土色のspiral(8)
信天翁

歯垢を怒突いています
   歯間ブラシの先っちょが─
カルマのあいだでさ迷っています
   加湿器のゆげが─
縮んだ背中を舐めています
   瓦斯ヒーターのファンが─
無人駅で泳いでいます
   変性のかげろうが─
終着駅でおぼれています
   退行のしんきろうが─

ことしのきさらぎは
   躁病となった畜生に
         見えました


自由詩 土色のspiral(8) Copyright 信天翁 2014-02-28 19:57:48
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