庭の白薔薇をねぢ切ったら血が出た。そのような音が出た。こころのままになぞるピヤノの鍵からは、やはりうつくしい音が出るのだが、それはこのように歪んでしまう。天上のしらべからは遠く、さりとて地 .... ただきみが死んでしまうということが僕にとっての救いだったはずなんだけど
終わりがあるならすべてが美しい思い出になるしゲロ吐いたことにも意味があるし
心臓をすり潰してつくった色とりどりの造花を花束に ....
股座に飼い猫が入り込んで来た。
年老いた猫を、ひと撫ぜした。


母を思った。


今度はもう少しだけ優しく、
年老いた猫を、ひと撫ぜした。
酸化し切った珈琲豆をドリップした
午前二時、それはクソみたいな味
だけどどこか落ち着く香りがした
古い本を開いた時の香りに似て

(朝を待つには長すぎる
 何か退屈でもい ....
灰色の地面に咲く花は、きっと灰色だろう。
オフ・ホワイトの空には、黒い月が昇るのか。
黒ずんだ葉の白百合の園には、黒猫の屍骸がある。
そこに佇む貴方は黒いドレスに、蒼白の顔が映 ....
消灯した病院の屋上に苗を植えました
コンクリートの上に植えましたそれは
新月にもかかわらず囁き始めていて
考えていることが夜に溶け出すのは
ずるずると引き摺る昔日の想い ....
水溶性の月光が
湿った虚空に溶けて
僕の髪を濡らすのだ
ああ赫い果実よ

黒い海に溶けた手紙
底の砂に埋もれる君へ
枯れた花束を贈る様に
ああ昔日の想いよ ....
決められた路しか走れない鉄の匣の中に
小さな蝶が迷い込んで、ふいに私は其れを掴んだ。

翅を捥ぎ、手足を捥ぎ、壊さない様に、そっと、そっと、
のたうつことしかできない、木偶を ....
重たい黒に塗り潰された部屋で、
僕と松子はアートオブジェのような、ひとつの塊になっていた。

ふるふる、と虫が哭く声は、この隔離された空間では他所事。
今、隣で耳の傍でふるえる【鈴の音だ ....
き、みが、くれたもの。
し、ろい、さんだる。
そ、とを、あるいても、
あ、しが、いたくないよ。

き、みが、くれたもの。
あ、かい、てぶくろ。
ゆ、きのなか、ころ ....
絶望は銀の月に照らされて
項垂れた百合の溜息は
黒猫を窒息させます。

あなたがくれた心は
夜光虫になって飛び去って仕舞った

夜に愛された少女は
笑顔のままデンシャに
 ....
触れるものすべて手繰り寄せて
なぞった自身の輪郭
気付いてしまえば単純な話で
出来あがったのは迷宮でした

ほらね、気付いていたんだろう?
求めることで誤魔化していたんだろう?

 ....
それは深い眠りだった。
始めからそれは眠っていた。
そう、生まれた時から。
17年間眠り続けてきたそれは、
ある日唐突に目覚めた。
それが目覚めることを、
知識としては知っていた。
ある ....
繋がり求めて伸ばす糸は細く
誰もがいつでも切れる用意、姑息。
それでも手繰り寄せてくその手は加速
キミとキミに映る瞳の僕を補足!

闇は照らすモノ
道は拓くモノ
意味は創るモノ
無知は ....
それは深い眠りだった。
始めからそれは眠っていた。
そう、生まれた時から。
17年間眠り続けてきたそれは、
ある日唐突に目覚めた。
それが目覚めることを、
知識としては知ってい ....
私はどれなのかしらん?
と、松子は訝った。

松子の部屋は一辺が13メートルの立方体で、西側の壁に一辺が1メートルの正方形のハメ殺しの窓があって、壁は全部白いコンクリートで、家具は黒いソファーベ ....
静かの海に星が溶けて消えた
ゆるり〜らら、ゆるり〜らら、
音楽家の死骸が流れてゆきます
竪琴の音がひとつ、またひとつ、
水の中からぷかりぷかり、
あなたの鼓膜を切り裂きに。
それは魚たちの ....
絶望の夜に生まれてきたわたしの
千切れた翼をそっと撫でて欲しい


満月の夜には傘を差して歩こう
堰き止めた心が零れてしまうから
吐き出した言葉が砕けた鏡のように
いくつものわたしを誰か ....
逆流する流星は再生してゆく
人々の願いを拾い集めて
重力に抗うバベルのように
大気圏を抜けてゆく
徐々に大きくなるそれは
いずれはこの星の重力を超えて
つきぬけろ!つきぬけろ!
自殺願望 ....
僕の願いは空に
吸い込まれて雲になる
あなたが望むのならば
鳥のように羽ばたける
胸に走る痛み
いつまでも憶えておこう
こんな日々をくれた
あなたにありがとう、と。

雨が ふるふる ....
こころが鬱蒼と茂っています。
空は少しだけ見えるけど、
青すぎて、高すぎて、
少し憂鬱になります。

もしも私のカラダが鳥のようだったら、
空なんか飛ばずに
剥製になるのがよいでしょう。 ....
諧謔の逆恨みが背ビレを落とした。松子は不審げな眼差しで次々と串刺し、にする。わたしはそんな中で胎児の如くひそやかに息づき、シダの如く教室に根を張る、わけだが、じゅりゅり、じゅりゅり、と泳ぐ松子にとって .... 臆病に、

ピアノの鍵を
触る手付きで、

腐った光に
触れる。

 (けるけるける!

ケータイが
Z境《ぜっきょう》、
悲鳴。

耳を塞ぐ、僕
ココロヒビ ....
おまへはひとりである
と言われた。

 (誰に?

わたしに。

 (ではわたしをおまへと言うわたしは?

おまへである。

 (それではふたりである。この文字たちを書き ....
黒猫は
夜を切り取って
産まれました
それなのに
それなのに
夜に呪われていました
星たちは嘲笑い
月には嫌われて
何の意味も持たず
ただ、居場所を取ることを
罪だと感じて
そこ ....
僕らは
いつもこころに鑿打ち込んで

削り出された木材のようで
ほんとうの言葉呑み込んでは
痛み堪えて笑顔咲かせて

いつもこころに鑿打ち込んで

だけど削り切れない
モノがある
 ....
【月の光・第一夜】



わたしは彼女を
殺さなくてはならない
彼女の横顔は
月に照らされて
泣いているようにも
笑っているようにも
困っているようにも
嘲笑っているようにも
 ....
波打ち際のよに
ゆれるわたしの境界線
あなたへと打ち寄せては
砕けて引いてゆく

この世界に終わりがあるのなら
あなたとそこで歌っていたい
切なる願いが夜空に溶けて
満天の ....
君の手に護られている
悲しい音楽が聞こえないように
僕と君は互いが反存在で
触れると世界もろとも消し飛ぶ
だからいつも“ワタシ”という
紙一重の嘘を隔てて
互いのカタチを確かめ合うんだ ....
xxxxxxxxx(29)
タイトル カテゴリ Point 日付
迷いの肖像自由詩020/3/26 3:29
架空の恋自由詩219/3/11 0:25
望郷自由詩2*15/5/2 12:36
珈琲と古本自由詩3*15/2/9 0:37
救済自由詩2*14/11/30 2:40
水を、ください。自由詩4*14/11/8 1:01
廃墟の屋上で自由詩214/10/25 2:31
今日、狂、興爛La自由詩113/10/26 22:02
昨夜のはなし自由詩113/6/15 23:59
きみがくれたもの自由詩110/11/18 18:32
絶望と幸福を知った月の二十七日間自由詩110/7/25 2:13
ミノタウルス自由詩010/6/22 7:43
無題自由詩010/4/23 11:45
明日に掛ける橋自由詩110/1/16 21:24
無題自由詩209/12/29 5:13
深窓の松子。自由詩109/8/14 22:16
自由詩209/7/8 21:25
ワルツ自由詩109/6/28 23:15
星に願いを自由詩009/6/5 22:10
自由詩109/5/25 22:00
死にたくなるほど綺麗な青の中で自由詩209/4/1 19:49
諧謔の逆恨みが背ビレを落とした自由詩109/3/23 22:30
シ6【着信】自由詩108/12/17 0:30
おまへ自由詩008/12/12 15:37
黒猫自由詩008/12/3 23:05
削り切れないモノ自由詩0*08/11/23 21:26
月の光自由詩008/10/15 17:18
自由詩1*08/10/8 23:34
僕と君のあいだ自由詩308/9/26 20:58

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