知らない足音がわたしたちを追い越し
立ち止まっていることに気づく
群れるものたちのすべてが
居場所を持っているように見えて
小さな声でいることに
少しだけ疲れて

彩られた樹木たち ....
知らない方角から
明るさを取り戻してゆくかのように
朝はぼくのもとにやってくるのでした
遠くの響きは
古い透き間から静かに流れ
ぼくを取り囲むのでした
後戻りする物音は見あたらないのでした ....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=25813

たもつ(敬称略)『十階の家族』。
子どもの夢がどんどん膨らんでいくのは、いいもんです。その夢を親が一 ....
残していったものが
背中でまだ疼いている
一日の始まり
蝶のような揺らめきで飛び立っていったのは
形にならない荷物を抱えた人
遠くへと呼びかけた
朝の挨拶をすり抜けて


ここで何か ....
表札を掲げるのは
自己確立のためと
現在では思われている
だから地球上の
どこに表札を掲げても構わない

流木の表面に掲げても
氷山の軒下に掲げても
番傘の柄に巻き付けても良い ....

知らない住宅街を
自転車で走っていたら
なんだか怖くて
気がついたら
みんなが家の前に座っていて
ああ困ったな
困ったな
そう思いながら
わたしはペダルをこぎ続けて
前から
 ....
ひどくどうでもいいものが僕のもとに返却された
「僕は、こんなにゴミみたいなものを貸していたんだ…」
「やっぱり気づいてなかったんだね?」
二人とも、肩の荷が下りて
世界が透明になった

あ ....
背負うものが

不確かなものなら

その重さは

自分で決めていいらしい
うちあけることは、むつかしい

しろながすくじらが
{ルビ吼=ほ}えるとき
わたしは
ちいさく「え」と鳴く

しろつめくさが
幸せを茂らせるとき
わたしは
亡霊とかけ落ちする

 ....
はかりしれないほど
スィートな加速度で
ぼくたちは走っていたので
日々の円周ばかりを、何十回とまわり
あしたの記憶だけ
どこかに置いてきてしまった


クラクションが、鳴ってる

 ....
エリンギとはなにか
考証してみた
いや
考証しようと考えた

名前の
瞬発力からは
超能力のある
伝説の占い師の名前であろうと考えた
古来、占い師は
男である場合が多い ....
「心霊写真持ってるって? 見せろ見せろ」
「これだよ」
「高校の集合写真か。で、霊はどこなんだよ」
「これが俺だ」
「若いなーお前。それより霊はどこだっつーの」
「これ、一人で写したんだ…」 ....
                      改04.05.16

原爆が落ちていらい
腹が立ってならない

土の色をした指が嘆く
野菜クズを畠に蒔いてヒマをつぶす晩秋


巫山戯 ....
囲みを破って
無体な輩が
やって来るので
怖くなり
横丁に逃げた

横丁は
猿の群に占拠され
ご隠居さんは
ズダズダに引き裂かれ
食われて ....
そこから先には進めないときがある
そのたびに思い出す風景があって
背中の方から温もりを感じながらも
とても不安そうな少年の瞳に

問いかけられた言葉

飲み込めないまま
風にも ....
親になるための国家試験に20年落ち続けている
資格がないので「できちゃった息子」は
国の管理のもと今年、成人を迎えた
その息子が昨日、強盗殺人を犯し銃撃戦の末に死亡した

この国はまだ
「 ....
はっぱをめくればなめくじ

みんなにきらわれて
しおをまかれたりする

おまえなめくじ

うまれてからずっと
からだじゅうでないている

おれだっておなじ

みんなにきらわれて ....
 仕事人は夜、
瞼のうらで明日の仕事をしている
 目をこすると
  蛙が鳴いているような
   胸がすく音がして
ただ、流れる雫は軟らかい
五月雨ー、それは光沢のある色。

降るのかしら。

先のことなどわからないから
ただ ありのままを見つめる

内側で降る
血の流れが
どうしようもなく
わたしを形作り
{ルビ廻=めぐ}る

こんなにも
 ....
「まな板給夫のいる」は高架線下の天使と賭けをする。
手札の伏せてあるカウンターが震える。頭上に
ぶら下がっていた彼女の戦利品の数々。
その一つ、オレゴンの絵には
黄色のテント内、
突き出した ....
何度目かの電話の奥で
口笛が聞こえた気がする
鼻歌だったのかもしれないけれど
もう遠くて追いつけない

近づいてくる海岸線からは、遠くは見えない
近くなら、というとそうでもない
指先はど ....
 街は停電していた。僕等は街外れのバッティングセンターへ向かっていた。
夜だというのに「竜巻が渦巻いているせいだ」という友人はヤンキーで
彼が走らせる車は、真っ暗な交差点に渦巻くいくつかのそれをか ....
この世は河であると教える坊主を川へ叩き込んでやったら
喜んで魚になったので悲鳴を上げて倒れた僕は
いつの間にか全身にバターを塗られ
毛並みのいいマルチーズが耳打ちする

「それは百年金縛りだ ....
郵便受けに溜まった新聞が日焼けしていた
古い日付は、風に晒されて
更に風化した遠いあなたの
背中に張り付いて 
帰ってこない のに


201号室の、窓から入る西日を受けながら
忘れて ....
アルマジロな午後。
僕は転がる。


あるまじき僕は正午。
ごろごろとアルマジロと転がり、
ヒジキを食べている。

ヒジキはあるまじき美味しさで、
もぐもぐとアル ....
女がクレヨンを奪って逃げた
必要のない色を奪って逃げた
生活はなにも不便にならない
箱をゆすると音がするだけだ
「生活はなにも不便にならない」
念のためフタの裏にそう書いた


 ....
濡れた鉄塔を越えて

そのままの振動で
ゆがんだステンドグラスを割らないように命は膨張する
このふしだらを運転する技師は
都市にいる幼児のみに聞こえる歌を
アドリブで歌う。

朝刊を配 ....
気が付けば、漂流している目覚め
手を伸ばすその先
十センチメートルで
落ちるばかりになっていて
とりあえずここに、漂っている


どうやら
世界の端は滝になっているらしい
落ちてしま ....
 
 
 
 
夜闇。暗さに光線、たとえばただアスファルトの隆起したひとかけらを照らしている。点は(このままだよ)とささやき、いつしか光の粉をまいて。すふすふと積もり、埃のようにけむりながら少 ....
ギンズバーグ
の となりの背表紙がのけぞっている
店員は面一にもどした
週間誌、参考書、就職コーナー、コミックと周回する ふと気になって
ギンズバーグ
の となりは暗く抜かれている
ローレ ....
たもつさんのおすすめリスト(3924)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
都市伝説- いとう自由詩22*05-6-7
土曜日の朝に- tonpekep自由詩20*05-6-7
おんなのこ、おとこのこ_〜たもつ『十階の家族』〜- 角田寿星散文(批評 ...605-6-7
着地点- 霜天自由詩1105-6-7
流木ハウスにおける表札- あおば自由詩1*05-6-7
夜の自転車- チアーヌ自由詩805-6-6
寓話_思い出に変わるとき- クリ自由詩205-6-5
重み- あぶりだ ...自由詩7*05-6-4
白の系図- こしごえ自由詩13*05-6-4
クラクションが、鳴ってる- 望月 ゆ ...自由詩13*05-6-4
_彼女はエリンギ中毒- あおば未詩・独白4*05-6-3
寓話_心霊写真- クリ未詩・独白5*05-6-3
原爆息子- あおば自由詩405-6-3
絵本- あおば自由詩105-6-3
しらやまさんのこと(2)- AB(な ...自由詩1205-6-2
寓話_国家試験- クリ未詩・独白405-6-2
めくるめくなめくじ- ベンジャ ...自由詩37*05-6-2
離れられない雨- プテラノ ...自由詩2*05-6-2
有形の不在- こしごえ自由詩12*05-6-1
まな板給夫のいる風景- プテラノ ...自由詩7*05-6-1
- 霜天自由詩905-5-31
yankee- プテラノ ...自由詩6*05-5-31
下がる- ヤギ自由詩2*05-5-31
メゾン_『ノワール』- 千月 話 ...自由詩34*05-5-30
「_アルマジロな午後。_」- PULL.自由詩14*05-5-30
クレヨン- Monk未詩・独白23+05-5-30
濡れた鉄塔を越えて- 瓜田タカ ...自由詩405-5-29
漂流- 霜天自由詩1005-5-29
妖精にもどる- nm6自由詩1705-5-27
ギンズバーグの額- バンブー ...自由詩305-5-27

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131