諧謔の逆恨みが背ビレを落とした
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諧謔の逆恨みが背ビレを落とした。松子は不審げな眼差しで次々と串刺し、にする。わたしはそんな中で胎児の如くひそやかに息づき、シダの如く教室に根を張る、わけだが、じゅりゅり、じゅりゅり、と泳ぐ松子にとってはそれは苦しみの芽と映ったようで、盛んに串刺しにした。わたしとしてはただ存在することを罪に問われたも同然で、この空白、言わば行間のようなモノを奪われてしまっては、それこそ息もできないわけで、しかし一部の松子にはどうしてもそれが理解できないらしく(想像してみたこと、あるのか?それとも想像できないのか)、頻りに距離をつめて来ようとする。その度に知らぬ素振りをするわたしに松子は己の醜さを鏡でも見たかのように映して見るようでそれを恐れてさらに距離をつめようとし、結果、自らわたしの根を断ち切らんとするようなこともある。それこそわたしの罪であるといわんばかりに。しかしわたしは自らが変形しようとはつゆ思わず(正確には、何度も思ったが、思い直し)変形を要求する松子との間に空白を求めるわけであるが、果たしてそれは罪か。否、わたしは自らを自らで塑像し、決して他者からの彫像とはならない、と心に決める。たとえ、諧謔の逆恨みが背ビレを落とすことになるとしても。


自由詩 諧謔の逆恨みが背ビレを落とした Copyright xxxxxxxxx 2009-03-23 22:30:19
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