全自動一行物語シアター[30]
2004 12/03 01:00
田代深子

けっきょく俺たちの乗ってきた列車は黒い溶岩石でできた海岸脇が終点で、しかも宛てはないものでコンビニでビールを買って飲みながら郵便局だとか個人経営の電気屋だとかの前を歩いているうち町はすぐに尽きてしまい、そのうち溶岩石より艶やかに黒く新しいアスファルトの両側に広がる休耕地に囲まれると、そこは蒲公英の綿帽子ばかりがうめていて、あ、ここが終点なんだよな、とあきらめがついたのだ。
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