ある晴れた日
手紙を出しに行くとポストは
「秋だなぁ」と
しみじみもらし
それから私に気づくと
真っ赤になって
照れていた
不感無覚の大河を 大揺れに揺れ
流れ流れて年を越し あと二カ月と
迫りし時 苦楽隠居の夢破れ
空を見上げて大嘆息の浮かれ人

六道輪廻の迷いの果ての幕切れ
あっさりと これまた成行 ....
   


石鹸のにおい
休み時間の度に手を洗っていた娘がいた
両手で水をすくい
端からこぼれ落ちるところから飲んでいく
こんなふうに
僕の書く文章なんて
いつも隙間だらけの言葉足ら ....
ボクは、12年間、入院しました。
病院は、いろんなことのある場所です。
亡くなる方もいれば、元気に退院していく方もいる。
何人の人を、ボクは見送ったのでしょうか。
何人の人の、冥福を祈ったので ....
年寄ると
雌牛の乳房はずるりとながい
地面につきそうなくらい
搾乳器にもかけにくい

隣の牛に踏まれると
乳房が裂ける
裂けると
いつものおじさんがきた

麻酔したのかしないのか
 ....
牛が生まれる
大騒ぎしているのは人間ばかりで
牛は慣れたもの
これで五度目のお産だ

まだちいさいわたしは
目をみひらいている

子牛は逆子で
おじさんは苦労している
どうやったも ....
わたしがまだとてもちいさかったころ
牛舎でチャボを放し飼いにしていた

あのころもたぶん
鳥インフルエンザはあった

卵を隠すチャボがいた
牧草の陰にふたつみっつとあった
探し当てると ....
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  1

なにもみえない
から
こわいんじゃない
なにもみえる
はずがない
から
こわいんだ
 ....
私たちは一葉の記憶装置だ
生い茂る木々の端で
保存することのうしろめたさを
知りながら連なっている

陽光が差すその瞬間に
私たちはいつも照れている
風の戯れに私たちは
 ....
夜中につめを噛んで
夢を見ることに必死
幼い頃に余裕があったのは
その先に数え切れないほどの
イベントが待ち構えている事を
なんとなく知っていたから
イベントの間隔が開いてきて
他人の結 ....
花が咲き
実をそばに混ぜて食べ
お茶に入れて飲み
ようかんを買って帰る

初々しさが一番すばらしいとは思わないけれど
現実的に想った人として
あなたが初恋

どこかの国の人はとっくに ....
この道を通ると

君を想い出す

君は本が好きで

いつも本を抱えて角の本屋から出てきた

本で手がふさがってると

にこっと笑った君

手を小さく振った僕

君は幻だった ....
気がついて ここはどこだと ふきのとう きらめく空に 大きくのびして 1.

みずたまる、みずたまる、みずたまるこ。
みずたまりに、みずたまるこ。

みずに、みずみずし。みずたまるこ。
みずみずしみずたまり。みずにみずたまるこ。

むこうみず、かえりみず ....
 
道のひとつも間違えず
毎日を器用に歩きながら
私はここずっと
半分行方不明です


タバコを吸おうと
ベランダの窓を開けると
残りの半分が
風にはためくので


飛ばされ ....
世の中が思うようにならない
のは 今始ったことではない
あと三カ月だなと呟いて
自分自身すらよく判らない

続けたいのに仕事がないヒト
辞めたいのにちょっくらちょいと
辞めさせてもらえな ....
自転車のサドルってやつは、大抵ピッタリしているものだけれど、一瞬どこだか忘れてしまうその名前はさておき、色はタンカーから流れ出す按配の、石油的な黒だ。とにかく座る場所なんだけれど、それがそいつはどうも .... 畳 の 上
裸足

ふち に 添って
一匹 の 蛇

明るい ささやき の内で
頭 を もたげる 闇

草薮 から 訪れた
赤い 口

切り そろえた ばかりの 爪に
 ....
同僚のヨシオカ某氏がやって来て
後ろからボクの肩をポンと叩くのだ
一枚のメモ用紙を机上において

ニヤッと笑うとモウスグダネと言うのだ
ヨシオカ氏も三八年寅歳
二月の早生まれだから後五 ....
凍えるようなフランスパンに
アプリコットジャムの毛布
パチパチと弾ける
ガーリックバターのシャッポ
クリームスープに浸しては 寒さを癒した
季節

家庭教師の家には いつも
ライ麦パン ....
生まれ変わったら

何になりたいかって

お前は聞いたよな

俺は

男も女も生き物はいやだぜ

俺はね

街になりたい

色んな人間がいて

楽しいことも

悲し ....
眠い 眠い とても眠い
政 官 財 崩壊
若い 丸い オンナたちのおっぱい
ミンナ 謝罪 おれは謝るまい

{ルビ天使の都=クルンテープ}の朝 のっと 太陽が赤い
ヤーを送りだした後 なん ....
やまだせんせいも
ポチも
たばこやのおばちゃんも
そうたくんも
りょーかも
りょーかのかれしも
おじいさんも
モトカレも
おてんきのおねえさんも
ありっちも
エリスも
おにいちゃ ....
望遠鏡のように澄んだ空気も
小さな雪像にかけた情熱も
鎌倉の中でこっそりキスしたことも
全ては真っ白い眩さと共に
あなたに繋がってる

溶けて泥色になった道路の雪も
無愛想で気が利かない ....
反響する月あかり
空は明るい菫色です
白い雲が
流れます

今夜
地上で起きている
出来事が
みな懐かしい
白い廃墟の町も
風の荒野も
現実にあった夢も
何一つ欠けることの無い ....
思いっきり身震いしたら
壊れてしまうかと思っていた
田舎町に
今ではすっかり馴染んで仕舞い

若かったゴジラ達も
皆立派な町の世話役となり
ズルズル引きずっている

逞しい尻尾に気づ ....
夜になるとたまには
その日の些細なシーンの積み重ねで
あわよくば 後戻りしたくなります

ぼくらの夜は
そうやって 濃いっぽい空に包まれ
浮かんで混ざって消えていく それらで出来ている
 ....
ライオンのかかとのにおいを嗅いでみたとして
どんなはばかりが河岸段丘に色づくのだろうね
人はみんな違っているから素晴らしいと言うが
僕だけが愛してもらえない夜は素晴らしくない
みんなが ....
持っていることを自慢する 試みに彼の鞄を持ってみる。
牛皮製らしいそれは大きさばかり目立つが相変わらず軽い
きっといつものように家族が入っているのだろう
そのことは彼から聞かされている
彼は信用するに値する人物なのだ
 ....
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