言葉たち
あちこちで
みしみしと
ひしめきあっていて
言葉たち
時に
きゅうくつだったり
なんとなく
楽しかったり
はやく詩になりたいなぁ
なんて
....
にんぎょうをひろいました
どろをきれいにあらって
あたらしいふくをきせて
るぅ となづけました
おなかがすいたというので
くだものをかってきて
かわをむいて
るぅ となづけました
....
おまえが
にゃあ
しか言わなくなってから
三ヶ月過ぎた
冬の上野公園で
壊れている
おれ
ショウジョウバエが2匹
離れない
ベンチ
に横たわって
斜めに見る
空はどこまでも
....
空の底に飛んでいく何かを眺めたいのですが
ただでさえ寒いこの部屋の 窓は開けません
想像してください
「矢印が3つばらばらに別の方向を指していて
その三角形の真ん中には 目のグラフィック ....
お借りしていたものをお返しいたします。
と、鍵を送りました。
怪我をしないように、布織紙に包みました。
手紙を添えました。
精一杯の優しさなんだろうと、
直属の上司が電話をしてきました。 ....
途方もなく繰り返される通勤という愚行
なんとか自由になろうと編み出した歩行
いまでは神保町から西新橋まで徒歩強行
満員すしづめと戦いながらの空しい思考
電車と速歩各一時間でストレス解消成功 ....
父はつまらぬ魚屋でございましたが、係累は多うございました。
たいそう古くから魚屋を営んでいたと申します。
けれども嫁はどこの馬の骨ともつかぬと祖母は母を貶めました。
わたしは母の係累をひとりも存 ....
東京駅の地下街で倒れた
「わかりますか?」と問われ
わかっているのは君のことだけだったので
「ラ・フランスは長野の特産」と、さっきわかったことを答えた。
今日の僕は0点だったな
0っていう数字は
とっても難しい概念らしいが
青春がんばって 土を蹴って走り続ける
シナプスまで酸素が行き渡らなくなったら
さあそこに見えた青春がんばってる僕
よくやったよくやったと
手をたたいて褒めていた
聞こえるパチパチ
まわり ....
ずびずび。
女の子がそんなに鼻をすするのはよせよ。
心の中で呟く。
きっと言ったら聞こえよがしにもっと強烈なのをかますんだろう?
俺が悪いと責めた眼差しはあながち悪くないな。
....
夜に雪が降る
街頭の灯りの中に暗闇の中からすーと姿を現す雪
手を出すとふわりと手に乗り、スーと消える雪
儚いような命の雪
しかし、無数に降る雪は、消えても消えても又降ってくる
そして、何時か ....
その空席には猫が座った。(そして眠り始めた)
なので、もはや空席ではない。(眠り始めたのは椅子の方だったが)
街に新しい色が来て
赤はみんないなくなる
空の鳥は銀になり
小さな家を埋めたので
原の鳥はただ一度だけ
冬へ昇る階段になり
原を行き来する足跡に
雲と羽を散らしながら
空の鳥 ....
ししゃもはいいねぇ
そういって親方は
お弁当を頬張り
しわくちゃの目尻が
太陽でいっぱいになる
むこうの田のなかで
ごろごろ転がしている
しろいのが白鳥です
ほらよく見てごらんなさい
稲の切り株のあたりで
落穂や二番穂をむさぼっています
あのやさしげな長いくびは
あなたの腕のようで ....
インドの魔術師から花束をもらった夜
ぼくはなぜか平安時代の日本にいる
うらわかい細身の美女にかこまれて
宴はすでにはじまっていて
ひとりの女をだきしめながら
官能がたかまりおもわず ....
嘘をつくと 小指が少し削れると
言ったのは 憧れの従兄弟でした
憧れの従兄弟のお姉さんは 私より8つ上で
仕事で知らないおじさんのインケイをくわえていると言いました
ダイジナトコロに指を入 ....
「小さな」
と ついつい垂らして
わたしには
「小さな」
お醤油
小さな 春
小さな 夏
小さな 秋
小さな 冬
小さな 朝
小さな 夜
....
こい、しっと、ときめき、どきどき
そんなものをうたうようなじだいははるかはいごにおきざりにしてきたきがして、
うちはまたこんやもみみざわりなはぎしりをしながらねむりにつくんやろう
かなしみ、 ....
行きは雨で
帰りも、やっぱり雨で
雨はざあざあといい音を立てる
一杯になった傘立ての横に引っ掛けていた、
自分の傘を忘れることなく手に取る
行きの雨に濡れたままの傘を
バサッと ....
黄金の陽が白い壁に照りかえり
あたりに歓びをまきちらす
肉づきのいい葉の一枚一枚より重く
なだらかな幹の淡い化粧よりたしかに
雨の歌は静かに
時計の針をとめた
あなたの顔 わずかな物 ....
夜
ベッドにうつぶせになって
すうっと体がのびた
魚になった気分
黒い海を
すうーっと泳いでるような気がしてたけど本当は
まな板の上で
最後のお願いをする
まず頭を切りはなすために
....
用は足したのですが
ちょうどうちの部屋の若いものがやってきて
口喧嘩をはじめましたので
出るに出られません
原因は私のだらしなさで
その尻拭いを
誰がやるのかともめてる ....
ちょっとでも過去が他人のものになったらいいのに
とおもってずっと恋愛ごっこをしてきたのさ
8月9月10月
絵日記
11月
道路わきのさびた缶に無造作に挿された枯れたお花
いつか誰か ....
シゲジロウは大戦前の生まれである。
幼くして酒屋の丁稚奉公に出され相当苦労した時期もあったが、まあ今となってみれば概ね平穏な人生だったと本人は思っている。
戦場に駆り出された時も五体満足で本 ....
彼はにんじんだが
私がおろしてしまった
まな板のすみに にんじんのおろし
主人の好きな きんぴらをつくらなければいけないので
いつもより速く ごぼうを切る
トマト 枝豆も切る
その ....
「すべての武器を楽器に」
プラカードを掲げ、楽器を打ち鳴らしながら歩く男女のグループ
はしゃぎながら笑みを絶やさず、カレシらしき男に唇をおもねる女
皆おそらく学生ばかりなのだろう、サ ....
空がきれいに映った窓の拭き手
命綱に繋ぐ彼が空を拭く手
見上げるのはあんまり小さい
動かす腕の振り幅
すべての空を拭き終えるには
ビルさえ朽ち残らない
しずくひとつ零しても
....
のらりくらりとしていた。歩道で信号チッカンチッカンしだしたから
ではないのだけれどなんだか ハ・シ・レ 、っておもってしまって
横断してから止まらなくていつまでもいつまでも走って ....
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