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最期のタバコ屋で最期の女に出会い
最期の言葉を交わして
いっしょに暮らそうかとも想う
いつも最期に出会いたくないので
のらりくらりいきている
挑戦状のないリングで闘争心のない犬と成り ....
空にポツリと佇んでいる
逆さまの煙突は今日も煙は落ち着かない
ドーナツをおでこにあてて
選ばれるのを待っているのだけど
聞こえてくるのは誰かのくしゃみばかり
僕は長い長い道を見ながら ....
行方知れずの怒りを持て余して
恋のときめきなんて知らなくて
「一番美しい」はずの十代が
ないものねだりで終わっちゃった
なんかもうやになっちゃったの
にきびみたいな自分に
でもこれは私 ....
犬も歩けば棒に当たるというけれど
今朝から当たるべき棒が見つからないし
君が大切にしていた犬は
もうとっくにこの世にはいない
手を握り
お互いに年を取ったね、と笑う
話したいことは ....
ウサギが大人になって
ウサ耳美少女になったとして
そのソープランドの名前は
"生足ホイホイ”
俺は己の罪を赦すために
更に大きな罪を犯すだろう
要するに
俺は地図にその楽園を
....
大陸が大陸を噛み砕き
顎から瀧が流れ落ちる
仰向けの空の背中に
海の光が照り返す
鳥は数字を紡いでは落とし
緑の輪 緑の輪
羊の喉と繋がる空
ゆうるりと廻る虹の柱 ....
ある日一人の自称詩人が死んだ
すると4人の自称詩人が連絡を絶った
恐らく4人は二度と帰って来ない
その結果、クソつまらない自称詩が
4作以上投稿されなくなった
なんて清々しいんだ
この勢い ....
1
赤トンボたちが
飛行機のルーツのように飛行している
一日ごとに冷たくなる風が
透明に流れている青空の清れつさと
黄いろい木々の退廃を同時に包含している
秋の午後
パズルのピー ....
旗についた氷が溶け
滴となって径に撒かれ
たくさんの音を描いている
砲声の半分は空を埋め
もう半分は地を満たす
笛は 曇の影をゆく
手櫛の雪
子の頬に ....
私の翼は汚れてしまって
もう昔には戻れない
艶々の新しい羽を
望んでも虚しいだけ
どうせ翔ぶことが
出来ないならば
翔んでいるあいつを
どうにかして
撃ち落としたい
それが私の存 ....
ジジイAと
その仲間達の間で
粛清が始まった
敵対する相手が
手強くて
どうしようもなくなると
実は本当の敵は
内部にいるのではないかと
疑心暗鬼になり
少しでも目につく行動をと ....
上目使いに
陥れる人間見ている
暗いあなたの
性格が不気味だわ
偽善者ぶって平和を唱え
その実他人の不幸を望んでいる
所謂普通の60才だわ
ジジイのこと知らな過ぎるの、あなた
ボケつつ ....
私は今から立ち去りますって
宣言する必要あるか?
押し付けがましいったら
ありゃしない
人知れず
静かに消えりゃあいい
「どうか私を探さないで下さい」
そんな書き置き残して行った ....
透明な砂地の樹が倒れ
枝が根に
根が枝になり埋もれている
影が打ち寄せ 去ってゆく
空の名札が剥がれ
旋りながら落ちてきて
やっと捕らえることができても
暗 ....
夕暮れどき
一日の仕事を終え
石段を弾むようにかけおりて
家路へと急ぐ、うしろ髪を簡素にたばねた初老の少女
時刻を告げるためのモノラルのスピーカーが
懐かしい音楽の一節で
夕暮れのあたり一 ....
風は止んで不思議な午後だった
うまく前に進めないような気がして足がもつれた
言葉はカツンカツンと音を立てて
街中の建物にぶつかって帰ってくる
時折それは武器になったりカドが取れて優しくなったり ....
仄か香に埋もれてしまいました
夢うつつのなかに
鬱々と引きずり込まれてしまいました
湯に足を取られたかのように
ゆるゆると絡め取られて
沈んだ湯のなかから、見上げたそらは
金の産毛 母さん ....
人間はかわいい
ひしめき合って
ひとりはさみしく
殺し合ったり
駆け引きしたり
愛したり
憎んだり
ごはんをたべて
うんこして
眠って起きて
靴を履いて
家を出て
働いたり
....
粘土の
少し油臭くて
押せば形を変える
素直で
拘らないところが
好きで
柔らかいけど
ちょっとだけ固く
抵抗する素振りを見せて
ふにゃりと
沈む
そして
どこまでも受け容 ....
中古だったコートをネットで買って
私は歩き回る 街を
そんな日曜日の弱い日差しの中を
静かで寒い 一番 そんな日が落ち着くのだった
この先 私の人生はどうなるのかは
何もわからない今 ....
あのひとが脱皮するのを見た
鮮やか
に細く磨き上げた手
の甲
の上を走るふくよか
な血管
に見惚れた
美しさ
が屈託なく笑う声
に蹴散らされ
刹那
するり
と剥けた
....
お母さんは久しぶりに詩を綴っています
君へ愛の詩を久しぶりに綴っています
なぜかって?
幼い頃から綴ってきた詩を君がこれから読むよって
言ってくれたからです
愛の詩でも辛いことがあったこ ....
ほどけて蜘蛛になる陽の前を
光の葉と穂がすぎてゆく
海に沈む
巨大な一文字
古い風はさらさらと崩れ
胸像の庭を埋めてゆく
誰かが居るようで居ない揺れ
家と家のはざ ....
ぼくは
おばけだよ
ひゃくねんまえに
しんだのさ
ちょうど
ましゅまろが
あわいひかりに
てらされて
うそと
ほんとが
わからなくなって
びゅっと
あさって
....
爪だけを照らす
蒼い光
ひとつの指に
拡がる荒れ野
星の数だけ
痛みは冷える
砕けた冠
轟きは増す
二つの視線で
つまむ宇宙
それぞれの目の
....
いつも気になっていたのは
君の鼓動、
タイムリミットのある
運命みたいに
乱ざつに履きかえた内靴と外靴
しろくおもみのないものが
花びらの速度で降りつづける夜
水平線の見える
駐車場へ ....
私は川べりの道を一人で歩いた
新年の光の中を その 眩しい
まだ 暖かさのある 一月の 真昼 だが
色々な人の背中の中を私は追い越して
これから 一体 どうなるのだろう 私は
そ ....
時おり止まり
時おり流れる時間の上を
雪と羽はすぎてゆく
星に棘に傷つきながら
雪夜の森に星雲が降り
倒れた霧の塔にまたたき
朝の月 昼の月のふちどりが
消え ....
過ぎていった季節を常夜灯のように思う
わたしは揺り椅子の二つの脚に停留の錨を下ろし
アンテナの代わりに
机のうえの海に花瓶と丈高い花を置いて
自分のなかの未知なる惑星を探りだす
(わたしは丈 ....
体温があるということは、
熱があるということは、
誇張なく
命というのは燃えているのだな、
という実感が、
白湯の水割りを飲みながら、
胸を貫いていった。
火がとろ火になっても、
いつ ....
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