難破船が、出港する。船であるからには。海が。あるからには。心優しい、友人たちよ。惜しまないでくれ。わたしは。幸福とひきかえに、世界を。手にするのだから。



棒のようなものを、ふりまわす。 ....
あなたは生きるために日本を出ていった
ポストカードはいつも滞在地の言葉だった

ワールドカップはどこでみるの?
私は日本語で返事を書く

ここがSFの世界なら
あなたはもうこの星にさえい ....
鍵がないことに気が付いて
ドアノブに手をかけると
抵抗もなくドアは開いた
一度振り返ってから中に入る
靴は脱ぐべきだと思いながら

リビングにつながるドアを開けると
見たことのない女が水 ....
崖があり
陸はそこで終わり
振り子運動の仕掛けとして
ボールがひとつ手元にあり
結わかれた紐のもう一方は
斜め上空の
実在しない高さにまで
続いているのだという
手を放すとボールは
 ....
例えば二分の一の確率だけ
の君がいる
それは僕かもしれない
ふたを開けるまで
どちらの君がいるのか
あるいは僕がいるのか判らない
もちろん半分だけの君と僕が
キカイダーかバロムワンかダブ ....
 
 
不在票が
届いている

裏の公園の
桜が散ったのだ

こんなにたくさん
さよならを伝えたくて

春が終わっていたのだ
私がいない時に
 
 
 
 
わたしの妻になるひとは
どこにいるのだろう
漠然と考えていた
頃があった

もしわたしがこの街に
来なかったなら

あなたはもっと
幸せな人生を
歩んでいたことでしょう ....
あなたは拾う。石を。躓いて、はじめて出血した記念に。いつか青い星の降る夜。額にのせて眠ると、夢のなかで恋が成就する。



空が割れて、水が落ちてくる。あなたはいつも、とつぜん訪れる。ウィザ ....
ミニバラ、カスミソウ、トルコキキョウ
ある揺らぎが産み落とされた、
この日
このよく晴れた日をふちどる、
あざやかな
あざやかな
モノクロの葬列

/今日も大量の薬を飲む。てのひらから ....
私と君がバランスを取り合うこの世界は、い
くつかの悲しみによって支えられ僅かに綺麗
な側面によって、装飾されている。書置き。
降る言の葉。てのひらを傘のようにしてあな
たは、透き通る雨に打たれ ....
干からびた革の装丁に
そっと手のひらを添わせ
花びらのように軽い
ページをくるわたしの内奥に
懊悩は滴る
     融点の低い金属の
自由さとまたひとつ季節を
経巡りここへたどり着いた
 ....
読んでしまう
光や空気のように読んでしまう
不安をソラシと読む
雲をドシレと読む


つまるところ
わたしの思いはひとつだけだ
犬を飼いたい
ゴッホの絵がほしい
星晴れのする、小屋 ....
くさぐさの名は
ただお前の口元へ
収斂するしもべ

――極彩色の踏み場から
人はなんと多くの夢を見る
 
 
わたしたちはいつか死ぬ
ということは
死にゆくわたしが見てるのは
夢なのではないか
 
+
 
わたしは空を飛ぶ
鳥だったような気がする

わたしはアスファルトに咲いて ....
この部屋は まるで 水槽
口をぱくぱくさせている 光のあわいに あわせて
線路から 水があふれでて ドアをたたく
6:10 6:20 6:30 6:40 6:50 7:00
   電線を雲がは ....
神の言葉を携えた君は
膝のうえで不意に
遠くを見ながら喃語で話し始めた
何かを祝ぐための言葉
私が話せなくなった言葉

未来の君は
私の命日を知っているはずだ
判るなら教えてほしい
 ....
たとえば鉄の味のする夜に
街がプラタナスの樹木にかわってしまうと
ひしゃげたかみひこうきが
ポストに突っ込まれる
それを開いてみると
不在票と書いてあり
ぼくに郵便物があって
差 ....
水を飲むように
音楽を採る
人は 僕はもっと音を聞くようにならなければいけない
ピアノの
ギターの
あらゆる楽器の
そのものの音と感触
とてもおおきく広く多角的に偏在するよう ....
指は使い込まれ
はしたなさが薄れていく

こっくりとだまった目
ほほ

組んで指して入れて
未完成を目覚めさせていく

指で音をきき
指で湿りを嗅ぐ
脳にじらした虫歯を出前したい ....
 
 
掌に、和子
昔、手をつないだことがある人
初恋の人

みぞおちに、浩人
祭りの日に喧嘩した
それから何故か知らないけれど
親友になった

右肩に、麗子
距離は縮まらなか ....
昨日旅立ったものへ

ふってくるものが
すべてくもからやってくるものでもない
なんてことはわかっている

そらをみあげる

今日旅立ったものへ
明日旅立つものへ

ふっ ....
 
 
いつからそこにいたのだろう
しわしわの殻に包まれた
わたしの祖父

甘さと渋さを身に秘めて
日が暮れるまで
縁側の外を見ている

殻に閉じこもりながら
本当は外に出たい
 ....
 現代詩フォーラム50選を発表し、わたしがたのしい。という企画です。
 批評祭がずっと前におわっても、平気で大発表してしまいます。ラスト!
 最後に、感想を書きました。最終行までお付き合いいた ....
{引用=
ハルが鳴く

寂寞とした夜が明け
やわらかな陽射しが
小さな籠をみたす頃

デジタルのアラーム音に
携帯のモーニングコールに
沿って響く
心地よい声が
目覚めを誘う
 ....
東京にくると

かつて7年住んだとこだからか

いまだに成長してる都市だからか

なんだか照れくさい

いまもいつもそうだ

でも夜になると

ぼくは金魚になって

水槽の色彩に泳ぎだすようだ

友人 ....
内から歩いた昌平橋は
橋の欄干鉄骨造
頑固に昭和を語っているが
通る者皆急ぎ足

君に会いたい訳でなく
季節外れの花粉症
マスクの中から見る川面
鯉が悠々縄張り確認

外から歩いた ....
みずすましが
水を滑る
虫の比重は
水より軽い

あなたの舌が
私を滑る
あなたの声は
水より軽い

あなたの中に
潜ろうとする
私の比重は
水より どちら

あなたの浅 ....
オシマイにしましょう
大事だったもの全部
ゴミに出して
そこにわたしもうずくまる
収集車が来るまで
あと少し
大丈夫
オシマイ
にしましょう
とってもステキな思い出
これまでどうも ....
 
 
立ち食いそば屋で
夕飯を食った

客のほとんどは
お酒を飲んでいて
立てなくなると
ざるそばを食って
次々と去っていった

素数について
話している客がいた

立て ....
まるで神経が張り巡らされているように
私の神経が私を越えて
身の回りの人工物を覆い尽くし
神経節が夜陰に乗じて
あらゆる構造物に痛覚を持たせる

あらゆるものが会議にかけられ
その形が決 ....
たもつさんのおすすめリスト(3924)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
poetarot(魔術師のカード)保存版- みつべえ自由詩1410-5-23
next_time- mizunomadoka自由詩610-5-18
empty_rooms- mizunomadoka自由詩310-5-17
ながいき- 砧 和日自由詩410-5-17
こころ_はんぶん- AB(な ...自由詩310-5-8
不在票- 小川 葉自由詩910-5-3
- 小川 葉自由詩610-4-29
poetarot(愚者のカード)保存版- みつべえ自由詩910-4-20
花、枯れない、枯れる- 石黒あき ...自由詩710-4-11
育花雨- 霜天自由詩310-4-6
ネオンと抑圧- 瀬崎 虎 ...自由詩5*10-3-27
読書- kawa自由詩410-3-17
光芒- 蘆琴自由詩210-3-8
- 小川 葉自由詩610-3-6
むかしみたAVビデオのタイトルがおもいだせない- イシダユ ...自由詩1210-3-4
創書日和【祝】祝詞- 大村 浩 ...自由詩6*10-2-28
かみのひこうき- コーリャ自由詩1110-2-27
2010/2/27- 鎖骨自由詩1010-2-27
問い- 昼寝ヒル ...自由詩5*10-2-26
名前- 小川 葉自由詩6+10-2-24
くものせい- AB(な ...自由詩310-2-23
胡桃- 小川 葉自由詩5*10-2-18
現代詩フォーラム50選_(3)- 露崎散文(批評 ...1510-2-17
主旋律- 高梁サト ...自由詩9*10-2-17
TOKIO- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...610-2-15
昌平橋ーちょっとした逢い引きー- ……とあ ...自由詩9*10-2-14
比重- umineko自由詩10*10-2-13
迎えの車- チアーヌ自由詩510-2-12
素数- 小川 葉自由詩1110-2-11
構造体- 佐藤伊織自由詩110-2-10

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131