すべてのおすすめ
埠頭から一時間船にゆられた
海面に時折大きな背びれが顔を出した
港であんこ椿の扮装をして写真を撮られた
両親と弟、祖母で三原山に向かった
しばらく行くと草も花もなくなった
辺りは黒々とした石 ....
詩に関節技をかけられる
ギブアップして時代に媚びたと白状する
詩に投げ飛ばされる
天地回転 ものの見方がひっくり返る
詩に首を絞められる
反則も何もありゃしない
ついには殺されてし ....
話の先にいるはずの姉
明るい声はしだい
次第に光を失い
七歳の姉は五歳の自分に向かい
満面の笑みで輝いていた。
今日の現実に
楽しげな昔が
揺らめく会話
苦々しげな現実 ....
ふとした拍子に
古い記憶が鮮明に
浮かび上がってくることがある
その時食べた食事
見ていたテレビなど
まるで昨日の日記を捲るように
音と色と匂いまで伴って
思い出される 瞬間
....
まきびしがなくてコンペイトウ撒いている
雨が降っていたので そのように感じました
空と自然の営みの 湿と陰と灰の しぶみ
晴れは いつもいつも 迎えに来る 至福を吹く 生きの道
全うを急がない 備えの遺書の目次の下書きの浮き絵
....
{引用=
七見ヶ桜駅南口
文具青井堂では、今も子供達がシールに夢中だ。
その向かいのバルMMは、大衆酒場の先代亡き後、修業先のフランスから戻った
息子のヨダ・ツネミが開いた。
町に移り住んだ ....
あの朝 若い担任は 粗暴で担任泣かせの君が書いたという「ひとりぼっちのクリスマス」を校長に見せた。感動した校長は涙ぐみ集会で紹介していた。だが この話には君ではない原作者がいた。
母子家庭の少なくな ....
青月
青月の現代、
詩に興味のない子供たちは
わざと水たまりを歩き音をたてる
それは未来まで響く
大人たちは
水たまりをよけて歩き
詩をよんで
陸もない海もない道もない
地図をつ ....
ブランコ
息を吸って
息を吐いて
息を吸って
息を吐く
いつも意識の片隅で
緊張している
生きるために
前脚を出して
後ろ足を出して
前脚を出して
後ろ足を出す
....
みみたぶは
いつも冷えている
熱い鍋肌にうっかり触ってしまった
わたしの指を冷やすために
みみたぶは
きっと知っている
それがうっかりではなくて
わざと、であったかもしれないことを
知 ....
忘れた頃に咲いた花が実になり
葉に埋もれて隠れるように林檎の姿になった
でも とても小さくて梅の実のよう
実をすぐりおえた枝の 摘まれなかった花芽
咲いたからには 結実せずにはいられない
発 ....
私はずっと犬が飼いたかったのだけれど
今でも犬の散歩などをみると
羨望の眼差しで見てしまうのだけれど
いつも家には猫が居た
だいたい野良猫がそのまま居ついて
或る日ふといなくなったり
....
▲
■■■
■■■
■■■ヒトに暖かみを与えるために、
■ヒ■求められるがまま数百年、
■ツ■毛を差し出しつづけています。
■ジ■でも、うっかり刈り忘れられちゃうと
■■■前がみ ....
通り過ぎた町の窓をあけてゆく
すでに知っている町なのに
待ち遠しかった
通り過ぎてしまってから
言いわすれた言葉をくちにする
すでに知っていた言葉なのかもしれない ....
【 無 】
は 感覚なのか
概念なのか
見えないものは
そこに存在しない
【 無 】
だが 言葉がある
表現がある
見 ....
天にまで届く巨きな思想が地獄からのび生えている
虫けらの死骸を運ぶ蟻のように
縦型の思想へ群がった神の似姿たちは、
あるときは雷に撃たれ
またあるときは激しい雨に叩かれ
赤い翼のある蛇ど ....
意味や価値より
自分を大切にしていたころ
長すぎる午後に拾い上げた
石は碧を宿したまま
冷たく掌でひろがり
静寂の質量を教えてくれた
いま閉鎖された細胞 ....
ふっくらとした頬の可愛らしい少女
今はもう わたしの愛した 少女ではなくなった
違和感 誤魔化して
ああ かわい、頭撫でてきた
少女 うっすら微笑んだ
知らない人の笑 ....
あなたの言うことは
どんな時でも正論で
つけいる隙なんかありゃしない
あなたのシャツにはいつだって
きっちりアイロンがかけられていて
一筋の小皺でさえ見当たらない
あなたの書く文字 ....
ケーキを焼いて
中学生の娘の誕生日を祝う
ろうそくの灯に照らされて
もうひとりの女の子が浮かび上がる
娘と同じ誕生日を持つ子
遠い国に拉致されて
連れ去られたまま
いまだ帰ってこられ ....
よなかに こねこが ないて
どこかとおい よびかけのよう
しずかに
開く扉
こころ うもらないなら もう ろここ
こ
ろ
軽んじてゐた 薫 ....
声を ころし かなしみを押し殺していた人の
憂鬱の背中で
凪
蕾は 固く硬く 腑甲斐なさのひとふさ
人間だけが持つ
病
すべての荷をほどき 纏ってきたものを
お脱ぎ ....
宝箱の鍵が
みつかりません
仕方なく箱を振ったら
カラカラと
頭蓋骨から
乾いた音が響きました
弦を一つ引くと 張りつめた眼差しから 強靭と同じ裏地に肌が触れる
見透かした眼差しは 今は半分真実 自称はない
人の意見ほど自己中もない 主観 客観 の間を傍観
貴女に映る私は私自身 ....
澄み切った青い空の真ん中で
誰かがきっと泣いている
私はいつも測れずにいる
空想の両手を天秤にして
小さくついた溜息と
少しだけ擦り切れてしまった
透明な羽毛の内包する
輝くよう ....
広すぎる狭い部屋の中ほどで
行方不明の娘と将来を語り合えば
音信不通の息子と向かい合って
パスタを食べるから
見切りをつけたアノ人と
リンネと言うレト ....
現代詩雲の下
無風にゆられて見ていたのは
つぼみのまま終わった
赤でした
無音ひびく団地の前
灰色の壁にかきなぐった鳥が
空へ
とんでゆく夢を見た
その後で、
現代詩雲の下
ざーざ ....
消えた夏の色はメロンソーダ
あれは遠いとおいむかし日ざかりの庭で
風もなく揺らいだ瞳のなかの碧
バルコニーへ運ばれたグラスを透かして
チェリーの沈んだ泡立つ海へと
白い帆に秋の風をうけて走る ....
あなたのような人は長生きしてほしい
そう素直な人あってのひねくれ者だから
だから九十四歳は悪くない 悪くない
これでも献花のつもりなんだ
アンパンマンを見たことがなかった
なのにアンパン ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171