すべてのおすすめ
 足許濡らす時雨の冷たさ
 夕刻に立ち寄るスーパーで
 野菜売り場の陳列棚から
 外れた隅へ歩み寄る

 (やあ、おかえりなさい!)
 わたしに呼びかけて来る
 焼き芋機
 鼻先へ ....
手足も鋭い口の一部だった、
小さな鯵はたちまち餌食となった
隠されたふたつの針が捕食者の自由を奪う
烏賊は、見知らぬ力に捕らえられた

月のない夜だから、
磯は辺り一面墨を溢したような暗闇 ....
冬の夜空には、三日月、
その視線のさきには、ひとつの星、
まるで、かつての、僕と母、
みたいな、
毛糸の帽子をかぶって、
なんだか無性に微笑ましい、
おぼろげな記憶のまま現在になっている、 ....
雨が降る中
山下さんが一人で
電車ごっこをしていた
手を挙げると
駅でお乗りください
と言って猛スピードで
走り抜けていく
山下さん、昨日ね
お母さんと話したよ
もう会えない ....
 
 昨日届いた喪中葉書
 十二月が、いそぐ街道で
 歩むわたしの跡に光っている
 薄いオリエンタルブルーの粘液

 これは体のタンパク質と
 多糖分と大量の水分
 角が右も左も交互に ....
そろそろと人間が影絵になる頃
通い路の柳がそのうでを
わたしのほうへ
やさしくのばす
はらっても
はらっても
しなやかなそのうでは
あきらめることがない
からめとられたら
わたしも
 ....
昨日、みぞれ交じりの雨が終日降り続き、積った湿雪はさらに重く
あたりを一面の白さに塗しつけている

どこからともなく、なけなしの高揚した気持ちが芽吹いてしまい
はずかしいくらいの言葉を書きなぐ ....
草の根と息吹と
あなた、忘れていったね
飛行船の落とし物みたいに

剝がしたり叩いたり
転んだりしながら過ごした毎日を
何と呼べば良かったのだろう
丁寧だったり雑だったり
胡麻 ....
おむすび、
お出かけする、
にちようびの晴れた朝に、
握ってくれた、
台所の海のかたまり、
炊きたての、
白いゴハンの湯気に混じって、
海苔と塩の蒸せるような香りが、茶の間にまで活き活き ....
日曜日は雨模様
もうそろそろ風邪引きそう
変換器のないラジオみたいな
面映いこの心情の原因を探れば

何かが落ちた音で目が覚めた
そのまま寝ていると
雨も考えようですよと
言われてまた ....
なんにも詩が浮かばないので
ぽかんと青い空に
真っ赤な風船を
浮かべてみる

真っ赤な風船は
すぐ青空に溶けてしまった
これではお話にも映画にもならない
せっかくの赤い風船なのに

 ....
{引用=
いつからか生きていて、
それから
名称のない日をきょうもおくり、
ゆくゆくの事も
少しは考えるけれど、
いつか
夢の
なか
ゆめにゆられて
ゆめの
なか

ような ....
あるきはじめてから
やっと息をすることを
感じたものだから
四つん這いにすすむことが
やっとで
匍匐前進した先で
どんなに頭を上げても
見えないものは見えないだろうなって
息が上がって ....
まっ青に晴れた空の下
うなりをあげた風と共に
ちょっと前の未来からやってきた
小さな落下傘部隊が
地上に舞い降りてくるけど
今しか見えないにんげんには見えていないらしい
彼らは透明の弾を連 ....
心のなかに
空っぽの部屋がある
空っぽにしてある
なにかなくしたわけではなくて

空っぽの部屋は空っぽだから
タンスもない本棚もない
ラグも敷いてないし椅子もない
ポスターもカレンダー ....
Amazonプライムの中の核戦争ドドヤーン
シアタールームに積み上げた本たちが
ドサ
何とかしてよね年上彼氏
震災が来たら一緒にシノーネ
粗大ごみ廃棄300円券をペタ
高枝切り鋏をやっとの ....
マガモがシベリアからやってきてはにぎやかに鳴いている
人造湖に多くの渡り鳥達が群れていた
赤い大きな橋のたもとにあった古い山小屋旅館は解体されて
長い年月に蓋がされた

昨日今日、ほぼ今年最 ....
どっかの時空の三蔵法師が
私の頭の緊箍児(きんこじ)を締め付ける
私は孫悟空じゃない
法師様よ間違えてくれるな

明らかに緊張性頭痛であるが
ストレッチなんかやる気力はないので
まっしろ ....
お花のかたちの穴が空いた
躰 心 かわいいね かわいそう

埃の積もった秒針 潰れたウジ虫
誰も知らない アーティスト

好きなものばかり 食い散らかして
破裂して死ぬ みんな
骨と皮 ....
 ○豆腐

しかし。
まがいものにあふれたこんな世の目と鼻の先を一歩二歩三歩……とことこ歩いたすぐ横丁にあるスーパー。顔なじみの店員。
 「いらっしゃい」 
 「どうも」
 「いつもの ....
きみ、
蜜柑、
しろいほっぺたに、
ふたつの蜜柑、
細い路地を右折する
ふと、思い出し
 ふと思い出せなかった
小さい頃
僕はいつから
自転車を乗っていたのかな
夕焼けのなか
町の空き地で
いもうと揺れる
かあちゃん揺れる
 ....
草々は刈られ
広々とした川辺に
一本足のたんぽぽだけが刈られずに
ぽつんと取り残されていた

小春日和はきまぐれに
命の鍵をもゆるませる
死ぬのだったらこんな日がいいなと
薄い皮膚のま ....
 谷川俊太郎さんが亡くなられた
 十一月十三日二十二時〇五分 老衰のため杉並区内の病院で

 谷川俊太郎さんが亡くなられた
 この一文はずいぶんと不思議だ
 生や死を超えた感じのある方だ ....
ぼくは 眠れない夜に
夜風の海を たゆたう
青いくじらを 見た

白い雲さえ 追いやって
星を ごくん と飲み干して
おしゃべりな 雨音とともに
故郷を捨てて 来たらしい

月のよう ....
詩は果てる?
男じゃあるまいし
じゃあ 言葉は気持を超えられる?
女じゃあるまいし、むりだよ
そんなことより
そんなことより眠っておいで
寒くてみじめで、女で男で、大きくて小さくて ....
木枯らしが街に吹き込んで来て

にぎやかなイルミネーションの饗宴がはじまる

厚着をした早歩きに急ぐ人々のそばを

黄色い大きなランドセルの集団が跳ねまわる

日暮れには

  ....
夜の街燈はいつも
何かを考えている
光を灯すだけでなく
決して暗いことばかり
考えているわけではない
夜の街燈の思考が閃いて
宇宙が一輪の花になる
あまりの果てしなさに
自分の孤独を感 ....
調律をしをえたばかりの
おとぎばなしは
こぢんまりとした
こどもの耳の中で
ふたたび輝く

なまえのない宝石を
空にかざす
君がなまえをつけてくれ

ささくれたブランコに留まる
 ....
赤トンボ、
ほとんど木枯らしにひとしい、
寒さでアスファルトに不時着した、
晩秋の、
ちいさなヒコーキ、
それでも在りつづける、
そのままの、かたち、
やがて、その透明な羽が、
きわめ ....
唐草フウさんの自由詩おすすめリスト(3477)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
焼きいも- リリー自由詩12*24-12-11
烏賊- atsuchan69自由詩11*24-12-11
朧三日月- 本田憲嵩自由詩724-12-9
惜別- たもつ自由詩524-12-9
街角のかたつむり- リリー自由詩11*24-12-7
かよいじ- そらの珊 ...自由詩15*24-12-1
雨も止んで- 山人自由詩14*24-12-1
知らんぷり- たもつ自由詩14*24-12-1
おむすび- 本田憲嵩自由詩1224-12-1
日曜日は雨模様- 落とし子自由詩224-11-30
浮かべてみる【きょうのソネット】- 佐々宝砂自由詩324-11-29
ao- ryinx自由詩1324-11-27
- wc自由詩15*24-11-26
フリスビー- そらの珊 ...自由詩10*24-11-25
空っぽの部屋【きょうのソネット】- 佐々宝砂自由詩1124-11-25
震災の前- 松岡宮自由詩424-11-24
初冬の夕刻- 山人自由詩17*24-11-24
鎮痛剤【きょうのソネット】- 佐々宝砂自由詩424-11-24
花瓶- 印あかり自由詩524-11-23
光、往路、- 湯 煙自由詩6*24-11-23
蜜柑- 本田憲嵩自由詩824-11-23
ふらふらふらと- アラガイ ...自由詩17*24-11-22
川辺の物語- そらの珊 ...自由詩13*24-11-22
谷川俊太郎さんが亡くなられた(2024.11.19)- 草野春心自由詩6*24-11-19
夜のくじら- みぎめ  ...自由詩524-11-19
震えて眠れよな- はるな自由詩824-11-19
黒いランドセル- アラガイ ...自由詩8*24-11-19
Cosmos- 鳥星自由詩16*24-11-19
さよなら雨- そらの珊 ...自由詩12*24-11-17
立冬トンボ- 本田憲嵩自由詩724-11-16

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116