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夜の工業地帯を歩いていく
いくつもの照明の光とその
いくつもの色とで 僕はぼんやりと
何もかもを失っていくような気がした
うなづいていた
友人の会社が最近倒産したらしく
顔を合わせない ....
正月の2日から差し歯の小臼歯が取れる
それもお菓子を食べようとしてポロッと
余りにもあっけなく
松の内のハプニングゆえ開いている歯医者もなく
週明けの月曜日
診療しているのか少し不安にな ....
僕は考えている
ぼんやりと僕へ探していく場所を今日も
僕の誰もいないその場所だけれど
きっとあるはずだとこの街を
はてしなくコンパスを
歩いていく手の森の奧
出している声に鳥
あの女 ....
朝の窓へ果てしなく
警告ランプが続いていく
ぼやっと灯ると川が広がりネズミ色に流れる
ただよう木々にラインの空を
僕は登山者だ 開かれる
アスファルトに 僕は
通り抜けていくそして ....
大掃除の手始めに
なんとなく僕の部屋ということになっている
西向きの洋間
に置かれたまま整理していなかった
書類領収書請求書レシートパンフレット新聞記事コピー
などなんやらかんやら
雑多な ....
夜の片隅は 窓際に満ちていて
澄みわたった天空のオリオンと
交差しています
歴史の流れを彼なら
知っていると、したら、
交差する窓際と宇宙の果てに
言葉に似たものがあると、したら、
....
1枚の紙がたくさん集まって段ボールが出来てるんだよ
薄い紙1枚じゃ支える事ができないから
いや
薄い紙1枚でも心は支えられるんだ、心は
あと間接的に身体をもね
でも
モノは紙1 ....
お正月ぐらいはと帰った実家で
思いがけず伯父さんからぽち袋をいただいた
幾つになっても嬉しいものは嬉しい
おめぇにもやっからよ
おとそ気分全開な赤ら顔は楽しげに
崩したあぐらはすっか ....
何もかもから忘れられるための方法を探しながら
青い小鳥の歌を聴こう。
こんなにも見捨てられた楽園の中で
君の描いた僕のいびつな肖像画は
とてもお誂え向きに思える
....
真実を言葉にすると
嘘になる
痛みをやわらげると
傷になる
ただ すべる手と手を
ただ 重なるぬくもりを・・
今日は ホント会えてよかった
口数の多い、いつも飾ってばかり ....
空色のスモックを着て
如雨露も空色だったから
お空のかみさまになった気分で
プランターに雨を降らせた
ミニチュアの森を作り出す
背丈の小さなこのぐん生が
何という名前を持つのか
お空 ....
お母さんは夕餉の支度
子どもがまとわりつく
『お母さん抱っこ』
お母さんは無視して支度を続ける
子どもが繰り返す
『お母さん抱っこ』
「お母さん何しているかわからない?」
子ども ....
おとうさん
新年はやっぱり青空だね。
見上げると雪に覆われた町の空は円く晴れ渡り
周縁の雲は黒く山の上に山を重ねて
峰々の隙間から綿アメのような曙光が
白く絡んでいる
首を直角にあお向けた ....
短針が少しずつ
牛のしっぽに圧力をかけて
時計がまんなかで 手を合わせるよ
まるで「いただきます」
みたいな「おめでとう」だね
それは温もりある言葉だね
新しくなった人々 ....
ビャーっと貫く夜の 闇の中へ懐中電灯
透明にすかしたラインを スイベルに通し
リールをガチリと巻き取ると ふっと一息
でも足を立て 振ったロッドで もう一投
光が差し
床を やがて1 ....
魚たちよ
今年も申し訳なかった
ボクは
お前たちを傷つけ
時には
お前たちを奪うことによって
歓喜の声をあげてきた
来年も
きっと
お前たちを傷つけることによって
ボクは血の沸騰を ....
重い身体を引きずって
けだるい空気を身に纏う
手の届かないものを愛して
非現実的な歌を歌う
僕の太陽
僕の慈しみ
何処を探しても見当たらないから
雨上がりの重苦しい雲が垂れ込めて
....
夜の白い闇の中
そこだけ明るい連翹の枝の下で
心を硬くして人を待った
凍てつく指先を
小さく回して
少しだけなつかしく人を待った
何もない闇の切れ目から
騒がしく雪は躍り出て
....
見知らぬ男が映っている
頬杖をついて
眉を動かせばそれを真似る
雨が真横に流れていく
薄暗い壁紙の町
今は車内の方が明るい
どちらにせよ寒い
短慮な決着をつけてきた
悪 ....
叶わない夢があったわけで
あなたは
そのなんていうか
ブラウン管の中で
夢を与える
夢を与える事を生業としている
私は私で毎日毎日
あなたを見ている
感動を呼ぶ出来事も ....
枝葉に風が吹いていた
茶や薄緑に、カサカサ、ゆらめく葉たち
今日で休みも終わりか…
小さく霞んだ町が 青や 白や
黄やデニーズを散らばせ びゅうびゅうと吹く
あそこは、あたたかいんだろう ....
誰も知らない月の海で
明日、人魚が歌います
僕らが生まれた日のことと
サボテンが
初めて棘をもった日のこと
空爆の空を見上げた最期の{ルビ視界=ヴィジョン}や
ゴルゴダの丘 ....
川の向こう岸に
「矢切の渡し」と赤字で書かれた
白旗が
緩やかになびいている
広々とした土手に座った僕は
右半身を暖かい日にそそがれながら
左半身を冷たい北風に吹かれながら ....
職場の前にある信号は待ち時間が長くて
目の前で赤に変わってしまうと本当にゲ
ッソリする。それは僕がせっかちだから
というわけではなくて走行車両がなけれ
ば赤信号を冒す奴も現れるくらいに。(
....
赤い唇 乱れた吐息
離れないで まだ淋しいから
色づいた頬 潤ませた瞳
動けなくなる 今が狂おしい
愛しい傷跡に舌を沿わせて
艶めいた声に身を投げ出そう
このまま傍で熱を感じて
揺らぐ水 ....
今年娘が
中学を卒業する
生まれたときに
そばにいてやれなかった娘だ
海がめの背に乗って
海中のテーマパークに行くお話を書いてやろうと思う
今年娘が
中学を卒業する
俺に似て
出 ....
少女の夢は蜂蜜のように甘ったるい
乙女の夢は生クリームのようにとろける
女学生の夢はチョコのようにほろ苦い
大人になった私の夢は
鍋にこびり付いたジャムでしかなかった
冬枯れの木立のつづく泥濘の道、
小さな水溜りに爽やかな青空を映して
名も知れぬ誰かの、
虚しく残した懸命な足跡を
突然、山の麓から軋む音ともに登ってきた
四角張った黄色い一匹の獣が、
鋼鉄 ....
大きな水槽の中に入ってしまったのは、
久しぶりだった。
そこは、ゆらゆらうごめいていて、
別々の世界が水素と酸素を融合させている。
やさしみの泡は、その中をぷくぷくと
漂って ....
私がまだサンタクロースを信じていた頃
父方の祖母と同居していて
私たち兄弟の面倒をみてくれていた
今にして思えば幼さ故とは言え
彼女には随分と理不尽ことしでかしたものだと悔いる
それなり ....
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