ミノタウルス
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触れるものすべて手繰り寄せて
なぞった自身の輪郭
気付いてしまえば単純な話で
出来あがったのは迷宮でした

ほらね、気付いていたんだろう?
求めることで誤魔化していたんだろう?

水面に映るあなたとの日々
隣に居る僕はまるで化物だ
迷宮の中で月を見上げる姿は
そう、まるでミノタウルスだ



それでもあなたは隣に居た
傷だらけの揺り籠になって
或は酸素の薄い空気になって
それを醜く貪る僕

たぶん、目覚めていたんだろう?
寝た振りの僕を起こさないように?

銀幕に映るあなたとの夢
隣にいる僕はそうね化物だ
月を見上げて慟哭する姿は
そう、まさしくミノタウルスだ
だけど何でかなあなたは僕の
少しクセのある髪を撫でて言った
本当は僕が言うべき、じゃないのか
あなたが言うには

「怖がらないで」




その銀色に触れてみたくて
呼吸さえ止まるその優しさに
見上げていた 非常階段にて
或は残酷かも知れない届かない月を


自由詩 ミノタウルス Copyright xxxxxxxxx 2010-06-22 07:43:02
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