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人のいない事務所では
書類から何から死骸のようだ
我々もみな死骸として
書類という死骸と
戯れているに過ぎない
事務所ではすべてが死んでいる
やがて勤め人が出勤し
事務所は賑わいを取 ....
太陽がまだ昇りきらない
鈍い光の中
近所の大きな公園を散歩する
芝生は朝露に濡れて
紫陽花はしとやかに
私はひもを引っ張るように
快楽と安寧を手繰り寄せる
公園にあるものはすべて ....
傾斜を下り刺し殺された命たち
多くの者は海の最果てで
多くの者は自明な住宅で
この土地で地を這い工事していると
命たちが呼吸に紛れ込んでくる
もはや死んだ命たちは生活の粒子
我々の ....
風の強い春の日の中を走る
この二両編成のさびしい列車は
さながら私の部屋のような
根付いた親しみで満ちている
シートに座れば座布団のようで
人が乗れば来客が来たかのよう
そう思える寛いだ春 ....
新しい街には風が吹いていた
壊れた楽器の音のように
太った空間の波がはためいていた
誰かが瞬きをするその眼の湿り気
この風の湿り気はそれと何ら異ならない
異郷と故郷の間に区別はあるか
異郷 ....
雪の中に囚われた叫び声が
雪とともに融けて大地を舐めた
苦い大地の表面に
瞬間ばかりが足跡を残した
今日から始まっていく事件は
まだ卵の中で育っていて
それぞれの孵化の時期は未定で ....
同じ服装をしたサラリーマンたちの服の内側には
めいめい異なった種類の絵画が掲げられている
自分の絵を見せたくて見せたくて
それでも同時に会社の利益のために欲望を抑えるから
せめて外 ....
僕という泉の湧き水の量は一定のはずで
僕は泉の水をちょうど飲み干すことで毎日を生きているが
それ以上の水が必要とされるとき
仕事の熱量が僕をさらに引き延ばしていき
もはや水ではなく ....
人間であることを返却する前に
再び人間となることを予約しておく
すばやい林檎の色に待ち伏せされては
夜道を歩く闇の物思いにかすかに混じっていく
滲んでくる朝と縫い合わされるために
人 ....
俺は人々の存在する轟音にまみれて
轟音が轟音のまま無音になる瞬間を選んでは
明日の墓場に一歩ずつ歩みを進めていた
背中に美しい光がとてつもない重量でのしかかり
かすむ視界を泳ぐ言葉 ....
言葉なんて要らない
あんなにも人を動かす言葉なんて要らない
街のさびれた一角の
小さな自転車屋の店内で
カンカン音を立てながら工具で自転車を直す
あのおじさんの鋭い技術が欲しい

 ....
地面とじかに触れ合う春は
たった一つの落し物をした
そのたった一つの落し物が
みるみるうちに散らばっていって
こんなに豊かな花々になった
花々は凍り続ける
大気が花々を許すその日まで
 ....
0.はじめに

心斎橋を歩いていると、すれ違う人々の肛門の悉くに言葉の端子を捻じ込んでやりたい衝動に駆られることがある。(中略)だがその無数の肛門に捻じ込みたい言葉は、なぜか優しさに満ちている。
 ....


足音が山道を滑り落ちていく、空と衝突するまでに必要な耳の数を質しながら。足元の岩から生え出ている昨日の私に、私と環境とを隔てる少年と筆談をさせる。それぞれの葉の色の量だけ枝の火力は増してゆく ....
街は色彩と四角形が多い
色と形を捨てた僕は
自動車の中から窓越しに
後ろへと緊張していく風景に
様々な情緒の斑点を投げていった

山道に入ると木々が道路をにらみつける
おびえた道路は身を ....
松岡宮さんの葉leafさんおすすめリスト(15)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
オフィスの死骸- 葉leaf自由詩517-10-5
夏の朝- 葉leaf自由詩117-7-15
生活の粒子- 葉leaf自由詩317-6-6
飯坂線- 葉leaf自由詩416-5-3
新しい街- 葉leaf自由詩216-4-14
年のはじまり- 葉leaf自由詩216-1-4
ユニフォーム- 葉leaf自由詩114-8-16
残業- 葉leaf自由詩114-6-20
音楽- 葉leaf自由詩1013-12-1
- 葉leaf自由詩113-10-31
雑踏の中で- 葉leaf自由詩10+13-9-22
- 葉leaf自由詩1212-4-26
さよならパリ——高塚謙太郎とボードレール- 葉leaf散文(批評 ...2*11-11-26
探索- 葉leaf自由詩410-4-14
高原牧場- 葉leaf自由詩909-8-28

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