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「やる気がない!」と朝の会
突然に怒鳴り散らす担任の春を
冷めた目で眺める日直の朝。
理不尽なされ方に敏感な、理屈っぽい女子高生が
キメ台詞を復唱しながら、日直の用聞きで職員室に乗り込む。
....
彼女は無防備に笑う
笑っているように見える
僕はそれが羨ましくて
弟が居ることを少しだけ恨む
一人っ子の彼女と彼女の両親の
三人の生活を僕は想像できない
考えてみれば僕は
四 ....
あなたが残して行ったもの
俳句を連ねた小さなノート
表紙がぼろぼろになった聖書
漱石の「虞美人草」と
若山牧水の歌集
壇の上の 薄い写真の中の
やわらかな微笑み
かつてあなた ....
滲んだ太陽に
土手までのびた茜色
わたしたちは 何に染められたんだろう
もしも、の空を眺めていた
鏡みたいに、
あるいは透明な
空は、夕暮れ
おしげもなく跳ねる、金魚にま ....
その横顔は
花びらのようでした
春風が、ふわり
いちまい
また、いちまいと
面影を其処此処に
舞い散らせます
花吹雪が、ゆるり
上になり
下になりながら
音階を柔らかく
....
朽ちた木屑のかさなりを
踏みふみ
つづら登る春の里山
行く先々を導くように
萌える山吹
ふとした足元に
大人しくうつむく
鈴蘭の白、きみどり
ひとつひとつの
光りの具合を確かめる ....
爪を立てないようお気に入りのレギンスを下ろしながら
一瞬の冷たさに身震いなんかして
いまどき珍しいよね
ウォシュレット付いていないなんてさ
ちろちろと可愛い音させるのも粋よねとは思いつ ....
この絵に
足りないものがあるとしたら
瞳の奥に色を使うのを忘れ
きっとぼくは
二次元のような顔をしていたと思う
もしもこの中から
たったひとつ選べるのなら
今のぼくならきっと迷わ ....
冷んやりした部屋の
窓際に椅子を置いて座る
裸電球に照らされた
オレンジ色の壁に
魚の形の滲みが付いている
じっと見つめていると
風が梢を揺らす音に混じって
足音が聴こえてき ....
決意したのだった
私の光を遮るのだ
築き上げられなかった現実の瓦礫を
日陰にし、住処とし
さらに淀んだ感情を!
優しくしてくれるのかい
沼の水が揺れたのは
沈黙と手を取り合ったためさ ....
私は未だ
まどろみの中
目覚まし時計が
鳴っている
わかってはいるけど…
地上に舞い降りた
織姫と夏彦
感動の再会も早々に
夏彦は両手いっぱいの
高級ブランドの紙袋を持って
....
蒼天に浮かぶ美しき表現者
透き通る白
誰もが魅了され
とらえる者を許さない
その柔和な所作
それは不可解な感覚
その美しさは
比類無きもので無い
だが唯一つ
地上の人々を包む ....
宙に打つ
神の標
春のしるし
幾重にも
幾重にも
彩陰を重ね
時の無い静寂に
さやけき歌の
無間に響きわたり
夢幻うつし月に映え
淡きは命か
ゆるやかな風に揺れ
....
初老の母ちゃんを乗せた
旅客機は
赤ちゃんを産んで間もない
姉がいる富山を目指し
羽田空港の滑走路から
大空へ
飛んでいった
定年をとうに過ぎた親父は
警備の泊まり ....
桃色の甘い海に溺れながら
貴方だけを見ていた
・
あたしの愛しい人には
守るべきもの というものがあって
運命という 絆が強すぎるみたいで
あたしは遠巻きに
とぼとぼと ....
狂喜の薔薇
珊瑚の夢
遠のく景色
悪しき夢見ぬ
流石の記憶
高鳴る津波
絵師なら飛躍
日、ようく散ると
赤裸々、哀愁
「あしたは桜を観に行こう」
土曜の朝
なにやら騒がしいと思ったら
恋人が楽器をごそごそと出していた
ギターにキーボードにコンピュータ
それから何か良くわからない線とか
テーブル ....
土の香りを喜ぶには
まだ余りにも未成熟だった
美しく咲く花道の
景色を楽しみ 香りを楽しむ
甘いものを胸いっぱいに吸い込み
とろとろと溶けてしまいそうになりながら
溺れているのが少女の ....
さわらないでと
胸に茨を抱きかかえたまま
叫んだね。
マゼンタの色の野ばら
きみと、ぼくの
灰に涸らされてゆく喉で
必死に歌っていた僕ら
君は僕に蕾ひとつない
花冠を作って ....
わたしは、ここ
あなたは、そこ
この距離は因果律
決して縮まることはない
時間はいつも嫌になるくらい前向きで
振り返ってはくれないから
誰もが桜の空を仰いでいる ....
冬鳥の啼く声も掠れ
野火煙る薄闇に
遠い鐘の音とともに
虚ろに舞う、
まばゆい欠片たち
山颪(おろし)の風に攫われる
か細い梢の一瞬の落花、
土に眠る豊かな彩りと
ひややかな水の命 ....
この野郎、ピンポンダッシュしたろかな
マンションだと言われればそんな気もするアパートの角部屋
レースのカーテン越しに人の気配が行ったり来たり
どうやら生きてることは間違い無さそうだけど
....
恋歌に憧れていた僕は
物語に紛れ込みたかった
ある日、ふと気付く
僕は目になりたいのだ
彼らを眺め続ける透明な視点
春が来て
僕はあなたに恋をした
立っているだけで精一杯
好き ....
黄色のひかりがぶれる部屋で、
わたしは
左足で眠るかさぶたからゆくらゆくら
透明?
に、なりつつ
もう、なくなった筈の
/もしくは、見えないだけかもしれない
水掻きに脈を聞く。 ....
あの人が死んだ。
僕の彼女に言い寄っていた
ドレッド頭の やたらかっこ良かった あの人
病気で アパートで 孤独死で
訃報を聞いた僕と彼女は「死に様」を想い ....
歪んだ雲の地平線から
顔を出せない月
掻き混ぜて淀んだ熱が生んだ
君を抱けない腕を切り落としても
慰めになんてなるはずがなく
漂う気だるさに萎えた憎悪も
萎びて今では役に立たない
....
絹糸をよせあい
指の間にからませてみる
しゃらら しゃららと柔らかく
それはとてもしなやかで
最後に泣いた日を思い出した
寒天のように細かくふるえ
すぐに崩れ落ちそうになるこころを ....
この星系のどこか
色でけずったメタンガスにちかいどこか
バスの墓場がある
何億台もかさなりあって絶命している
すすけた錫がキーンと光っている
純粋だと主張する天頂方向に
....
イメージしてください
これはただのイメージなんです
イメージできませんか?
これはただのイメージなんです
あり得ない動きをする
奇抜な見た目で煽り立てる
だってこれはイメージなんだから ....
おはよう
おはようお月さま
今日はツンツンすまし顔
あのね今日ねぇ…
お話し聞いてよ
おやすみお月さま
また明日
おはよう
おはようお月さま
今日はとても ....
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