もうすっかり大人の息子が
小学生の頃
買ってあげた筆箱
こんなのいらないと言われ
喜んで
私が使っている
いや決して
わざとじゃないけど
それにしても
壊れないもんだね
けっこう
....
聞き捨てならんな
お前はあれを首と呼ぶのか
2メートル以上はあるあれが首か
そりゃキリンにだって首は要るだろうよ
持ってたいだろうよ なくしたか無いだろうよ
頭と胴体のあいだにキュッと一本ほ ....
しろいそらから
八百万のちいさな
ちいさなほしが
散弾され、落ちてくる。
かれらはまず
手をふってぜつぼうする、
それからとぶ、およぐ、まぜる、
それからたびにでてひとり ....
私はもうおとななので
食べたい時に
カレーを作れる
何でも
好きな材料を
入れて作れる
今夜は
チキンとシーフードと野菜のカレー
ちょっと
盛りだくさんすぎた気もする
ショートケーキひとつ
落ちていく
月夜の道に
落下する
やわらかな音
聞こえない
苺がひとつ転がった
外れてとれて痛んでる
暴風通ってまた転がり
赤い
実の
白い
いち ....
2007/03/06
アラビア風に
目の下を
コール粉で
黒く塗る
世紀末の
ガングロの起源かと思ったら
直射日光の
眩しい反射を遮って
目を
....
木彫りのゴリラを作った
魂をこめたつもりが
こもったのは悲しみだった
真夜中彼はがんがん胸を叩いて吠える
号泣だ
朝、机の上の涙の水溜りに半べそでモップかけてる
あんまりか ....
隔たりを埋めるために
どこまでもどこまでも下ってやるんだと思っている
今数々の生き物たちと別れを告げて
新しい出会いと別れという
いわゆるお涙頂戴を繰り返しながら
たまに ....
夕方、私達を驚かせたのは黒雲のような
ムク鳥の群れだった。電線の下を歩く際には
落ちてくる雷に気をつけなくちゃならない。
鳥達を驚か ....
今オバァちゃんが食べ残した
お頭付きの鯛が天に昇っていきます
片身が無いので泳ぐ事も侭ならず
さりとて
昇っていくには
残った片身が重過ぎて
潤んだ瞳を
ますます潤ませ
静かに ....
逆上がり すき 。 でも 嫌い 。友だちが いじめるから 嫌い 。 でも 今日は たなばたなので 給食にヨーグルトと パイナップルが 出るので がんばった 。逆上がり 嫌い 。
東京で暮らすために
新宿に降り立った日のことを思い出す
長旅、といってもたった半日だ
タンクトップをねじるくらいで
音楽をつめこんだ鞄を
肩に食い込ませ
その日を酒を探して歩いた
福 ....
ついに定規は曲がった
まっすぐにしか使われない自分が
悲しくなったという
まっすぐに測れるものなんて
世の中のほんのわずかしかない
そう思ったらしい
もっと柔軟のある生き方を求めて
現実 ....
空からは 降りてくる
土からは 起きあがる
手をさしのべて
のびをして
あくびする
呼ぶ声にこたえる
うつくしく
わらう
{ ....
文化祭の後、我が演劇部員たちは
月を呼んだ。その長い台詞を忘れずに
思い出せるだろうか?一字一句間違えずに、
たとえうろ覚えでも読み上げれるように
積み重ねたそれが分るように生きれているか。 ....
ケーキ1つ
幼児が二人
釘付けになっていた
母はケーキを真っ二つに
「二人で半分こね」
と笑った
僕が渡された方食べようとしたら
あいつは言った
「そっちの方が大きい!不公 ....
いきなり
砂から 立ち上がって
わたしの目の前で
復元する ひと
ああ!
お父さんは僕のこと
水谷豊に似てるって言う
でも僕は
亀に似ているような気がする
ひたいに 金的を
はりつけた 少年のぼくが
夜明けの 狙撃手みたいな
女の帰りを いまでも
じっと待っている 街角
めざめるには あまりにながく
ねむっている おとこの
みみもとで しんみりと
おんなが うたっている
うしなわれた ことばで
せかいの おわりに
きみとだけは いっしょに
いたくないと いわれたら
がんばって
せかいを すくう
必要だとか
必要でないとか
そんなことではなく
辺りいちめんを
もう思いっきり吸い込んでみる
日々にやさしいものは
いつでも君の近くにある
目を凝らして
耳を澄まして
鼻を利かせ ....
今日
雪
降って
消えた
ことばは
とんと
降って
こない
今日 雪 降って 消えました
....
ゆうがた
ひとびとの背がかなしい
ひとびとの背を超えてゆく
魚がかなしい
水が均衡する
まずめどき
幻想の水をしなやかに
幻想の魚がおよぐ
しのびよる色が
....
猫集会というのは
聞いたことがあるけど
エビ集会というのも
あるのですね
ところで
議題は何でしょう
餌の量の件でしたら
善処します
何でだろう こんな日に限って チョコ食べたい
好きな子が チョコ渡してる 俺じゃない
バレンタイン 明日の昼まで 受け付けます
いわゆる
ぜんじどうせんたくき
洗濯物が洗えます
たまんねーな
ぜんじどうせんたくき
自らの全てが動きます
どこいっちゃったんだろう
洗濯物がどうなった ....
混じり気のない東から
広い、まばゆい氷が溢れる
吸うわたしは、吐く
愛おしい、正しい、愛おしい、
ひゅう、ひゅう、
吸う、吐く、わたしは
空気にキスをしている
ああ、だからこの肺 ....
にんじんの形をした雲が
夕焼け空をロケットのように吹っ飛んでいく
月面では青ざめたウサギどもが
手の届かないにんじんに地団太を踏んでいる
揺れる
揺れる
揺れる
振動が足元から背 ....
わたしは毎朝目覚めると、
あなたの前で尿をする。
下半身を突き出し、
あなたがそうしていたように、
尿をする。
わたしの尿は、
黄色かったり透明であったりす ....
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