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ぐるり、と周りを見回してみた
遮断された思考回路
崩れ落ちた自信とプライド
夢中で追いかけているうちに
何を追っているかも分からなくなった
ぐるり、と周りを見回してみた
逃げる ....
人の心に耳を澄ませた金曜日
聞こえてくる様々な声に
目頭が熱くなった
人の声に耳を塞いだ土曜日
何度も繰り返した同じ言葉
口にだしてしまえば、泣いてしまいそうで
唇をぎゅっと噛みし ....
空気人形、という言葉に
いつしか親近感を覚えるようになっていた
乾いた言葉たち
伝えたいことなどなにもなく
空気と同化するだけの日々
私の中身もきっと空気でできているに違 ....
苦々しい限りの“本音”を
彼女は黙って受け止める
そして、私をまっすぐ見つめて笑った
「まったく、口が悪いんだから!」
私も意地の悪い顔でふふんと鼻を鳴らし
「お互い様でしょ ....
今日、ふと気づいた事があります
空の色や雲の色 月の形に
文句をいう人はいないな、と
それは何故かと思考を巡らせてみれば
すぐに答えは見つかりました
長い間一緒にいすぎて
....
ひらり おちる
消しゴムのかす
えんぴつを研いだ時の
木の破片
真っ白なノートに書きなぐった
たくさんの言葉たちが
笑う 泣く 笑う
書いては消した 小さな唄
ちっ ....
アクセルを踏んでスピードをあげる
普段は開けない車の窓を開けると
夕凪の匂いがふわりと香った
あぁ、なんて心地よい
名前は過去に置いてきた
積み上げてきたものは全部
トランクの ....
眠気眼のサラリーマンは
今日も大きなあくびをする
長いコートに包まれた
少し猫背なその背中
「いってらっしゃい」と声をかけたら
「いってきます」と言って
背筋をピンとのばした
....
敷き詰めた地雷
踏まないように爪先立ちで歩く君
だけども小指が当たってしまって
凄まじい音と共に
私の心に闇が迫る
“ごめん、ごめん”と焦る声
熱くなる目頭
笑いたいのに、笑 ....
トランク一つで旅に出よう
遠い遠い異国の地へ
木の橋を渡り森を抜けるのだ
憧れていたムーミンの家
扉をノックしたのなら、彼は出迎えてくれるかしら?
可愛らしいお家の中で、お茶 ....
膝の上の猫
まるで愛おしい生き物でも見るような目で
わたしを見てにゃーと鳴くの
通り雨降る、夏の午後
その視線を
すり寄ってくる体温を
振り払いたくてそっぽを向いた
うっとう ....
その人には顔がなかった
ゆっくりと動く喉仏
見なくても分かる 嗤っている
高い位置から嗤っている
私の苦手な目をして
私の苦手な言葉を紡いでいる
その人には顔がなかった
....
夜の次には
朝が来ますように
春風が貴方のもとに
届きますように
空が晴れていますように
温もりが涙が笑顔が
貴方と共にありますように
そして何より
どくん ....
沼の中へとダイブしたい
白いワンピースが泥色に変わる瞬間を
この目にしっかりと焼きつけて
刻みこむんだ
服に肌に心に
生きてゆく為に必要な汚れを
泥んこになった ....
この命に何を求めるの?
光なんて望まないで
空っぽになった 言葉の引き出し
錆びたシャベルで庭を掘った
探していたのは君へのプレゼント
いつしか足の踏み場はなくなって
真っ逆 ....