すべてのおすすめ
ヒロくんは
ほ乳びんの乳首ならチュウする
「わたしの乳首はキライなの?」と
ほ乳びんの乳首にやいてみる
もうベビーじゃないこびとをのせて
ベビーカーを押している
愛しい生活にまみれた周辺を
いっぱいに抱えながら
秋は日に日に落ちてきて
車輪がとらえる枯れ葉の音が
肌の乾きを知らせてくれる ....
水は柔らかく伸びて
青いさかなとなり
耳にふれてとけてゆく
鳥は低く弾けて
白いはねとなり
肌にぬれてしみこむ
きみの産卵する文字たちは
見たこともないのに
なつかしい、ゆらぎ ....
分からないことが
きみの
口に
つめこめれて、むきだしにされた
まま、きみは運ばれていった、
夜には、
わたしの口に、きみの死が
押し込められて、
何もできないということの ....
何もかもが嘘
工業用の米が
いつの間にか
最高級肥後米になっている。
それを食わされる
入院患者
もうければイイジャン
イイジャン
イイジャン
見逃せば金
だも ....
海の中にいた
ここは地球なのだが
靴を脱いでいるから
地に足が着かず
やわらかい席の
おしりの感触が消えそうで
前の席の 男の子 女の子
野鳥のさえずりに似ている
夏は タンパク質 ....
あぜりの みちりに
うのつの そえて
ちりこむ すすりの
こうゆい まうて
ちちりん ちちりん
すずのて ようすみ
ちちりん ちちりん
すずりの てのまい
あぜ ....
かみさまという鏡のような未来は
ぽろぽろとこぼれながら
なにか悪い事を口にしかけて、
小さくなっていく産声
どうやらここは初めから
ちきゅうという
名前もないどこか遠いところ
....
ずいぶんと歩いていた
ぼんやりとそれだけはわかる
ふくらはぎの痛みの感覚は通り越して
いつか読んだ本の陳腐なストーリーのセリフみたいに
「それでも行きたい先がある限り歩くんだ」 ....
くまをね
くまをおんぶして歩くの
会社行くときも
映画観に行くときも
フランス料理食べに行くときも
くまが可哀想なんじゃないんだ
私がくまがいなきゃもう歩けないんだ
ねえ く ....
重たいよ、重たいよ、と稲が鳴ります
生まれるよ、生まれるよ、と栗がもうすぐ妊娠八ヶ月です
うーーん、と心地よい秋風に、晴天が背伸びをします
ぐう、ぐう、と魚の雲を見たわた ....
たまゆらぐ
あきのひとみで
草のなかにかくれた
君をきいている
何かにすがりつきたいふうな君は
細い、ほそい線になって
なまみの月を仰ぎ
永いときを抱え
ふるえる
{引用=
....
心臓が集まるとファンタジーになる
初秋に夏をふり返る日
スパイスをスプーンいっぱいほおばるような
日常のすてきな刺激のような
心臓がより添うときを
見たような日
旅から戻ったベ ....
紙に書く言葉を選び
心の住む所を明かす
季節の中 暦に書ききれない
熱と冷気がある
何度も歩いた生家前の道
しだいにその回数が追いつく
婚家前の道
道すがら挨拶をかわした人々
....
お元気ですか?
過ごしやすい季節になってきましたね。
体の具合はいかがでしょうか。
僕はと言えば長年悩まされていた不眠症も改善に向かい
毎晩、ぐっすり眠れるようになりました。
僕は今、夢 ....
弦を叩いた 反芻に
旋律はとてもうつくしい応え
わたしも毎日 傍聴する
雨の日は くるまの音 のわだかまり
ボタンを押してくださいと
思い出される空気の底に すこし
....
片手で空中にまるをつくる
親指をくちびるにもってゆき
その場の空気を吸い込む
恐怖も限界も肺にためつつ
決して傾かず真っすぐに息を吐き出す
履き心地の悪い靴なんて捨てちまいな ....
わたし、ずいぶんやせてしまって
てのひらには、ようみゃくみたいなけっかんが
あおじろくひかってみえるほどです
だから、あなたのこと
やさしそうになぜたりするのも
ぎゅうっとだきしめたりす ....
友達と二人で
山でキャンプをした
山といっても中腹まで車で登って
キャンプ場にテントを張っただけ
晩飯はカレー
キャンプといえばカレーで
これを食べるためにキャンプするようなもの
か ....
熱帯夜から放たれた八月のあなた
雨戸もガラス戸もカーテンも開けて
短い髪に風を受ける
シャンプーの香りがよせてはかえす
秋の虫が聴こえる
蝉の絶えそうな羽音も渇いたように
風がはためかせた ....
詩が生まれないこと
満腹な証し
なにもいらない
なにももとめない
言葉は
ことばであればいい
深みもなく
潤いもなく
その場限りの
ものでいい
詩はないほうがいい
幸せなもの ....
影が動きに遅れてゆく
遅れては遅れては重なりつづけ
ひとつの歩みのたびに咲き
ひとつの歩みのたびにたなびく
海の終わりからはじまる砂漠で
影と涙は会話していた
....
病院で診てもらったら
うどんこ病にかかっていました
お医者さんは
専門じゃないので、と言って
生花店の名刺をくれました
お店のひとは
ぬれた脱脂綿で
手のひらを優しくぬぐって ....
「免許を取るには、年齢位の金がかかる」
誰かさんが言ってた通り
33歳にして33万という金を
母ちゃんは惜しげもなく貸してくれた
二俣川で筆記試験に受かり
初めて免許を手に ....
硝子に押しつけた
こめかみをたどって
冷たい雨がしたたる
降車ボタンは
どれもかなしく灯りそうで
斜めに落下する、指先
目的地なんて
最初から
あるようでなかった
オクターブ ....
(どこへ
(飛びたったのだろう
ある晴れた日の、
見知らぬ誰かの離陸がまぶしい
(ぼくの日常は
(すこしだけ寂しくて
(それが全てではないけれど
(確かにそう ....
何か おみやげを買っていくか?
駅の通り 大型スーパー五階
食事をすませても 汽車の時刻まで間がある
うん
家族連れ 二人連れ 休日の店内は
活気に満ちていた
何を買う ....
雨が屋根をたたいている
夜は
この街の夜は いつも雨
世界を願う歌や 戦う人の歌を聴いた
胸焼けがするほどに湧いてくる
愛する人を失って家を無くしたら
私が家になればいいの きっと
わか ....
・
夜
飲みさしのコーヒーの中に
砕けた夏を発見した
掬い上げようとしたら
逃げるみたいに砕けて沈み
底の方で銀色に光っている
人差指でかき回すと
跡形もなく溶けてしまった
....
わたし、さかな
あなたの前では息もできない
それは言いすぎかもしれない
だけど夜になると
淋しさを呼吸するわたしは
誰でもない一匹のさかなになって
どこまでも
きっと、どこま ....
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