持ちきれないほどの
暖かい気持ちが
なんどもなんども老いたミュージシャンの胸を
叩き割ろうとしたから
とても遠いむかしのような
白い霧の朝のニュースを止めてでも
真空管ラジオに乗せ ....
イオンタウンはいつでも涼しい
冷えた野菜の匂い
乾いた人混みの匂い
駐車場には警備員さんが
汗流し車両整理に精を出している
まるで神さまみたい
むかし、ふたりで
買い物してた ....
もし、この街を
ゴジラがかっさらっていくのなら
俺はなにも持たずに
どこにも逃げないだろうよ
ビルディングの屋上から
ゴジラの目を睨みつけ
対等に怒り返す
俺だって
荒 ....
メガネ外して
泣きそうなのです
まばたきの
かずだけ心に蝶がいて
夜空がこわくてじぶんを抱きます
いまさらで
死ぬの生きるの気が引ける
恋の終わりって遠くを見るよね
旗をふれ
白く正しく潔く
あすはこの手でさわれない恋
酔ってみた
ほんのり赤いほお撫でて
酔 ....
寂しげな
潤んだ瞳がポケットの
奥に見えてる、天涯孤独の
奔放な夜を過ごして目覚めたら
ふたりのベッドの
横には姿見
溶けるように
銀河の底に沈ませたい
三日月、 ....
君の幸せは、もう、静かな心臓へ帰るといい。
夜間飛行のともしびが、
寒い砂漠の夜空に灯るといい。
君の笑顔は、もう、私の部屋から出て行けばいい。
そこで砂漠の闇のような心と ....
街灯の下で
佇んで
気づけば乾いた眩しさ
スマホを
みても
ボンヤリと
息をしてる
あっちへ行けって
開放感
が髪の毛の頑なな過去を
ほどいている
髪、乱している修羅場 ....
たなばたさまも終わってはやいっかげつ
あまのがわにであったわたしとあなたの
まぼろしのおうせも忘れられる季節です
ぎんがのいりぐちには夢と絶望があって
にかこくごを話せると喜んでくれたけど
....
振り向いてしまえないのがもどかしい
あなたの眼を見ちゃ
ほら、万華鏡
まばたきの
かずだけ心に影があり
真夏の夜でもじぶんを抱いてた
友という
名前の人がここに ....
その冷気に驚いて、振り返ると
君はその夜も凍っていた
孤独は冷たく瞳のはしから
ひとすじツーって流れ落ちたね
うすい赤色の唇が、吐息を漏らすのは
しあわせという嘘を舐めつくした ....
黄昏は雪の精が溶ける
爪を立てて
死んでゆく
そして水になり川になり
海になり
そして
星になる
そして
朝になる
太陽の微笑みを
遮る雲の波は
小さな白い花ビラ ....
心の罪は
どうしようもなくて
冷たい風が吹いている
そのとき失った人の名前は
この街の駅のプラットホームに
うずめておいたよ
なんといったか
どうしようもなく
....
犬が
ニコニコ笑って散歩しています
お日さまが
梅雨を乗り切り威張っています
夏は
爽やかなレモンが良く似合います
しかれども
それらはかりそめの
初夏の陽気なまひるの ....
まじょが
カレーの皿を割っている。
いつか出逢えるあなたを
この屋上で待ちながら
もう出ない声を絞り切り
歌う歌がある。
もし空を飛べたなら〜
あなたに会いに行きますよ〜
....
寂しいと
口に出すのがくやしくて
ぜんぜん寂しくないふりをする
吹かれ堕ち
桜の花の無残たる
汚れた悲しみなんかが好きだし
憎みたい
人ならいっぱいいる夜に
憎むきもち ....
泣いてない
青鬼のリタ
に憧れて
愛して馬鹿みて
なにが悪いか
リタって利他。
本当に存在するか知らない。
じぶんは、わるもので
他人を助ける
青鬼 ....
やまどりの
朗読するように
心涼やかに
鳴く声を
聴く
山頂の展望台好きな
ヤマノムスメは
深い谷川に
落とされて
沈められ
あられもなく
ただ死にゆく
そんなさだ ....
よるのうみべの街でおぼえた
すがりたいじぶんへのはがみを
こおった電波にのせてうたった
つめたいおんがくしを刻んだ
むかしのくんしょうを棄てて
なぞは白兎のあかめで泣く
....
たぶんね、
死ぬってことは
とても簡単なことなんだ
私は
3歳で父を亡くし
出産と同時に母を亡くし
兄も早くに亡くした
日常的に
熱意や努力や恋愛が
終わりの雨を待 ....
きらきらと
波に
浮かんでいる
朝
パラソルは
遠浅に
沈められて
いく
ぬるくなった缶コーラ
汗をかいてギラギラ
照り返し
身をよじる
光
のように
探している
....
夜が好き、猫が月みて揺れている、星降る冬のブランコの上
唇に触れて知るのは火の熱さマクドナルドのコーヒーとキス
「空気読む」ことが出来ずに一人きり、居ても空気に成ってた教室
....
変わらない
梅雨明け空と海の青
鳥類魚類は気ままに生きます
風の谷
潮の香りの風が吹く
死出の旅路のやきばの煙
海の旅
竹の筒には酒入れて
勘弁してよね、酔って、乱れ ....
雷が静かな死を私に受け取れと鳴く。
あっちを向いて吐き出す息は熱いが。
涼しく風を感じたり、透き通る夜更けを見たり。
青空は四角い。雲の切れ間にはつまらない透明。
聞こえ出したエン ....
どれだけ走ってみても
虹の先へ届くわけなかった廃ビルの街。
どんなにやさしい夕日がみえても
ひとつの行先もみつけられない。
虹が空から消えるまえに
懐かしい海と空の物語を ....
あの犬の鳴き声が哀しみをいや増して
どの街まで逃げても逃げられないような
死にたいって感情が邪魔で吠えられない夜なら
白々と明ける朝をそのまま凍って待つつもりさ
空白の静けさが ....
あの時の理解は宇宙に染み渡ってゆくのだ。
ほかのまぜものを食べてみようか
黎明の貧困のうち商売が成り立たないから
廃墟に廃棄される、ロボットの哀しみの夜を知れば
凍てつく空気を ....
少女がいま黒い部屋でしずかに笑っているのは
そこに活けられた中原中也が枯れているからです
中原中也は季節に追われ
小さな窓から見える春の風に憧れたのですが
羨ましいとは言いませんでした ....
じぶんがひさんだから
というりゆうで
たにんをこうげきしていいの?
じぶんがきらいだから
というりゆうで
たにんをきらってしまっていいの?
じぶんがただしいというのは
ただの ....
先生の一言にさめざめと泣き崩れ
大好きな先生を嫌いたい夜を走りますよ
愛情嫉妬の量を間違えてメラメラ音を立てて
燃える純情ごころも大嫌いっていいますよ
各個の自我が邪魔になるって心の壁 ....
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