世界は
もっと不思議なままでよかったのに
虹の七色
逃げ水
姿見
知ってしまった全てが
恨めしい
君よ
その背中を覆う漆黒は
僕の夜だ
初めに与えたのは君のほう ....
階段の 途中、
上から5段目あたりに
背筋をのばして座っていると
傘を忘れてしまったことなど
どうでもいい
と、いった気分だった
昨日洗ったスニーカーは
乾いただろうか
....
砂漠のニコニコ
僕の肩を叩く
右手にレモンを握って
僕の瞳を覗き込んだ
砂漠のニコニコ
ポーンと高くレモンを
空に放り投げた
レモンは太陽にぶつかって
数えきれないほど ....
水びたしの指で
コンセントに差しこもうとした
叱られた
しらない世界はいっぱいある
目のまえのオーブンの火照りもしらない
けれど追いかけたりしない
食パンにまかせて
いいとおもう
....
雨をよけて駅の構内で
ジッポを売る君
駅構内でのセールスはいけないけど
雨に濡れてひもじそうにしていては
誰も買ってはくれない と
合理主義者の君の哲学はいつも正しい
....
写真を撮ってくださいとお頼みしたかもしれません。いつのことかは忘れたけれど。忘れないうちに忘れてないことを語っておきます。戦争があったのは三年前で、街はぼろぼろになりました。その頃に犬を買って、お金 ....
どうにもやるせない自転車です。雨水の玉つぶてなサドルの革を「そうでもなく茶色だ」と言って、拭き取ればままよ、と走りました。光、スロウ、アウェイ。そして溶解するするりとした残像を肴に、ウィスキーに言い訳 ....
すすけた茜のカーテンにつつまれてゆく君は
自分の瞳の裏側を見るように わたしをみつけ
やる気のないそぶりで わらう
足踏みを繰り返すが去っていかないところに
したしみ
早口でしゃべる 西風 ....
わたしを
知りたいというわたしはいない
わたしは
わたしが鳥でも人でもかまわない
わたしは
あなたによってかたちになるのに
わたしは
あなたがあなたなのかわからない
わたしは
....
ろくがつの洪水の夜に
しばらくぶりに泳いでみたが
溺れるすべを知らない僕は
たいへいようおうだん
とうとう魚になってしまった
今となってはもう
せめて、魚大好き!な君に食べられたいと
だ ....
あぁ..
書くのが すきなんだなぁ..
「ちぇっ..」
うまいなぁ..
みんな
きっと
読むほうも 貪欲なんだろうなぁ..
「ちぇっ..」
みんな
....
この世界
この大地
この地球
に
性別があるとしたら
女だ
勝手に征服され
勝手に耕され
勝手に区分けされて
でもあまり
関係無い
ほんとは
関係無い
そ ....
溜まっていた切手を
壁に一枚ずつ貼っていく
染み付いた匂いと
色の抜けてしまった壁と
すべり落ちていく手のひら
薄く伸びていくドアの隙間の光を
セロハンテープで ....
しゃがみこんでいたら
かたつむりが横切ったので
雨はどうして降るの?
と、問いかけてみた。
かたつむりは
にょきにょきとツノを出しただけで
何も言わずに
つるりと通り過ぎた。
目玉 ....
ジェット機が切り裂いた
灰色の空
僕はその狭間に揺れて
あっちとこっち
どっちへ行こうか
迷っている
びしょびしょの雨空の下
もう ずっと 前から
自動ドア
が開いた途端もうなにも聞こえなくなるくらい饒舌の坩堝なのだった
新参者が特等席でハバをきかせている
いたるところで人が出逢い
魅了され きつく絡み合い 約束を交わし 駆け引きをし 嫉 ....
緩やかな翳り
窓枠を溶かす
鐘のこだま
スピーカーの喚声
宥め掬う
夕方という
懐かしき翳りに
独りが
飽和する
どうでもいいことの流れ着く浜辺で
どうでもいい流木に
どうでもいい曲線に
どうでもいい女のことを思い出す
浜辺で出会ったどうでもいい女が
どうでもいい空き瓶の中で
どうでもいい手紙を ....
くっきりとあなた
顔 も良く分かり
なめらかで豊かな曲線 も
温かくやわらかな感触 も
鮮やか
昂り も
息遣い も
鮮明に
ただ 熱心に セックス
透明な セックスをすると
夢精 ....
先日、午睡機械さんが私の詩をひろげました。彼との出会いは、一遍の詩『遠い自殺』に関する対話からと振り返られます。いつも感じることですし、あまり大きな声で伝えることでもないのですが、引き寄せられてし ....
赤坂や六本木のある街だと思い込んで
温かい田舎から
運河の走る場所に出て来たのは
いつの事
だったっけ
見える景色はいつも同じ
で
ときおりジェットの音が
す ....
そらいろの
きれいなびんをひろったので
ていねいにあらって
ひるのあいだ
えんがわにおいてみた
ゆうがたには
とうめいなみずがいっぱいたまって
びんのそらいろが
ゆるゆるととけだし ....
朝起きたら
田中だった
田中くんおはよう
よう田中
あ 田中君だ
田中の言うことなら間違いない
田中さんこれ受け取ってください
下駄箱で告白までされる
本当の事を云 ....
ぱちり
めを
あけると
どうやら
ねていた
ほんの
ひととき
ゆめもみずに
わたしは
どこへ
いってたのだろう
おきていようとする
じがが
ねむってしまうとい ....
ざ・・・ざ―――ざ・ざ・ざ――
雲っています。どんてんです。
いちごが売り切れています。
横断歩道に吸い込まれそうです。
いつものように歩くと
危うく、車に引かれたであろう雀を
踏 ....
二人で地下室に入り
暮らそうか
そうね
窓
なんていらない
あいしてる
あいしてる
まるで二人は
日差しを惜しむように
ひたすら
気がついて
しまったから
....
泡立たず
飛散した
夏の光の下
沸騰前のアスファルト
その沈黙、の蒸れ上がり
その、陽炎
提げた虫籠の中
音から立つ
蝉の
匂い
それを
汗を分泌して拒み ....
つゆやみの夜
降りしきる蛙の鳴き声
このたくさんの鳴き声の中にも
さみしい蛙はいるのです
呼ばれているような気がして
サンダルを履いて庭に出てみると
蛙の鳴き声が辺りを包みます
白い ....
空くはず無いと思っていたのに空いた場所に
キミが寝る前に羽織るパサッりした服
部屋を見ればドコで何したか全部わかるのに
本体が消えちゃった今、そんなもの残されてもなぁ
一つ一つの形跡か ....
まぁつまらないこともないんじゃないでしょうか
一応空くらい見上げられるし
でも当然飛べないし
可能性なんて在るようで無いようで
やっぱり在るのかな
....
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