街をゆく人たちを
みながら僕は道端のオブジェに腰をおろす
楽しげに笑う学生たち
せかせかと歩く働く人たち
スラリと日傘をさす女性たち
なんだか訳のわからない人
あ、それは僕だ ....
彼方の夜が白白明けて
朝の香りが
昨夜の星の逆行のせいで
さくらいろ
君はきっと透明になるんだろうな
わけも知らずただ前向き
そんな風
だなんてうれしい朝が来る
....
いまにも泣き出しそうな空のしたで
雨傘をそっと確認した午後
鏡のような湖面で白い舟に乗っている
オールは水飛沫ひとつ立てず
波は悲しみのように遠ざかる
君は僕の目をみることなく
....
細かい風が吹いて
開け放った窓から
レースのカーテンをすり抜けて来る
異次元へゆけるかどうかは
内緒の話だけれど
そうだね
みあげる満月が
異世界なのなら
星の ....
詩って、創られたときに既に
生きてるって素晴らしい
という信仰の上に立って
その苦しみから出発するのですね。
詩は、信じるもの
素人だろうが玄人だろうが、
ぜひ本物を ....
涙だけ
こらえていれば心など
無視してみせる悲しき希い
あまりにも
深いこころにある剣を
ぎゅっと握ってみせる夕闇
繰り返し
いつもと同じ息をして
....
これまでにない驚きを
斬新で念願の驚きを
どうか私に与えてください
オリジナルのデザインを
よくみてよ、って顔で
どうか私にみせつけてください
あなたの感性が好きだか ....
計算なんてないからね
ふつうに一日あたりに
搾り出せるやさしさの
すべてを君にそそいでいるだけさ
ただ笑えるほど真っ白な世界に
住みたいな
って夢をみる
僕の心の闇が ....
対岸に住むひとのことは気にしない
すべてを受け入れてもべつにいいけど
計画が狂ってしまった神さまなんかの
おだてに乗る気はさらさらないね
野菜や果物をいっぱい摂ろう
朝に大 ....
新しい足の痛みが
信念を揺らし
光を求める視線だけが
その揺らぎを抑え込める
だから
前を向いている
なにも探さない
まだただの一点をみているだけだ
それでもまだ ....
なぜひとが私を好きになるのかが
わからないまま影をみている
点数をつけて喜ぶわけもなく
つけられたらでもほんのり赤らむ
その早いすべての動作に立ち遅れ
一番好き ....
修羅よ
修羅よ
雨の中を傘もささず
駆けていった
修羅よ
雷は
君を透かしてみせてくれる
君の真鍮のような骨の形まで
クッキリと
それで
草原に倒れ込んで
だれの ....
ブラックなサンダーに
撃たれたのは
生き延びるための嘘を
平気な顔でつきつづけることが
架空の地図で遊びつづける
幼な子のようだと気づいたとき
夜空から放たれた雷が
こ ....
しつこい雨が降る
とても心にまとわりつく
しつこい雨が
鮮度をあげて朝を過ごしたい
じぶんの好きな香りを
部屋中に満たして
ベッドから飛び起きて
シャキッとしたい
初 ....
雲はちゃんと横に流れる
薄く青い大空はその姿をみおろしている
手軽になれるように
ミックスな感情をカットして
美味しい時間を手に入れるのも
白い品と呼んでもいいのかも
....
0 序としての、呼びかけ
ねぇ、蛇たち?
貴女方はわたしのこと、
非道いって、思ってるみたいですね。
でもね、
わたしの生きてきた闇もまた、
貴女方の知らない明るい闇 ....
蛇神さまに逢いたくて
山の果てまで分け入った
なにを訊きたいわけでなく
信仰しているわけでもない
おまえが邪魔になったって
云われたけれども納得できずに
....
夜の底に耳を当てたら
陽気なリズムが聴こえた気がする
静かな海のしあわせな色
天然青の空と海
一度でいいから牙を持ちたい
青に染められふと欲しくなる
花なら花で花の名を
憶え ....
あ、なんか、やだなぁ。
これから以下の文章、
じぶんがたりのナルシストみたいに
みえちゃうんじゃないかって。
ま、ほんのちょっとだけなら、
そんな気風があるのも
知っておりまし ....
悲しみが
映るまさおで美しい
空を飛べれば凍ってもよい
その夜の
心を凍らすほど貴(たか)い
満月ほどの清さを持ちたい
凍らない
涙は熱く頬つたい
....
夢の先端に
届いた気がしたのは
もちろん夢の中で
大好きな歌声を
聴きながら眠るのがしあわせで
興味深い闇の心も
むしろ
涙を減らすためのピースのひとつ
だったりしてね
....
風ばかり
かるく吹くから絵本が動く
トタンの屋根に熱い陽が落ち
すべてを棄てた
諍いののち
君の車のボンネットには
黄色い小人が踊っているかい?
秋の竹たち葉は揺れ騒ぎ
....
素敵な時間を
ありがとうございます
ふるさとよりも暖かく
何種類もの海のうたが
一度に聴こえてくるような
初めの交響でした
いやなにも
心象風景を問うているわけでは ....
この水はただの水だが
じぶんではけっして汲めない
天の与えてくれたらしい
冷え切った、甘露。
この水を
早朝飲み干し目を覚まし
新しい日のはじまりとする。
ホントはさ
....
あまねく星の光には
生きてる意味がちゃんとある
燃える熱さの星だって
凍てつく寒い星だって
何段階でも問えばよい
こころの波は届くから
リリーの花の解放は
宇宙の果てま ....
傷だらけの闘いを
われわれは闘いつづけて来た
時代のすみっこで
うす暗いひとけの少ない鄙びた路地裏で
傷だらけの闘いを
われわれは闘いつづけて来た
『あの ....
か、み、さ、ま、の、
ゆーとーり。
生きて来たけれど
べつに上手く生きてるみたいとは
これっぽっちもおもえねーな。
やましくて
みっともなくて
せつなくて
いっそ ....
火星が赤いってのは、
あれあ、嘘だな。
星座を作るのも
神話を作るのも
物語を紡ぐのも
それはとても良い創作活動だとは想うけど。
火星が赤いってのは、
あれあ、嘘さ。
....
ひとりの
子猫がずぶ濡れに
なっていたので
その夜
おもわずうちにつれてかえった
責任を果たす自信もなく
面倒をみる気もちもあまりないのに
なんだか小雨の夜に紛れてしまって
....
もちろんこの世界は
鷹の目にさえ捉えられない世界
だれのシビレルコードも
感じないねとうそぶけるすえっからしの
はぐれもののお祭り騒ぎ
太陽というありきたりな明るさではなく ....
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