冷たい夏
瑠王

わたしは夏の始まりに一粒の悪意を植える
純粋な胃袋が食傷をおこしてしまわぬように

そうして生まれた悪意の芽が
世界をひとつ食べ尽くしてしまう
食べ尽くして何もなくなったひと夏はとても
静かで寂しい

海もなく
風もなく
太陽もない

それでも花は、ひっそりと咲く


自由詩 冷たい夏 Copyright 瑠王 2013-07-16 04:39:28
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