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*一行物語とは 全体で「。」が一度だけ現れて、そこで終わる物語。短い。改行不可。ブラウザの表示の都合による折り返しは可。 一行詩不可。あくまで物語。 *例いくつか ・ふたりともついつい体に有刺鉄線を巻いてくるので、何度デートをかさねても抱き合うことがなく服を脱がせあうこともない。 ・幼馴染のふたりが年老いて死刑囚の監獄で再会し、一方が執行のために連れ去られる日まで、寝る間も惜しんで、幼年時代の出来事や故郷の風光を思い出しあった。 ・墓地から枯れた花束を盗んでくるたびに背骨が少しずつ湾曲してゆく。 飯田茂実『一行物語集 世界は蜜でみたされる』(水声社、一九九八年刊)より *他参考リンク Monk『おはなし 1〜50』 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=10872 或る日、僕たちは、道端に落ちていたハンカチィフを拾つて、小説のやうに恋に堕ちたのでした。 何度もデートを重ねたが、いつも何かを忘れていて、それが何かわからずに2年の歳月が経ち2人は結婚したが、そのときになって始めてお互いの名前を知らなかったことに気づいた。 そこが始まりだと思って舳先にかかとを合わせた少年はたしかに裏切られはしたが、既にそんなことは忘れてヘリコプターへと帰るブーメランを眺めている。 Good bye, my friend. 気がつくと小さな女の子が私の手を握っていて、私は泣きそうになるのをどうにかこらえながら、その手を握り返した。 目を覚ますと未だに終着駅ではないらしく、長いトンネルを過ぎた後、僕達は再び手を繋ぎ、口付けをして眠りに堕ちたのであった。 ガーゼに血が染みこむのをジッと眺めてから、彼は紫煙を燻らせ、何処からか持ってきたホットプレートで焼肉に興じる相棒を見やりながら、なんとなくな幸せを感じてしまった。 句点がつかなければ物語が終わらない、ようやくコトの重大さを知った二人が、句点を探して世界中を歩き回り、ようやく見つけ出したときに、二人は躊躇いながら輝いている句点を拾ったと思ったが、残念ながらそれは半濁点だった。 傘がない、と君が喚いている玄関は、昨日君が引き連れてきた仔犬を洗ったシャンプーの薄い匂いで満たされていた。 飼い犬のシロが吠えた場所を掘っても金銀財宝は出てこなかったが、その夜息子から電話があり「無事、娘が生まれたよ」と吉報があった。 なだらかな人の、ふうわりとした腰にはいつも春が絡まって、子供が悪戯に突付く度に少しずつ死んでいくのだった。 自分以外の誰にも開けられないドアがあって、それは君の心のドアだと言う男に彼女は自動ドアの前に立ってみせ、誰にも開けられないドアは勝手に開くものなのよ、といって笑ってみせたのち、ほどなくして彼らはしあわせになった。 愛が無ければ生きていけない、という彼女への愛をうしなって、彼女は確かに電車に轢かれて死んだが、僕はといえば味噌汁を飲みながら愛とは受動的なものなのだなと気づいただけだった。 ある朝旅に出ようと思い立って渋谷駅から勇んで電車に乗り込んで、うとうとしたりなけなしの金で週刊誌を買って読んだり、17時間ほど環状線に揺られた後に渋谷駅で降りてその長い旅は終わった。 けっきょく俺たちの乗ってきた列車は黒い溶岩石でできた海岸脇が終点で、しかも宛てはないものでコンビニでビールを買って飲みながら郵便局だとか個人経営の電気屋だとかの前を歩いているうち町はすぐに尽きてしまい、そのうち溶岩石より艶やかに黒く新しいアスファルトの両側に広がる休耕地に囲まれると、そこは蒲公英の綿帽子ばかりがうめていて、あ、ここが終点なんだよな、とあきらめがついたのだ。 彼女は焦げたパンケーキを犬に与えながら日がな哀しみに呉れる。 むかしむかしある所におじいさんとおばあさんが住んでいて、ある日、おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に行ったきり、その後誰も姿を見かけたものはいなかったとさ。 海の底から見る世界が反転してしまったので、僕は遠い街まで走るために、接続詞を打って息継ぎをした。 砂漠蛇の眼にかぎるよ、と猫背の男は耳元でささやくと、また人ごみの中に消えてしまった。 近所のよく吼える犬がいなくなった翌日、隣に息づかいの荒い、妙な男が引っ越してきた。 誰かが見ていた空が白く光った途端押し上げられていった先の四角く狭い場所から見えないカメラが一瞬で落下する。 春の浅瀬でハマグリが夢をみていたので、そっとしておいた。 ある日、約束をしないという約束をしてしまったが為に、彼らは二度と出会うことがなかった。 心の中は空っぽだと噂されている女が蓋をしたカップラーメンの前で割り箸を手に「いただきます」と手をあわせる間、その横顔を眺めながらまばたきを我慢するひとときをようやく僕は手に入れたのだった。 魚が溺れていたので助けてあげたが、礼も言わずに帰っていった。 彼は小豆を青豆にしたくてずっとコーヒーショップ前を通り過ぎたり鳩の群に無理やり殴り込みをかけるよう走ったが、結局、彼は、青いコートの娘さんに恋をしてうちに帰った。 あの日開いていたアダムのチャックから、世界は始まった。 よく転ぶ。 わたしはいつだって「天秤にかけられている分銅を崩すこと」ができるし「灰皿をUFOのように飛ばすこと」だってできるのに、君のようにじょうずに「禁じられた遊び」が吹けない。 霧深い峠の上で道に迷っている自転車の私に道を尋ねられたバス運転手は、日本語が話せなかった。 あなたの愛が深いのか、あたしの業が深いのか、とかなんとか言いつつも、結局ふたりは幸せだった。 朝起きて、飯食って、糞して、顔洗って、歯磨いて、死んで、死んで、もう一回くらい死んで、僕の物語は完結した。 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 スレッドを新規に作成したり、コメントを書き込むにはログインが必要です。
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