すべてのおすすめ
9月
真夏日
ロックミシンと
直線ミシンに
電気を通わせる
いくつもの
ささくれだった傷を接ぐように
激しくも繊細に
針を打ち込む
壁に拳を壊す
いくつもの
波を立てる
....
カスミさん
会うたびに「はじめまして」と言いますね
記憶を保てないあなたは
世俗の煩わしさに悩むこともないのでしょう
私とは違う 栗色の瞳は
何を追っているのでしょうか
カ ....
愛するひとが俺いがいに
楽しいって言ったり
安らかに甘えたり
メルヘン守ってもらったり
面白いこと発見してみせたり
世界でいちばん大切にされたり
そんなことくらいで ....
つまりは総括なのだ。
ありとあり余る残滓と
ありとあり余る余韻と
ありと有り余る余震と
ありとあり余る贅肉と
ありとあり余るバリと
ありとあり余るカニバリズム
雷鳴の中 交差点を ....
わがままなあなたのReは愛しても
まだ足りないと盗みいるひと
雨の夜は朝がこないとテレビのなかの猫たち
雨でも散歩はできるよね、と
傍らのちいさな犬はぽつり
おやすみが言えなくな ....
今日もいつも通り
という自覚もなく
今日もいつも通り
という毎日が過ぎ
今日もいつも通り
私の隣には君がいる
だけど突然
底なし沼にハマるように
記憶に足を ....
茜の空と群青の海
私は その{ルビ間=はざま}に行きたくなりました
赤紫の{ルビ間=はざま}は 空でも海でも陸でもなく
名の無い存在で
寂しげのような 楽しげのような
{ ....
人一倍寂しがり屋なはずなのに
気がつくと、いつもひとりぼっちになってしまう
これも運命ってやつなのかな
※
みんなはひとつの輪になっている
それなのにわたしだけ一歩後ろに下が ....
{画像=110911183602.jpg}
心を写す鏡のようだ
朝のsoraを見てそう思った
自分の心持ちが分かるような気した
元気がある時
後ろ向きな時
強い時
弱い時
so ....
夏が去ったあとのがらんどうに
いつしか白く大きな九月階段が出現していて
そして僕らはその段々の上に
蒔かれたように腰かけていた
ただそこで空を見あげていたり
何かを読んでいたり
歌をうたっ ....
暗くなる前から隠れる所を捜した
冷たい風を避けて 二人は草の茂みに潜んだ
ざああ ざああ 荒れ気味の風が林檎畑を走る
強い風に羽があおられて もっと草の奥へと
二人は入り込んだ
夜空 ....
動物を視観察する
花粉を視観察する
放射性物質を視観察する
自分を視観察する
なぜこんなことになったのか
なぜこんなことをしてしまったのか
動物や花粉や放射性物質や ....
陽も暮れきった午後六時
買い物メモを持って靴を履く
切れているのは醤油
それから時計に入れる乾電池
八時には夫が帰宅するので
急がないといけない
台所にはやりかけのパズルが広げてある
電 ....
ようこそ、バードランドへ
螺旋階段をネジのように
巻いて巻いて降りると
忘れていたオルゴールが軽快よく鳴り出した
休まる音色が耳に割り込んで
握りしめてた拳が 段々と緩やかに開いて
掌 ....
fallin', fallin', fallin'
夢に堕ちていくのか
現実に落とされていくのか
曖昧な境界線は
貴方の体温だけを明確にする
スパークする光
流星の歌声
....
空いた
椅子の上には
ゆうぐれが降っていて
絵描きになれない風たちは
せめてもの代わりに
言葉を混ぜて
去っていく
取り残された場所に
おそらく施錠は
必要ない
....
帰宅して電燈を点けた途端に揺れ
ちょと焦った
テレビを点けると震度3と出
8月31日までも揺らすとは
しつこいのは嫌いだ
ようけ揺れた夏だった
円高も史上初75円台に突っ込んだが
印 ....
自転車で
スローダウンして
見上げた初秋の青空に
アオスジアゲハ
自然にまかせて舞おうとする
あなたのようだと思う
今朝気がついた秋は
褐色の落ち葉
乾いて道端に身を寄せ合って ....
台風がそれて良かったと思うものの
荒れ狂う里川の変わりようを
術もなく見つめる老人の眼差しに寄り添うことは難しい
人様の身の上にふりかかった災禍などと
素知らぬ顔して晴れ上がった台風一過の ....
午後の風がきみの髪をなぜる
ああ、とてもいいにおい
ぼくは小さな蜂になって
きみの、ひまわりの笑顔にとびこみたい
甘ったるく歌ったり
背伸びして空をかじったり
きみの気まぐれな野性に
....
空回りする日々
孤独に怯える日々
現実と理想のギャップ
世界に入り込めずに
また殻に閉じこもって
駄目なやつだと自分責めて
悲劇のヒロイン気取って
自分を否定するのは
もうやめ ....
きょう
きみがうまれたひに
たどりつきました
ふたりでいっしょに
そのいみをすこしかみしめたい
いきかたは
ひどくつたなくて
そのすえに
きみにであったような
きがした
....
夕暮れには不思議な魔力があって
どういうわけかふいに門が開かれて
僕の王国に淋しい旅人を連れて来るんだ
旅人はしばらくは荘厳な夕日に見惚れているが
我に返ると皆決まって故郷に帰りたがる
....
走るトリル
軽快な鍵盤の連打を聴くうちに
視界が開けて広大な一本の道が現れる
どこまでも追いかけてくるスケール
トップスピードの旋律に
併走したくて意識を集中させる
Gコードを ....
夜霧に紛れる夜行列車
月は重く垂れこめる雲に食われて
都会を離れた田舎道を
車輪の音が規則正しく
突き進んでそしてキキイと嗤う
ここは動く島
誰にも止められない今は ....
{画像=110831002002.jpg}
夜の
瑠璃色の涼気に
夏は
フゥとため息をつき
頬杖をついて
浅い眠りを眠る
薄青い羽虫は
闇の中を飛翔するであろう
夏の夜に
....
マイナスのこころは 似たような レベェルのマイナスの心を
呼ぶのかな
そんな はずはない
マイナスのこころは 似たような レベェルのプラスの心を
呼びたがるはず
あの晴 ....
どれほど歳を重ねたにしても
夏の終りは感傷的で
どこかしらか和太鼓を叩く音が聞こえてくる
リズムを刻んでいるようであり
生の在り様を現そうとでもしているのか
小刻みに
あえて無 ....
そこに何があるのか
もう分かっています
見ないほうが幸せだってことも
それでも蓋を開けてしまうのは
貴方のどんな醜い姿も
この目に焼き付けておきたいからで
やはり 恋でしょうか
それ ....
資長道灌
苦戦覚悟の
江古田の地
豊島一族との争いで
扇谷の上杉の
暗愚殿を支えながら
手薄な手勢で奮戦し
地の利時無く敗色濃厚
兵と逸(はぐ)れた資長が
巡り会えた黒猫一匹
尻尾 ....
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