林檎の木からは
そこに巣食う虫どもを
怯えさせる匂いしかしない

空気も甘酸っぱいまま凍りついた
林檎園の丘の上に転がるように
あたしの脱け殻は
星の下で眠るんだ

陽だまりの ....
顔ゆがむ
酸っぱい
季節の嵐に巻き込まれた
大渦巻きのなれの果て
に耐えかねて
心の隙間に手を入れてみた


ポツンと、誰からも
理解されない
細くてか弱い
アドレスがあった
 ....
まだ生きる
蜜柑の香りのする居間で
ふたりに夜なし、死の絆なし


新月に
聴こえる星降る歌の声
赤い少女の唇にも似せ


羽根のない
詩人の傷は恋となり
ふた ....
浮き輪を
投げてあげたい無数の暗い努力の腕
アデューって挨拶を
輝く笑顔で友のためにする
好きなだけ
好きだから。


一番最初のまだ青い石榴の実は
眠るための大人の詩に
し ....
いつわりは こころえてるよ
  断章が かるくよごれ
一冊の その重みより
くろいしみ むねにしみたの

牛乳を 朝のむからさ
 睨まずに 褒めてほしいの
かいわない 寒い食卓 ....
血液ハ、作レナイモノナノデス
人ノ血ハ人ノ手デハ、作レナイモノナノデス

めまいのする空を
ミカヅキの匂いのする方向へ
光の視線が突き進むなら
かまわないけれど幻想は死に絶えるのです

 ....
むっかしね、
書いたことがあって、
あたし最近記憶力バカになってるから、
どこで、どんな文章で書いたか、
まるで思いだせないんだけど、
書いたフレーズだけ、
アタマの何処かに残っていて
 ....
《月の石》のない月は赤い
年に一度は
君を守るためにすべての言葉を破却する

歌っている
街の灯の歌
それは
捨てられないミッシングリンク

骨を骨として鳴らし続けるための

 ....
砂嵐
まさかの街に吹き荒れる
そうかこの名を砂漠も嫌うか


マフラーの
手編みにこだわるわけではない
言葉にできれば、それで良いのに


どんぐりも
黄昏の森哀しみも
 ....
掴んだ雲が重くて手放したときの
坂の上の影が救われない模様なら
だれの種を拾いながら歩いても
私の目の前には、剥がれない絶望があるのだから

太陽は昇っても手を振ってくれるだけ
絶 ....
オーロラが
みえない夜空に描かれた
みえる星座を指さす南極

暗い笑み
冷たい廊下で漏れたのは
夜のしじまが震える嗚咽か

橋の上
風に吹かれるくれないが
闇に食われていくのを見下 ....
あかるいあの夏の日差しが切れ目なく
あればきっと誰も悲しまない

窓から見える灰色の景色にも
洗われる清々しい風が吹くかもしれない

家の周りにてお住まいの神々しい猫の声が
一 ....
元日によろしくお願いする片恋



たとえれば揺れてる独楽が生きること


初風を感じず大海ゆく帆船


初あかね真っ赤な血の香がにじむ夢




門松は大きなお家の玄関 ....
熱燗に一年を汲み飲み干すよ



恋萎れアロエの花が咲いてるよ


足踏みし登場待つよ亥の子たち


マフラーの真っ赤に意味を与えるよ




近畿ではちくわぶの意味わか ....
通称『やり直し神社』って、
大阪にはあるけど
これまであった悪い縁を断ち切る
そんなご利益のある神社、
らしい。

べつにウチはそんな
やり直したい人といっしょにいるわけ ....
鬼というなら
心が欲しい。

なにひとつとして
たにんを気にせずいられる
欲しいものは欲しいといえる
安易で強引な欲望を
この無神経な腕で、掴みとれる
鬼が持つべき
心がほしい

 ....
仮面劇
なければ辛いだけだろう
けもののアイツのストレートな愛

もし愛が
なければアイツを覗き込み
どこへ行くのと訊ねはしない

耐えられない
アイツのけものの炎の眼
 ....
凍える夜を
満月に見ほれて
ゆっくりと
ゆうっくりと
時間をかけて
お家へ帰ろう。

お風呂に入って
苛立ちや憎しみや傲慢や無知を恥じ
すべてを感謝の泡で洗い流してキレイにな ....
来なくてもいい。


なんども待ち侘びた声の残滓が

まじわる心のゆく先に咲く

いっぽんのありえない人生に追いついて

その熱さに目もそむけ

2度と見られなくなったと ....
病院の
待合室で
詩を書いている
詩、
とは、
その場のリアルを追求するものであるから。

うそ。
暇だから、書いているだけ。


地獄の
三途の川で
詩を書いている ....
牙を剥く
土竜を
撫でる、
のです

食べたい
檸檬を
舐める、
のです


みんな
午前5時には
無駄に生きてきた地球への情熱を
返す必要はない、
のです

 ....
クリスマスイブに降臨する
ピッカピカの大天使、

クリスマスイブに舞い落ちる
さらさらの粉雪、

言葉と
こころと
理想と
夢とを
傷つけられて

千切られる寸前まで ....
                    

歌は、
今夜も眠りをいざなうだろう

僕は、
この部屋にながれる
美しくも、切ない、哀しげな調べを
オーティス・レディングの歌声を
 ....
街は彩られた光の速さで進みます

だれとも約束なくひとり

吹かれる風も音を立てて

顔や首筋に噛みつきにきます



心にある

瓶の蓋を閉じてみま ....
青い雨が
灰色の空から降り落ちる
夢の中
白百合の頭部が
ポツリと
落ちる

小さな三角形の帆を張った胸が
なみだの波紋で揺れている
だれにもしあわせを
届けてあげられないので
 ....
                    


金砂銀砂の歌の粉が
この部屋の
温もりのなかを踊り舞う

聴きたい人々には、聴こえるだろう

闘いを放棄したため
笑顔を痙攣 ....
バシャバシャと
ベッドの海で泳ぐという
夢を描いた、哀しい絵の具で

遠くから
雨の匂いがする冬は
雪が降るより、心は寒い日

流星に
安い願いのメールして
刹那みっつの祈りを ....
あめがふるとこころが暗くなりますなにをどうするつもりあかるくるなりたいのでしょうそれはたしかにそうなのですよたまゆら笑いかけてくれる星がみえるから晴れたひにはこころがおどりますあめがすきっ .... あふれ出る
光の速さで楽園を
堕ちて、あなたの、胸に飛び込む


じぶんさえ
反射させてた大嘘に
痛々しくて涙をこらえた


どれでもいい
拙い愛でも泣き笑いでも
 ....
冬の爪
なにで鋭く研いでいる
刺す眼が心の形を冷やして

心臓を
明日待つ孤独と名付けたら
銀河の海で泳ぐ星たち


いうなれば
さくや流れた血の味すすり
この花咲く頃、ピカロに ....
秋葉竹(801)
タイトル カテゴリ Point 日付
雪の歌《改》自由詩619/1/31 4:22
掌のロック。自由詩619/1/29 4:49
口紅に、雪短歌519/1/26 17:25
サヨナラは、好きだから自由詩1019/1/25 21:52
寒い牛乳自由詩519/1/23 8:02
ミカヅキ自由詩619/1/22 0:56
しあわせは、好かれるんじゃない、好きになることのほう。自由詩519/1/19 9:54
赤い月のシグナル自由詩519/1/18 22:04
毒愛短歌1019/1/8 23:57
幸せの欠片自由詩519/1/6 11:06
最果ての人自由詩519/1/5 8:39
サマータイムブルースの切れはし自由詩519/1/1 11:38
新年の詩でことほげるなら俳句219/1/1 1:28
年の瀬の詩です夜俳句318/12/31 12:14
やり直す夢なんてみちゃいけない自由詩518/12/30 7:28
一匹の、鬼の世界に、降る雪は自由詩818/12/28 22:05
月下、恋しさ短歌518/12/27 20:36
星屑、悲しみの盃を汲め《改》自由詩518/12/26 22:00
ほころぶほろび自由詩818/12/25 19:53
外来受付窓口前にて自由詩518/12/25 10:48
どこにも行かないで。自由詩518/12/24 19:57
クリスマスソング自由詩1018/12/23 21:14
聖夜、水色の花に触れる自由詩518/12/22 22:00
真夜中の微笑み(クリスマス詩)自由詩618/12/22 5:21
夢の傷自由詩1118/12/18 23:54
鎖の歌自由詩518/12/16 18:22
冬を越す短歌518/12/16 15:25
あさつゆ自由詩618/12/15 4:36
爛れた涙短歌518/12/14 22:55
冬の銀河短歌418/12/13 22:23

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