ワルツ
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絶望の夜に生まれてきたわたしの
千切れた翼をそっと撫でて欲しい


満月の夜には傘を差して歩こう
堰き止めた心が零れてしまうから
吐き出した言葉が砕けた鏡のように
いくつものわたしを誰かに映してる

そんなのはわたしじゃないと
砕けば砕くほど増えてゆく嘘

だから踊ろうよ 全て無かったことにして
そしてあなたの背中に そっと爪を立てるの


空に落ちてゆく逆様の重力
昨日見た夢は芽吹かずに枯れた
砂で築いた城が流されてゆくように
いくつものわたしが浮かんでは消える

これがわたしなんだと
叫べば叫ぶほど遠ざかる真実

だから踊ろうよ 全部放り出してさ
そしてあなたの瞳に 私だけを映すの


だけどわかってるの
“明日”がどんなに脆いものかって
だから今だけは
踊ろうよ ワルツを

そして刻みつけるの 軽やかなステップで
“今”だけあればいいの 朝が来ないとしても だから
絶望の夜に生まれてきたわたしの
千切れた翼をそっと撫でて欲しい




自由詩 ワルツ Copyright xxxxxxxxx 2009-06-28 23:15:38
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