すべてのおすすめ
生まれてきただけで
本当はこんなに嬉しいのに
あまりぐずらないで欲しいと思ってしまう
生まれてきただけで
本当はこんなに嬉しいのに
賢くなって欲しいと思ってしまう
生まれてきただけ ....
あたしは
村に住みたかった。
海のにおいのする
ちいさな、ちいさな村に
あなたと ふたりで。
あたしは
あなたとふたりの
空だけが
欲しかった。今も。
ふたりで
いつも
....
ななめ45℃に体かたむけて空を見る
とんびがくるくっるとんでゆく
仕事がえり
足が大根になってゆく
シンドイナってつぶやいて
ちかちかと電信柱に灯がともる
いいこと ....
家をでたまま
中学校への道をそれて
雑木林にわけいる
ハンターが通るだけの狭い道を進む
二股に分かれて獣道に入る
林の奥の日光の柱が立つひとところ
草むらで鞄を枕に
制服のまま寝転ぶ ....
鎌を持ち稲を刈る
コンバインが入れるように
田んぼの四隅を 大きく刈る
いろんな形の田んぼ
とにかく 鎌で刈る
雨が降りそうなので
ブルーシートも 持って行く
雨にぬれたら 機械の中 ....
【白山羊さんからのお手紙は お歌でした】
うそみたいに お日さんが 輝いて
こんな風に ひかりが満ちると
にこやかな音楽の先生のタクトの間の
まるくて すくない言葉を合図に
あな ....
夢を見ていた
バイトをしていた
家で絵を描いていた
夢ばかり見ていた
だけど歳を取り
知らない間にみんなバイトを辞めていく
ある者は営業になり
ある者は鉄道員になり
綺麗な看護婦に ....
夜の闇にあたしも消えたいな
落ちこんだらね
とことんあたし透明人間になりたくなるの
人間なのに
人間がいやになっちゃう
言葉が嫌いになっちゃう
夜の闇は優しい時間くれる
忙しいとこころま ....
あおぐ うちわ
木漏れ日 舞い
ついばみ 鳴く 白い雲
腰掛けて 揺れる
飲み散らかした花びら
風爪 斬り 羽織る
草の夢 露の戸
繰り言 湿るサンダル
絡む炭酸 甘く 指に
....
後ろ手に曲を奏でて鳴りおわったらさよなら
咲いたまま首を落とす椿みたいな朝
コンクリートのうえで
べらぼうに
赤く
どうしても開いたままの花弁が風に
痛い
天気雨で起きた朝寝坊の日曜日 カーテンを翻している風
ごきげんな空模様に思わず あくびをした
モノクロの虹をおもいだして くちずさむ唄
夢見がちなあの子はありったけの想いで あ ....
追いかけない
ようにしている
飛行機雲の
確かな痕跡も
 
やがて
風にまぎれるように
あれほど確かめた
かすかな
鼓動も
もう
とど ....
妻が孫の顔を見に泊まりに行った晩
ぼくは真夜中に目覚めた
喉が渇いているわけではない
トイレに行きたいわけでもない
なんで目覚めたのだろう
ふと隣を見た
そうなのか
きみがいないから ....
大学合格の連絡をうけて
「おめでとう」くらいしか言えない僕です
嬉しさのかたわらで
ひっそりとたたずむ淋しさを
どうしても感じずにはいられない
卒業式は三月
けれど何かを卒 ....
いわれの無い 悲しみは
こどもの頃の 押入れの匂いがするから
布団のすきまに押しこんだ
この目は きっと赤
ともだち
と いう響きの電話の声が
「いまから 出かけない?」と ....
仕事 変わって と
頼むよりはやく移動してくる人
ちょっと待て この間この作業は向かないと
変わったばかりなのに また少し嫌や所にふられて
そそくさと戻ってくる 私は あっけにとられる
....
朝
かまきり が袖を引く
貧弱な鎌をカフスに突き立て
出勤する私を引き留める
そんな鎌じゃ 草も刈れまい
まして人間なんて 狩るもんじゃあ ないよ
生地がいたむから
その鎌 どけておく ....
かっこつけるなよ
近道が知りたいだけだろ
かっこつけるなよ
身体が欲しいだけだろ
楽して生きていたいんだ
泥をかぶるのは御免だ
ババを引くなんていやだ
若いままでいたいんだ
責 ....
夏のなごりの草原で
天使と悪魔が背比べしてる
人恋しさがゆきつく場所は
越えられなかった声の向こう
枯れかけの街路樹で生まれた虫の
青い方へ 青い方へ
こずえを目指す早足な痛み
草原 ....
街中で知らない人と沢山すれちがう
わさわさ人
つつつ つつつ
つつつ つつつ
つらなる人と私
駅につきすれちがう視線
電車に乗り窓の外を眺めていると
つつつ つつ ....
そのときわたしは
夕やみが背中にきれいにかかるさまやみどりのこっくりと茂る影の不気味、ぼうっと灯る生活の模様やちゃりんちゃりんと鳴っているやさしげな時報に見いって、聞きいっていたのでやわらかく磨 ....
青紫の花びらに
涙がひとつ
めしべの奥の
白い洞窟に
隠されているのは
新しいいのちが
育まれる仕組み
蜂がはいっていく
蟻が群をなしてはいっていく
ぼくもはいっていく
男は虫 ....
「ったく、もう、この子は図体がでかいばかりで、とんと根性ないんだから」
母親からそう言われ続けて育ってきた守田太郎が、何をどう間違ったのか、
ボクシングを始めたのは、大学に入ってからだ。
元来、 ....
4:42AM
きみがてのひらで
目かくしをしてくれる
いいにおいのする
やわらかい暗闇が訪れ
どこかで
列車が動きはじめている
八月の終り
きみがてのひらで
目かくしをし ....
信州の夜が残暑の汗を奪って行く
アース・ウインド&ファイヤー 4番目をリピートして
三つ先の信号機の止まれが次々と青に変わり 自分の番まで来た
この心地よさ
明日も同じだな ....
ヨシキリザメが泳ぐ
ちいさな町の
ちいさな家の二階に
海はひそんでいる。
右手で白い幅広の帽子をおさえ
車椅子にのったおんなが
吹き荒れる海をみつめて
V字に固まった左腕と
尖った ....
重ね合わせた掌に のせる想いは煙り
ろうそくと線香の火に 日常が遮断される
目を閉じ 心の奥に目を落とすと
闇の中にかすかに
小さな子が 手を合わせている
幾人いるかは 暗くてみえない
....
筋肉痛に薬をぬりこむと
段々 痛みが薄くなる
不思議だ
そういうものだから買ったのに
神経が感じなくなる痛みに
漠然とした不安がひろがる
しかし 不安より生活だ
とにかく痛まなければ ....
暑い日が続いている
逃げ水がゆらゆらとして近づけない
今年のお盆を迎えた
斜陽が眩しすぎるかのように
家族というものから目を逸らしていた時期がある
自らの病や
家族を形成する人々の ....
おかあさん
おかあさーん
わたしを産んだ日は
晴れていたと聞きました
満開のサクラ
初夏のような西陽のなかで
汗をかきながら
わたしを産み落としたと。
産院の名前を覚えています ....
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