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トリコロールカラーを織り混ぜた不協和音が
螺旋状に響く午前2時
F♯dimとB♭7がクロスした地点に
ジンジャーエールを凍らせたような結晶が生まれる
そう、今わたしの左の腰に小さな氷山が突き出 ....
がれきのしゃしん は いつみても いい
しょうせつみたい に はしからはしまで よまなくても
いっしゅんのうち に あらすじ が わかる
わかってしまいたくはない のに
め を はなすことが ....
朝 魚だったものが
夕方には生花に変わった
明朝には昭和を生き延びた築堤も
すっかり掘り崩されているだろう
燃え落ちる前々日に新線開通
潮で潤すことができなかったいきもの
忘れた積りはなか ....
砂浜に受付のデスクが
ぽつんとひとつ
前方には潮の引いた藻場が
どこまでも広がっている
デスクの上の
海の図鑑を開くと
いろんな星の海が泳いでいた
地球の海は昼寝をしてい ....
服をしまう家具がほしい。
しまいこんでもう二度と使わないようにするために 服を収納するんではなく、
いつでも着られる服をさっと取り出せて洗濯したらすぐに戻せるような
服の定位置 それを与える ....
きみが帰ってこないあの日から
砂時計の砂はさかさまにこぼれて、こぼれて、
しだいに、ちいさな子供になってしまう、夜
遠くで、つぶやくきみの言葉が、わたしの名前だといい
そんなふうにして ....
化粧水をたっぷりふくませたコットンを3枚ご用意下さい
それを
おでこ 右ほほ 左ほほ
に 1枚づつ
丁寧に重ねて
15分ほど
お待ち下さい
ほほを触ってみて
....
オメエ、死ぬのかい
――だったらよう、
せめて逝く前に鮨食おうぜ
肝っ玉据えて、俺と鮨食えよ
粋な麻暖簾くぐってさ
どうぞ勝手に席へ就いちまいな
捌いたネタと酢飯の匂い、
舎利の温( ....
乳房が熱くなって
きみの鳥肌が湿っている
きのう出会ったのは
地方都市の中華屋でだった
客はふたりしかいない
そのあとカラオケに行った
十五の夜を歌う
きみは ....
しとしと、ざわり
雨音の狭間で風が唸る
濡れそぼった大地に
孤高を持するように
どうだ、と
唸りをあげる
風
自信と威信が綯い交ぜになった
誇り高い生き ....
いま振り返れば
ぼくら無限の可能性と選択肢を持っていた
自分がなりたいカタチにつながる糸を必死にたぐっていたんだ
迷って、傷ついて、選んで、投げ出して、
ちっぽけなことや格好つけなこともあ ....
あのひとから乞われた訳じゃない
成り行きでと言えばそんな感じだった
奥さんよりも私を選んでくれた
そんな幼い優越感が無かったといえば嘘になる
幸せだった頃に家族で訪れた事があると話していた ....
あとひとつきもすればさくらがほころぶ
去年はきみと名もない小山をのぼった
ぐねぐねとした白っぽい坂道
わたしたちしかいない公園
つめたくなったマクドナルド
力のない紙袋か ....
■潜在意識のプロトコルを宇宙に合わせろ・・・
■われわれは受信した
朕深ク世界ノ大勢ト帝國ノ現状トニ鑑ミ・・・
まだはじまってもいないぞ終わりは
街は真っ黒に焼けたがれきであり
....
飛行機に乗っていますか
それとも鳥になりましたか
空はあまりに高すぎて
あなたの姿が見えません
風はあまりに強すぎて
あなたが何処にいるかがわかりません
今日は雲が ....
真夜中
出張さきに着いて
部屋にはいる
FMにあわせると
モーツァルトが軽くながれた
4時間まえは
海をこえたところで
会合の司会をぐだぐだやっていた
....
ひき肉を買った
何だか退屈な日常を少し変えたくて
冬のわりには暖かく
スーパーは少し込んでいる時間帯で
特売ってわけでもなかったけれど
料理レシピのサイトでふいに思い立ち
ひき肉
....
オレが中二のとき生まれたおまえ
こうしていることを妻子が知ったら
いきなり難破船に乗らされるだろう
抱きしめるという行為とはいったい
戦争に引き裂かれた愛ではない
切 ....
あなたがそばにいるだけで
まわりが海に変わる
ほんの少しだけ夜のような
ほんの少しだけミステリアスな海
このまま小さな魚になって
あなたのまわりを漂っていたい
あなたは私の梢を揺ら ....
口語の時代はさむいがその寒さの中に ※2
自分の裸をさらすほかない時代
ひとつの恐ろしい美が生まれた ※3
三角さん、錯覚しなければ ....
親子であったり
夫婦であったり
友であったり
天使たちの遊戯
声のない
音のない
天使たちの遊戯
しびとになって
このよをのぞいていた
光 ....
何故かあのひともそうだった
年上の素敵な奥様がいて
それなりに幸せな家庭を築いていた
そしてそんな男の軽い浮気心に惚れてしまう女がひとり
初めて出逢ったのは真冬に逆戻りしたような夜 ....
二月の炎は
情念の
雨に濡れて
そこだけ白くさせていた
テールランプが
ひとを待つ
前かがみの傘が
きえてゆく
アスファルトから
春の香りがした
....
涙が止まんなくて
カラカラの私
願いはサラサラ手のひらヒラヒラ
やだ、しょっぱい。
涙が止まんない
ねえ、こんなにしょっぱかったっけ?
そしてまた願った
いつ ....
御諏訪(おすわ)の桜 背に受けて
吉野の流れ 眺むれば
古来幾多の 栄えあり
ここに学びて 志
高く掲げて 進み行く
池田中学 我が母校
四国まほろば ここに立ち
阿讃の山を 従 ....
凍てつく大地を踏みしめて
真っ赤に踊る炎の火
煌めく火の粉に
ちりちり混じり
きらきら昇華していこうとする血に
誰が嫉妬を焼べたのか
ゆらゆらと揺らめき
闇夜を焦がして燃えさかる ....
水玉模様の細い首輪を嵌めた
羊みたいな純白の犬を従えて
リードを手に黒縁のレイバンが座る、
ゆらゆらと木漏れ日の蠢くベンチ
――お姉ちゃん、犬が好きか?
ああ、こいつビンゴっていう名 ....
みそひともじの
みそひともじの
こいのうた
みそひともじの
みそひともじの
あわれうた
かなわぬこいの
かなわぬこいの
つづりうた
あわれをうたう
あわれな ....
引力が、
ある
きみと、ぼく
地球と 月
引力がある
ひきあう
すべては ひきあう
きみに ぼくはひかれる
きみも ぼくに 月に
....
{引用=死ぬ気になれば何でもできる…
それは瀬戸際に立たされたことの無い人間の言葉}
新地に棲んでいた頃の母を良く知っているといって
狐目の男が自宅を訪れることがあった
その度 ....
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