すべてのおすすめ
湯気のゆーちゃん 御茶碗に腰かけ
はみだしたつま先で ほっぺにちょん
冷たかった 指も冷たかった
窓を閉めても 重ね着しても
ふとんかぶっても 冷たい
両手でおちゃわん握りしめた
....
ともだちの家と二軒ぶんのごみだしたから
朝からくたくただって君が言う
今日はお昼から仕事だって
僕は朝帰ったばかりで残り物でご飯をつくっている
刻んであった大根とキャベツをつかう
....
下校途中のスクールバスに
突如乗り込んできた男達
怯える少女達に男が
「どの子がマララ・ユスフザイか?」と訊いた
まだ愛くるしさの残るきれいな瞳を持つ少女が指差された
次の瞬間彼女の頭と肩 ....
赤ちゃんがいると
赤ちゃん言葉をしゃべりたくなるのは
ちょっとだけ
赤ちゃんになると
楽しくなるから
みんな赤ちゃんの頃があったのに
記憶はないから
二度目の赤ちゃん役をやってみる
....
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遠くから聞こえてくる音楽
幾つものの輪が拡がって
自分の心のどこかで繋がっている
初めてスキップをした時、
いつだったんだろう?
....
我が家では去年の秋から
家電品が壊れるという【 連鎖 】が始まっている
最初に洗濯機が壊れた
スイッチを入れても作動しなくなった
もう7年は使っている
そろそろ寿命だったのかな
洗濯 ....
しまったって感じで今頃朝顔が咲いた
いいんだよ
夏を閉じこめた種はまた蒔いてあげるから
サンズイに雨、
雨がふると
淋しくなります
しとしと言う雨も
ざあざあ言う雨も
ぽつぽつ言う雨も
どんな雨だって
淋しくなります
地面の下に埋めた
あなたの骨は
永久に芽を ....
寝息を立てる背中に心の中で呼びかける
世にも優しい人
ベニヤ板で塞がれた窓に蒼い月の光を描こう
今は夜中、外は涼しいはず
都会も眠り、時の歩みも止まったよう
月光と小さな鉢植が要る(習慣化の ....
坂道の途中
ぽつんと一つ、ゴミ箱一つ
昔ながらの黒いゴミ箱
黒く塗られたゴミ箱一つ
ゴミ箱の蓋に
膝を抱えた子供が一人
ぽつんと座り
虚空を睨む子供が一人
唇咥えた子供が一人
....
重たい鉄兜を被せられた人がいる
気がついた時にはすでにそうだったから
それが自分だと思い込んでいる
ゆらゆら不安定に生きていて
ある日たまたまどちらかに傾くと
それっきり右なら右
左なら左 ....
僕は子供の頃金太郎飴がすきだった
でも一緒に暮らそうとはおもわなかった
金太郎飴よりは
それぞれ違ったいろいろな飴が
食べたかった
あまり関係はないが古い知り合いの井上さんは
....
下を向いていることが なにより好き
下しか見えないから 当たり前
もっと前を見つめて 天を仰ぎみて
大きく羽ばたき
大きく羽ばたき
うん そのあと どうする ....
からっぽの溝に鳥が死んでいた
学校の帰り道
それだけでしょんぼり出来た
世界は知らないうちに壊れていた
世界はこころそのものだった
誰彼かまわず挨拶していた
た ....
私の指はとても不器用で
目の前にあるものを掴むのに時間がかかる
だから誰かがサッと掠め盗っていってしまったり
のんびりしすぎて消えてしまったりする
ビルの谷間に逆立ちで歩いている
理想郷 ....
秋空のした二人の生活がはじまるのですね
おめでとうございます
こけつまろびつ行く二人三脚のような人生もけっこう味のあるものです
ときにふたりの関係が風邪をひくこともあるでしょう
でも長引か ....
空に飛ばすもの
紙飛行機
手から与えられた動力だけで
人には真似できないことを
いとも簡単にやってしまう
おまえはいつだって軽いね
たった三秒の空中飛行に
まさか私が希望なんて
重たい ....
夏休み最後の日曜日
娘達を連れて出掛けた『ツタンカーメン展』
それまで静かに私の後をついて来ていた下の娘が
王妃の小像の前で時突然口を開い ....
よってたかっての虫達が少なくなった頃を見計らって甘い香りを遠慮もなく振り撒いて
誰を誘惑しているのか
ずるい金木犀だ
俺だって 夏からつきまとわれて 迷惑している女の子達がいて
....
シュッと宙に向けて突き出した切っ先が
目に飛び込んできた
暗い展示室にひときわ輝く一振り
研ぎ澄まされた刀身が
強いスポットライトを跳ね返して
銀色の光を放っている
思わず吸い込ま ....
うちこわしの時がきた
半径 ところどころ
直径 つきのわ くま
飲み込んだ夜 ゆれ
ツマンダ ページ 落ち
ふてくされて おひまなうぶ
せとものに つまようじ
焼かれていたよな
....
旅の途中で
人間という乗り物を選んだ時
わたしは
翼を捨てた
翔ぶ力を失うことと引き換えに
それに見合うだろうと
思える力を
もらったはずだった
後悔はしてないが
時々背中に ....
私はいつでも
あきらめられない
あきらめないのではなく
だからこそ
つづく一歩をだしている
秋の空へ
栗の木は今年も実らせた
だいじにだいじに栗の実かかえている
まぶしい空 ....
心が弱っているときは
余計なことが
(巧妙に隠された冷たさとか)
見えてしまう
それで勝手に
傷ついたりする
心が弱っているときは
余分なことを
(キャラメルのおまけとか)
....
遠い海を思う日
すべての手足が色あせて見えた
博物館に展示された金飾の棺のように
自我という幻が何かを閉じ込めているようだ
風化させるままに人生を問えば
その答えもまたかさこそと音をたて ....
今日 一つの悪意がとぐろを巻いていた
子供の頃に見た陰鬱な景色のよう
すべてが蠢く暗号のように
見慣れた街並みがそのまま
仄暗い陽炎にゆがむ悪夢のように
今日 一つの悪意がとぐろ ....
これ以上褒めないで、と言うのは
ぼくが褒めたひとの周りのひとたちだ
怒ったぶんだけ褒めるようにしているのだが
ぼくが褒めてしまうとそれで満足してしまうらしい
だから
これ ....
心の晴れ間は錯覚だから
いつも本当はどんより曇った空より
淀んでいること
誰も知らないわけじゃない
知らないふり?
できるわけない
心の中なん ....
知り得ない核心 知ったかぶりに高ぶる驕り
ああ まだまだ透けない濁り経由 ぬるま湯に至る
向上心 意識だけ逆上がりの練習を くるくるさせる
回転を速めて 全てを祓い散らす
回転を遅 ....
{ルビ月極=げっきょく}さんは資産家だ
日本全国に空き地を持っている
でも、どこに住んでいるのだろう
月極さんのお家がない
そう思うと、ちょっとかわいそう
パートさんになった
月極で働 ....
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