟まれていたので
辞書の文字が夕焼けに溶けて
世界がぼやけて
君の世界がぼやけてゆく

のを見ている ....
1 クロッキー

齧りかけの林檎を
はじめて描いたのは
一三歳のクロッキーで
もう
二〇年も前のこと
その後
デッサン
水彩画
詩の入ったポスターカラー仕上げ
油絵
完成した絵 ....
1 バス待ち


陽だまりの停留所に
車椅子の老人


声かけようか
たとえば
今日もお陽さん輝いていますね
でもすぐそこには冬将軍で
そのブランケットは暖かそうですね
サング ....
 とある金曜の夜
 彼女は出ていった

 理由なんか知りたくもない
 ので土曜の午後から
 彼女のものを片付けてみる

 と冷蔵庫の奥から何重にもラップされ
 忘れ去られたくさやが
 ....
  

自転車置き場で
空を見上げるのがいい
そこに風でも吹いてくれれば
なおいい
そんなとき
携帯電話の電池でも切れていて
何か大事なことや
大した事じゃないことや
君にとっては ....
五反田へは
品川まわりの方が早いけど
君を思いだすために
久しぶりの家並みを見ながら
今の僕には池上線が
ちょうどいい速度で
君と出かけた日
洗足池で降りだした雨は
五反田で本降りにな ....
(曙)

薄暗い部屋の中
光のはしごがすうっとかけられ
それは
雨戸の隙間から漏れていて
僕はふとんから起き出て
手を翳した
掴むことはできない
ああ それでも
 ....
AB(なかほど)(620)
タイトル カテゴリ Point 日付
迅奈良と幣 (じんなら と ぬさ)自由詩403/11/22 1:30
日曜の夕暮れ自由詩403/11/20 23:11
Boo と幸せについて自由詩2*03/11/20 3:51
ハーブ園自由詩12*03/11/14 1:30
月の村自由詩1003/11/13 5:12
飼い主のない猫自由詩903/11/11 7:28
かでぃなー 嘉手納自由詩603/11/10 8:55
バイバイ・エンキドゥ自由詩11+03/11/8 6:04
まぶや まぶや自由詩8*03/11/6 7:41
君の噂を聞いた夜自由詩503/11/5 7:38
虫の生態(AB説)[group]自由詩9*03/11/3 12:40
都会のタンポポ自由詩4*03/11/2 22:02
夕焼けが足りない 4(枝垂れ)[group]自由詩103/10/29 3:48
夕焼けが足りない 5[group]自由詩1303/10/26 14:05
齧りかけの林檎自由詩5*03/10/26 11:59
花束と折り鶴が少しだけ風に揺れる、ように自由詩1003/10/23 22:11
臭いもので蓋をする自由詩203/10/21 21:42
夕焼けが足りない 1[group]自由詩1503/10/21 7:04
帰る(五月雨降られ)自由詩1003/10/20 23:56
チンダルのはしご自由詩803/8/20 0:00

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