神さまは、
いらっしゃる
とても、
気まぐれに歌を歌って
いらっしゃる
下々の下賤な希望を踏みにじるのが喜悦
なのか
くすくすと
笑ってい ....
アンジーがみずから
帰り来る月夜の吸血鬼に
その白く細い首を
差し出し
その瞳には歓びの涙が浮かんでも
固く結んだ真っ赤な唇から
甘やかな夜の声が漏れ堕ちたとしても
....
純粋な幸せがほしいだなんて
なんてわがままな希望なんだろう
生まれたかぎり生きてゆく
みたいな
生きることを祈らなくても誓ってる
みたいな
純粋でいっさい
一滴の泥もかか ....
言葉というのは
光の反射のよう
どこでどう曲折するのか
鏡に聴いてもわからない
みんなひとりで大きくなったような顔をして
まるで迷子の心細さなど
味わったことも無い顔を ....
からだよりこころが大事というけれどそんなこというその顔が好き
こんやだけさみしいからだがさみしいとすなおになるから涙が出るんだ
カラカラと笑っているのはカラカラ ....
いく粒もいく粒も泣く雨の音
沁み入る心に
生まれる流星
むかしから
じぶん語りが上手くなく
誤解されてたまぁよいけどね
高級な
ワインの違いはわからない
舌でも ....
激しい 嵐が 過ぎ去った
そのあと
訪れる 新しい光や やさしい安息は
まるで愛する人のように
僕のこころを そっと くるんでくれる
すべてを 許せるくらいに
憎し ....
小学生のころのある夏のこと
田舎のじぃちゃんばぁちゃんの家へゆき
なぜか大人用のサンダルで
近所のひまわり畑をまっすぐに走った
むせかえる草花の匂いがし
刺すような太陽が眩し過 ....
(短歌八首)
花が咲き
小鳥が歌う森の奥
そんな嘘だけ酸っぱく聴こえた
生々しい
味するみたいな君の部屋
くつろげるんだ本の匂いが
お日様の
残り香を吸 ....
夏至の8時まえごろはまだ闇夜ではなくてもう少しで闇になろうとするうっすら微かに水色が残る東の空にまだ低い朧月を眺めつつどうやら「かぐや」って名前らしいとあるホテルの看板を横目に車を走らせつつ詠んだ ....
トロイメライみたいな幸せが
どの扉を開けてやって来るのか
わからないままに
幸せなんて要らないと云い切っていた
心に杖をつかなければ
真っ直ぐに歩けなくなった
あの ....
快晴の青空に
真っ黒なちいさな穴がみえる
なになのかは
わからないけれど
細胞が怯えているのは感じる
けれど
なにを対処できるわけもなく
時はただただ過ぎてゆくだけ
....
さいきんノンアルコールビールを
飲み始めて
むろんアルコールの代わりにだから
あまり勧められる話じゃ無いんだけど
だいたいのノンアルは
けっこう美味しくて
おまけにアル ....
バッカだなぁ
永遠なんて
ありっこないじゃないか
忘れられない永遠みたいな約束を
かたくなに憶え込んでしまって
そうじゃなくなった罪を
嘘みたいだと詰るくちびるわずかにふる ....
遠くから笑い声だけ聴こえて来たんだ
(短歌五首)
月を待つ
予定を無かったことにして
鯖寿司を食べ眺める夕焼け
紙芝居
みたのはちいさな会所での
一度だ ....
(短歌十一首)
いつの日か
あの青空をペンギンが
飛べる夢さえもぎ取られてた
底のない
悲しみみたいな雨が降る
夜に力に屈したやすらぎ
公園で
行列 ....
「ある愛の詩」って
とっても古びた映画があって
原作が小説だったような気もするけど
ちゃんとは知らない
そんなことを知らなくてもかまわないのは
云いたいことが
「ある愛の詩」の話 ....
よく晴れて
風の無い日は
気温が高くなるという意味を知った朝のこと
いつまでも中空を舞いながら
夏色の真実として神さまに植えられている
緑の覆う野山の草花の繁栄を
このかたくな ....
その音がどこから聴こえるのか
気づかないうちに
漆黒の海鳴りの悲鳴が聴こえて来る
海辺はいわば
心を脱ぎ棄てられる秘密の岩場なのだと
知る限りのもっともらしい言葉を操る
僕がい ....
許されないはぐれものが
めぐり逢った輪のなかで
忘れられない約束をした
長いときを経てすこしも
信じられなかったという
悲しみで結びあう旧世界
やつれ果てた希望の ....
暗い目をして 海へ
暗い目をして ブツブツ云う
私を嫌ったひとは 嫌いかえしたいな
いつまでも好きと想うな 自惚れないで
わからないなら べつに良いけど
わからな ....
風が吹く
青葉の音を聴く白昼
眩しさに負け目を瞑りつつ
海峡へ
飛ぶ蝶々が群れ舞って
螺旋の時間がぐるぐる回って
メロメロに
なりたい夜は懐かし ....
私を嫌ったひとを 好きなのは
いつまでもつづく地獄の道なのか
わからないまま 忘れられないなら
忘れてはならないのだろうか
夜が好き
傷つくことが怖いのに
闇の匂いが ....
鬼の
仕舞いかたを忘れた夜に
やっと帰り着いて鏡をみるときには
ぜったい
泣くな!
絶交
とか懐かしい言葉の響きだなって
ほろほろ する
さみしさも
....
首周りが
ちょっとだけ寒い
ストリート歩く バイト帰り 朝焼け
カラン!
とどこかで空き缶転がる音が鳴った
生きること
前を向くことあゆむこと
風に向かっ ....
紫色の
声が出なくなったのは、
冷気に触れた安らかな眠り薬の価値を
あらためて知ってしまって苦しんで
その罰に身を委ねてしまいたくなった
あのとき突然に、だ。
胸の中 ....
山の夜、
(きみが行ったことの無いところに
連れて行ってあげたいけれど)
このままで
生きてゆくのは一歩ずつ
底無し沼に進むにも似て。
ちょっと、ヨー、
笑っちゃう、リズム、なんて、アトム。
といっても、鉄腕じゃ、ネー。
大嫌いだった《物理》で習った、原子って。
原理はみんな、じぶんが好きさ、
便利な言葉は、ひら ....
《鏡の中のじぶんを斬る》、みたいな
過去に書いた短歌がなぜか読みたくなり
過去作を探して読み返しているうちに、
めっちゃいいタイトル(あ、むろん自画自賛)
みつけて。
そ ....
それは知ってる僕のせい
ひとみな僕から遠ざかる
むろん知ってる君のせい
僕のこころは泣いている
国の初めが天国ならば
僕の初めは君とのくちづけ
世界が突然キラ ....
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