宛先不知
AB(なかほど)

  

残暑見舞い申し上げます
少女だったあなたと出会ったときから
もう何回目かの夏が過ぎてゆきます

 白い制服と 浅黒い笑顔
 ぼんやりと胸に残っています


会わなくなって何年も経った
晩夏の明け方に
あなたの夢を見たことがあります

 僕一人であなたを幸せにしようなんて
 考えてた頃の君の姿でした



なぜでしょうか
思い出、記憶、面影
全てが鮮明 に
と 
思った瞬間 
全てが朧げに







残暑見舞い申し上げます
あなたはどこの町で
過ぎゆく夏を見ているのでしょうか

 こちらでもようやく
 蜩の声が聞こえてきました




  


自由詩 宛先不知 Copyright AB(なかほど) 2004-08-09 15:43:55
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