帰り道でも
ない道を
通ってアパートに辿り着くと、飼い主のない
猫に好かれて。君の声も、君の顔も思い出せ
ないのに、君の匂いなんて思い出したはずも
ない、あの夜に似てい ....
誰かの作った世界で
見ざる言わざる聞かざる
飼い慣らされて
俯いて取りこぼした夢
言われるままに行進する
息を殺したまま
三猿たちの断末魔の足音
かつて某猿が摘んだ花だけが
上を向 ....
捻れながら転がり落ち、原形を留めぬほどになった今日の自我を、洗面台で沿った髭と一緒に水に流した、血が混じっていたのはカミソリのせいなのか、それとも何か他に原因があったのか?鏡で入念に調べてみたけれど傷 ....
雨打つアスファルト 水の溜まり
波紋の拡がり消え拡がり
一瞬、一瞬 無数輝き銀の色
虚しき永久の 永久の虚しき
連呼する歌声に地が応え
宙へ返し降り続ける雨
水の溜まり 雨打つアス ....
光の
深い
いつくしみに
影の私は
満たされる
・
銀河の先には
星々の
海光り
光の波音
歌っている
大病をした私は
人の心の痛みに敏感
に
なれたと思う
人の心は動く
だから励ましが必要なんだ
痛いのは君だけじゃないよ
私もそうだよ
必ず良くなる
希望を捨てずに
共にがんばろうよ
3
{ルビ緑青=ろくしょう}色のキリン
十年前の夢から覚め
家には誰もいない
──feɪn wʊd wi əˈweɪt ðə taɪm
僕の発音が{ルビ珪藻土=けいそうど}の壁にこだまし
....
夏の
残り火に
照らされて
じんじんじんわりとする
思い出
・
さようならは
言わないよ
またね だ
あなたの優しさを
忘れないよ ピース
○「早めの避難」
(年寄り)「八十、九十の足の不自由な年寄りが早めの避難が
できるわけないだろう!」
(市役所)「だからこそ早めの避難を呼びかけているわけです」
(年寄り)「あんたた ....
死ぬ
グッドバイ
それは太宰治だ
いろいろ……
ありがとうって続けたそうだった
そしてありがとうと言えばお別れになりそうで
いろいろ、何?
とさえぎって
けれど終わりに ....
右手を背中に廻し
左手をお尻に添える
髪は乱れていて
ちょうど良い
形の
柔らかさの
温もりの
自由に
絡まる舌や
いくつかの部位
思わずにはいられない
アフリカ西海岸と
....
自分について多くを語ることは、自分を隠す一つの手段でもありうる。
(ニーチェ『善悪の彼岸』竹山道雄訳)
人は、気のきいたことをいおうとすると、なんとな ....
お客さん、焼きましょうか?
それとも煮ましょうか?
、そのままで
夢を食べる人がいる
お腹がふくらんでいつも放屁ばかりしてる
愛を食べる人もいる
少し物足りないので自分を傷つけ ....
夕方に米一合の飯を炊き
三食分に分けてラップで包み冷凍する
基本は納豆玉子かけご飯
キュウリの浅漬け
ご飯のお供を数種
コンビーフやウインナーを齧り
3分間の食事は終わる
冷蔵庫の冷凍室 ....
ボクのほうはと言えば
「許す」ことの意味もわからず
夜のこの街で「むかし」を追いつづけている
だから忘れそうなくらいむかしの
からだ中に鳴り響いた
青い瞳のロッククイー ....
背番号10番が攻めてくる
守りを固める近づいてくるにつれて
巨漢であることがわかってくる
ディフェンダーは薙ぎ倒された
次はどう来るのか
ゴールキーパーは震えていた
夏の遠き
記憶の残照か 、
闇の粒子掻き分け
兄に導かれ辿った森の
深奥に闇の明けゆく朝焼けと共
カブト虫やらクワガタやら
幹の蜜をじっと吸い込み黒々艶めくを
発見した瞬間のオドロキ ....
満たない
思いの
集積場へ
続きからはじまる
夢を折り
からだを畳んで
終わりまで
引きずる
ただ、これは
すりばち状の夢
終わりは広く
広く広く見えるが
....
~choriさんへ捧ぐ~
・
ふくろうさんが
お歌を
歌っている
この夜に
この詩集を拝読した
・
詩集『chori』の
詩たちは
たしかに
この世に
存在して ....
○「報道官」
アメリカや中国などでは
「報道官」という役職の人がいるようだが
日本の場合はそれぞれ担当している部署の方が
報道官もかねているようだ
例えば政府の記者会見などは官房長官などが
....
あの日のことはえっと
断片的にしか覚えていないんです
午前中の授業が終わって
みんなで給食の準備をしていました
マイちゃんとメイちゃんがいないことに
あたしたちは誰も気づいてませ ....
1
深い森の奥で
いまあのひとは旅立とうとしている
黄金の光を身に纏い
短い一生を駆け抜けて
いまあのひとは旅立とうとしている
低い空に在る
赤い大きな月が
あのひとの ....
ちょとちがうラックが
きみのとこふりそらいでる
めっちゃちいさ蜘蛛がぴょんで
ゴキブリと呼ばれた!
ちがうよと指をさげたなら
別にとジャンプした
まぶしいカロリー
夜のかじかじは携帯眩し ....
淋しさとは
消えゆく炎の眩しさです と先日聞いた
ひとの言葉を思い出す
七輪で
ひとり肉片を炙っている
網のすき間から
火が時にやわらかく伸びるのを見ているが
すぐに消え ....
釣り人は絶えず空を占っている
彼は雨模様の日々の間隙を縫って車を飛ばした
渓の入口に着くと水の唸りが聞こえてくる
今日も駄目だと知りながら
狂ったように竿を振り出し続けた
....
自分という存在の剥奪、
自分という存在への恐怖、
自分という存在の絶望、
自分という存在が最初から
見捨てられ遺棄されて居る
この呪われいるという強烈な実感 、
この場に根源的問 ....
雲のむこうに たゆたう鼻唄
なんだ
ずいぶん機嫌がよさそうじゃないか
安心して 踵をかえす
淡い 一本松の影を踏みながら
人魚の住む海底に
一枚の絵が落ちて来ました
それは人魚のいる瑠璃色の海と空
絵は溶けかけていましたが
人魚の心を打ちその絵を宝のように思いました
ある日人魚が海から顔を出すと
岸辺で絵 ....
静かに剥げ落ちていく現実はリアルとはまた違う、思想が現実に根差していることはリアリズムではない、それはただ現実的というだけのものだ、短絡的に周囲の価値観に日和るだけのものはイズムではない、十円玉を ....
冷え冷え立ち上がる声の壁 、
彼女が俺を凍り付かせ
爬虫類の紅い眼差し、
フラスコの薄い内側から
ギロッ ギロッ と移動し
冷え冷え波打つ声響き渡り 、
孤独と結婚し私の内懐 ....
17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
0.48sec.