恋割れた悲しい夜に稲光り
名月をよごしてごめんと淡い雲
失恋に馴染まないよう柿を食う
牛乳を飲み干す高い空見上げ
オリオンをよるの真水のようにのむ ....
わたしの時間はあのときから
すっかり止まってしまったんです
そして悲鳴は
とっくにわたしの絶望をふみしめて
わたしはあたまが空っぽだから
からだじゅうを毒で塗り固めているんで ....
その恋が私の孤独にそっと触れ、驚いた目に涙がにじんだ
今もなお、身捨つるほどの祖国はあるか、詠んだ修司の心が聴きたい
すすき野を遠くの月を眺めつつ君を誘って歩くと、鈴虫 ....
一人、枯野を駆ける
つまり、
蛇の心を、知るか?
おそらくその心に
なんの悪意もなく
あすに向かう希望の光が
灯っているにしても
一人っきりでは生きられない
愛すること ....
恋割れた 悲しい夜は
ひとふたり つみによごす
このむねの 黒さがいやで
牛乳を むねにこぼすの
牛乳を よるのむからさ
かまわずに 消えてほしいの
かいわない 冬の静か ....
目の前を
私の中の諦めが
口笛吹いて歩いているよ
どうとでも
なれとまごころ傷つけて
すれ違う恋、なんてバカなの
ドアを開け
そちらの夜を覗いたら
まるで十字に ....
夜に
仔猫が出没しなくなって
2週間?
虫の声が聴こえはじめて
1ヶ月?
新しい時代になって
6ヶ月?
私うまれて
何十年?
秋は、紅葉
秋は、満月
秋は、いろんな欲 ....
つくしんぼくわえ煙草の真似をして、東風(こち)と白桃甘水(ピーチジュース)で酔い醒め
松川の
駅に到着した方の
きらめく白刃陽光を受け
変わらない
昔を思い出す癖は
スプーンを使って流し込むだけ
次の人
捜す力も気もなくて
悪人だと知るただれる月夜 ....
切り立った
山の岩場に転がった
死体の色した茜に空燃え
夢は夢、叶う月夜に散歩路
夢しぐれに泣く
瓦斯灯の街
御空につながる
血けぶる鷹の眼
霧けぶる
枯野に棄て去 ....
優しさが
流星のように降り注ぐ
あの《恋棄て》のあとの言の葉
清く堕ち
十字架が好きファッションで
汚れた愛がきらめく白銀
苦しみが
人の数だけある意味は
みん ....
突然の驟雨に 洗われた街は
なんだかとても色っぽくて
雨上がりの 空気の色を
すこしさみしげな 茜色に染めるのです
地に這う けものの しずかな息吹きが
い ....
幻の夜、
ヤドガリも寝静まった砂浜に
楽園の島のヤシの実が流れ着く。
その島では、あした、
一番早起きの牝牛が
真綿のように軽やかな雲の幻を
牧場の木陰に見る眼には
敬虔 ....
持ちきれないほどの
暖かい気持ちが
なんどもなんども老いたミュージシャンの胸を
叩き割ろうとしたから
とても遠いむかしのような
白い霧の朝のニュースを止めてでも
真空管ラジオに乗せ ....
イオンタウンはいつでも涼しい
冷えた野菜の匂い
乾いた人混みの匂い
駐車場には警備員さんが
汗流し車両整理に精を出している
まるで神さまみたい
むかし、ふたりで
買い物してた ....
もし、この街を
ゴジラがかっさらっていくのなら
俺はなにも持たずに
どこにも逃げないだろうよ
ビルディングの屋上から
ゴジラの目を睨みつけ
対等に怒り返す
俺だって
荒 ....
メガネ外して
泣きそうなのです
まばたきの
かずだけ心に蝶がいて
夜空がこわくてじぶんを抱きます
いまさらで
死ぬの生きるの気が引ける
恋の終わりって遠くを見るよね
旗をふれ
白く正しく潔く
あすはこの手でさわれない恋
酔ってみた
ほんのり赤いほお撫でて
酔 ....
寂しげな
潤んだ瞳がポケットの
奥に見えてる、天涯孤独の
奔放な夜を過ごして目覚めたら
ふたりのベッドの
横には姿見
溶けるように
銀河の底に沈ませたい
三日月、 ....
君の幸せは、もう、静かな心臓へ帰るといい。
夜間飛行のともしびが、
寒い砂漠の夜空に灯るといい。
君の笑顔は、もう、私の部屋から出て行けばいい。
そこで砂漠の闇のような心と ....
街灯の下で
佇んで
気づけば乾いた眩しさ
スマホを
みても
ボンヤリと
息をしてる
あっちへ行けって
開放感
が髪の毛の頑なな過去を
ほどいている
髪、乱している修羅場 ....
たなばたさまも終わってはやいっかげつ
あまのがわにであったわたしとあなたの
まぼろしのおうせも忘れられる季節です
ぎんがのいりぐちには夢と絶望があって
にかこくごを話せると喜んでくれたけど
....
振り向いてしまえないのがもどかしい
あなたの眼を見ちゃ
ほら、万華鏡
まばたきの
かずだけ心に影があり
真夏の夜でもじぶんを抱いてた
友という
名前の人がここに ....
その冷気に驚いて、振り返ると
君はその夜も凍っていた
孤独は冷たく瞳のはしから
ひとすじツーって流れ落ちたね
うすい赤色の唇が、吐息を漏らすのは
しあわせという嘘を舐めつくした ....
黄昏は雪の精が溶ける
爪を立てて
死んでゆく
そして水になり川になり
海になり
そして
星になる
そして
朝になる
太陽の微笑みを
遮る雲の波は
小さな白い花ビラ ....
心の罪は
どうしようもなくて
冷たい風が吹いている
そのとき失った人の名前は
この街の駅のプラットホームに
うずめておいたよ
なんといったか
どうしようもなく
....
犬が
ニコニコ笑って散歩しています
お日さまが
梅雨を乗り切り威張っています
夏は
爽やかなレモンが良く似合います
しかれども
それらはかりそめの
初夏の陽気なまひるの ....
まじょが
カレーの皿を割っている。
いつか出逢えるあなたを
この屋上で待ちながら
もう出ない声を絞り切り
歌う歌がある。
もし空を飛べたなら〜
あなたに会いに行きますよ〜
....
寂しいと
口に出すのがくやしくて
ぜんぜん寂しくないふりをする
吹かれ堕ち
桜の花の無残たる
汚れた悲しみなんかが好きだし
憎みたい
人ならいっぱいいる夜に
憎むきもち ....
泣いてない
青鬼のリタ
に憧れて
愛して馬鹿みて
なにが悪いか
リタって利他。
本当に存在するか知らない。
じぶんは、わるもので
他人を助ける
青鬼 ....
8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38
0.46sec.