ひっそりと今夜、また
帰る人がいる
うつむいて
みあげて
思い出す予定はなくても
11月の冷えた溜息が
鼻を 服のすきまを ツンとさわってしまうから
真夜中の華奢なシルエットが
歌 ....
つまらない嘘、付き合うような
関係になりたく無いって
私言ったよね?
つまらない花束が目前
花に罪はない
あなたの罪の行方は何処
被害者面して
差し出すなら
こんな花束
今す ....
幸せは
希んだから手に入るものではなく
悲しみは
嫌がったってやって来ない訳じゃない
ただ背中に背負い
その重さにみあった水晶の無垢を
心の闇につみかさねてゆく
それが嬉 ....
未完成なまま動き出すこの気持ち
戸惑いだなんて綺麗な言葉じゃ飾れなくて
ただ確かめたい 口紅色の危うさを
嘘をください 君を信じられる
嘘をください 君が隠したい君を
ねぇ、君は“嘘 ....
吐いたそばから拾ってって
戸惑って踊って
クラシックに苦しんで
身悶えながら戻ってって
分担して分断して
列状に亀裂入って
二の足で見逃して
焦って汗ばんで
忍んで萎んで
計らって笑 ....
美しい祈り
柔らかな陰影が
世界を自在に象ってゆく
無防備な赤子が泣くような
切実さで
祈りは折り畳まれる
切迫早産する未熟さの
後に来る
大いなる実りを
刈り取る準備は
まだ出来 ....
閉じた目は漏れる朝日を見ている。
そう、始まりが来たのを知っているんだ。
意識は閉じたふりをする。
虚無が訪れたのを悟っているから。
目玉焼きの爆ぜる音、白味噌が甘い香りを漂わせたら…
....
「もう、寝てしまうん?」
酔った頭の横で
やさしく囁く声がする
──その声が好きなんだな
突っ伏したまま
好い心地で聞いている
時折ぐるぐる回るので
それを止める為 ....
寝間着とパンティを
すり抜けて
きみの陰部に到着するとき
何とも言えない甘い香りが
漂ってきて
僕は安らかな気分になる
難しいことは必要ないんだ
後は全力できみを愛すればいい
....
魂の残響名残に依り生きて居る私たち、
何時になったら自ら響きを呼び起こすのか
「苦しみは私にとって一つの福音です」と
言い残し立ち去ってしまったアナタ 、
もういいだろう今一度再び出ておいでよ ....
弥生生まれの小鳥の日々は
父母恋しい空でした
弥生生まれの菫の日々は
暴雨を忍ぶ詩でした
弥生生まれの人の子の日々はシチューが好きな私でした
弥生生まれの弥生生まれの風である旅の ....
世界の広さについて私が語る必要はない
はるかな水平線をながめて
誰が世界はここにしかないと思うだろう
宇宙の広さについて私が語る必要はない
空一面に輝く星を見て
その先に思いを馳せないも ....
夕焼けが染みる
ある秋と冬の間に
生まれたての声
空高く響く
寂しげな風景は
いつの間にか紅葉している
夕焼けよ僕を照らして
生まれたての声
空高く響く
{引用= ....
悲しんでも悲しんでも
君との距離は近くならない
泣いてばかり居るよりは
せめて太陽に眼をむけて生きて行こう
転んだっていい
要は人生最終章で勝てばいい
今日も笑顔でがんばろう
ママ、ここで歌ってる人
朝から晩まで歌い続けてるの?
疲れないのかしら?
飽きないかしら?
間違えないといいけど
心配だわ!
わたいなら無理だわ!
飽きて ....
○「早起き」
朝5時に起きるようにした
朝早く起きると心身の調子がよい
一日が充実して感じられる
○「終活」
友人Tは
毎朝4時に起きて
「天声人語」を
丁寧に書き写している
も ....
十一月の雨はどんな気持ちで降っているのだろう
十一月の雨は、冷たくなれば雪になるけれど
ほの温かい、いくぶん霧雨のような朝には
ため息だけを増産する
十一月の雨は、まるで生活することに疲れ ....
荒れ狂う波のように
激しい彼女が
今日は一言も発さずに
まつ毛を伏せた
この恐ろしくも静かな時間のどこに
荒波が潜むのか
鼓動は脈打ち
浅い息を繰り返す
瞳に宿る粒の気配が ....
ここにいま僕がいることを
だれも知らなくて
そっと教えてあげたくって
君を待っている
ほらもうそろそろだよ
他には何にもできない子どもたちが
音楽を奏で始める時間
楽器ががったん音を ....
このなんでもない時間と
そして でも
この 僕の感覚の中を
時は流れたのだ
そして でも
木の生えた そこに そして
それを知ろうとすることに
そして でも
今日も僕の生きている でも ....
透明なグラスに注がれたコカ・コーラには西陽が射し込んでいて、そのなかには幾つもの氷が沈み込んでいる、その一番上のものには幾つかのちいさな罅が入っていて、まるで浄土の影がわずかに映っているみたいに、その ....
そのインコはレモン色で
くれたのは男の子
見知らぬ男の子
なぜなら前日がクラス替え
中学時代はそういう風な忘れたいことばかりが過ぎる日々
レモン色は苦しい
インコはあっけなく生き絶 ....
君を思い出したくないんだ。
「寒いんだから良いじゃん」
腕を絡ませて、もたれるように歩く。
寝返りも打てない距離で眠る。
散髪(美容院?)に行って、
髪がないと騒いだり、
風呂場の ....
バロックを聴いているゆうべ
ピアノが優しく誘う
夢への世界 扉はすぐ
そこだけれどまだ
開けないで聴いていたいと
バロックを聴いているゆうべ
気がつけば夜同士となった
一人の ....
踵の高い靴が履けない
ファッションで履いてたヒールは
いつしか脚が疲れるようになり
つんのめることも怖くなり
歳と共に
押し入れの奥に仕舞われた
スカートに似合う
低いパンプスが履け ....
地に突き刺さる
十字架から
血の迸り
大地へ注がれながら
天空へ噴き上がるを
見届け生き抜き生かされ
すっくと立ち上がるチビ太たち
自らの内に潜み働く神性の
疼き思考脈動自ら実感し ....
とても卑屈に落ちた時
見上げることなど役に立たない
そのことを本当に知っているあなたは
宇宙のどこかにいるのだろうか
そう思って私は空を見上げる荒れるはずだったのが嘘のようなすぐに私は背中 ....
はっきり
言って
もうなんも食えないくらい
食いすぎだ
んですわ
バッハさん
もう全部持ってってくれ
地球の教師よ
未練はもうなんもない
追記:政府は
全部知ってるよ
な ....
普通って何
異常が
普通になっちゃった
異常が普通の
顔して歩いてる
・
私は
無力だ
と
思うこと自体
おこがましい
・
さまざまな存在に
感謝することを
....
酩酊を思わせる振動がずっと続いていた、思いつく限りの暗色をすべて混ぜ合わせたみたいな空の色だった、何処かでずっと俺のことを見つめ続けている目があるような気がしていた、でもそんなことは別に初めてじゃ ....
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