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全自動一行物語シアター (創作系)スレッドオペレーター:片野晃司
一行物語を書きつのる場所です。飯田茂実に続け!


*一行物語とは
 全体で「。」が一度だけ現れて、そこで終わる物語。短い。改行不可。ブラウザの表示の都合による折り返しは可。
 一行詩不可。あくまで物語。

*例いくつか
・ふたりともついつい体に有刺鉄線を巻いてくるので、何度デートをかさねても抱き合うことがなく服を脱がせあうこともない。
・幼馴染のふたりが年老いて死刑囚の監獄で再会し、一方が執行のために連れ去られる日まで、寝る間も惜しんで、幼年時代の出来事や故郷の風光を思い出しあった。
・墓地から枯れた花束を盗んでくるたびに背骨が少しずつ湾曲してゆく。

 飯田茂実『一行物語集 世界は蜜でみたされる』(水声社、一九九八年刊)より

*他参考リンク
 Monk『おはなし 1〜50』 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=10872


[355]美味[2006 04/07 03:08]
闇夜に浮かぶ雲は、何をも覆い隠そうとするそれではなく、単なる浮遊物と化していた。
 

[353]まきび[2006 04/04 20:44]
とりまとべればこの世界にはあなたのような容姿の人間がいなくても結構なのと、きどった調子で元女子アナウンサーの三島京子は言ったが、それはそのまま彼女自身への批判にもつながるのだと、私の鼻の形そっくりの鼻を持った彼女が、私の実子であることを知っていた私は、彼女自身の身の上について哀れに、そしていとしく思った。
 

[352]アシタバ[2006 04/03 12:31]健ヤギ
空席だらけのがらんと暗い客席を前にして、男は一声も発さず立ち尽くしていた。
 

[351]美味[2006 04/03 10:45]佐々宝砂
今年は桜を見逃したなと思っていたら、新聞の活字たちが飛び出して、桜吹雪を見せてくれた。
 

[350]ヤギ[2006 04/03 05:59]虹村 凌佐々宝砂
バスルームから16ビートがきこえて、ふと、生きていてと願う。
 

[349]ヤギ[2006 04/03 05:57]健
風のつよい原っぱで思いだすのはギターのことだけ。
 

[348]ヤギ[2006 04/03 05:56]
圧壊する潜水艦の窓に、父の船が見える。
 

[346]ヤギ[2006 03/25 02:40]
ブランコでうつむいている少年の帽子には、少し止まってあげることにしてる。
 

[345]ヤギ[2006 03/25 02:38]佐々宝砂アシタバ健
にわか雨に傘を買って広げたら、へたくそなてるてる坊主がひとつぶら下がっていた。
 

[344]ヤギ[2006 03/25 02:35]かなりや
昔みかんをごちそうになった農家を訪れると、両親に見送られて、花嫁が静かに車に乗っていた。
 

[342]かなりや[03/24 14:17]とうどうせいら
なめあうことも、ちちくりあうことも知ってしまったが、それでも終わりではないことがわかってホッとする二人、よく桜のつぼみの下にいますよね。
 

[341]前田ふむふむ[2006 03/16 21:52]
春というだけで、僕の瞳は、星座のように降りそそぐのです。
 

[340]前田ふむふむ[2006 03/16 21:46]ヤギ
年老いたやまびとは、母の流した涙がしまってある青い鏡の中を、幼子のまなざしで、今日も眺めているのです。
 

[339]ヤギ[2006 03/12 22:13]
思わず目をそらしてしまうものに光を当てられるようになった、それが僕の一番求めていた物語なのだった。
 

[338]ピッピ[03/09 10:33]
倒置法によって失われるものなど何もないと分かった、清水町で一番大きな交差点を渡っている時に。
 

[337]桜 葉一[2006 03/09 01:04]
初めてやったときの脳年齢は60歳で焦ったが、何度も鍛えるうち2歳まで若返った。
 

[335]ヤギ[2006 03/08 21:51]
逃げ水と追い水にはさまれて、立ち止まったら溺れてしまうという妄想を眺めている。
 

[333]れつら[2006 03/08 14:29]モリマサ公
貧乏ゆすりをするたびに起こる空気の振動によってバクダッドで発射された銃の弾道が2ミリずつずれていくことを知らないままつまらない映画を見ている。
 

[331]ヤギ[2006 03/08 00:53]アザラシと戦うんだ
心臓のしびれがとまらないから、ありがとうとごめんなさい以外の言葉を探している。
 

[330]美味[2006 03/06 07:02]夕凪ここあヤギ
某ヒーローは経費削減により8枚切りに。
 

[329]美味[2006 03/06 05:45]夕凪ここあ
某ヒーローは、何週にもわたり出演する機会がなかったせいで、うんこのようなカレーを吐いた。
 

[328]夕凪ここあ[2006 03/06 05:42]ヤギ
あの家はまたカレーか、と帰宅途中匂いに呆れた彼の家でもまた、一日置きに生姜焼きであった。
 

[327]美味[2006 03/06 05:39]夕凪ここあ
某ヒーローに顔の一部を貰ったが、少し臭ったので、食べずに捨てた。
 

[326]美味[2006 03/06 05:23]
電子レンジで生卵を温めたら、ひよこが生まれた。
 

[325]ピッピ[03/06 01:12]
好きなものが、全部「ん」で終わってしまうから、麻美子はしりとりが大嫌いだ。
 

[322]蒸発王[2006 02/20 23:54]
人生なんて死ぬまでのカウントダウンだから回り道なんてしたくなかったけど、君となら二度と帰れなくなる回り道をしたいと思った。
 

[320]若原光彦[2006 02/19 14:22]佐々宝砂桜 葉一
神は七日で世界を作った、締切直前に。
 

[317]ピッピ[2006 02/16 15:34]
女衒が女衒でありすぎて困るのと同じくらい、詩人が詩人でありすぎて困る。
 

[316]蒼木りん[2006 02/13 20:48]佐々宝砂PULL.ヤギ
原 経津汰は、冷蔵庫をなんどもなんども開ける癖が直らず、ついに冷蔵庫の中で暮らすことを余儀なくされた。
 

[314]桜 葉一[2006 02/13 10:58]蒸発王半知半能
手作りのチョコを渡せると言うことはまだ恋、愛ならば固まらずに溶ける。
 

[311]ベンジャミン[02/08 07:44]PULL.
健忘症のテストに行くと「大丈夫」と言われるのだが、同じ診断書が何枚もあることに彼は気づいていない
 

[309]ピッピ[2006 02/07 14:12]ヤギ
鬼に撒いた豆は空の彼方に吸い込まれていった。
 

[307]ヤギ[2006 02/06 18:56]
20年ぶりに冷凍睡眠から目覚めた恋人がチョコをくれて、その眼がとても清んでいて、僕は粘土の涙を流した。
 

[305]辻野克己[2006 02/05 14:38]佐々宝砂
小指だけの手袋の大きさになった彼女が「こういう重さに耐えられる?」と彼に問う声は小さく、しかし解けない。
 

[303]渡邉建志[2006 01/30 01:03]
一日中朝の町では鶏が鳴き続けて声帯が鍛えられるのでおいしい鶏肉が食べられるそうです。
 

[302]ヤギ[2006 01/29 17:05]PULL.
夢遊病の姉が欲しい、と僕は呟いたの?
 

[301]渡邉建志[2006 01/29 15:34]
目の前にはやぶが茂っていて、かき分けて入っていくと、しゃがみ込んでアップルパイをかじっている少年を見つけた。
 

[299]ピッピ[2006 01/29 14:31]あおばPULL.
アスファルトができた理由は地球が大きな蓮根であることを隠すためである。
 

[298]PULL.[2006 01/29 11:58]
低い弾道のシュートは、飛びついたキーパーの手を弾き飛ばし、ゴール左隅に突き刺さった。
 

[295]モリマサ公[2006 01/27 02:49]
「アスファルトをごらんよ、すぐに雨が来る」しみだしてくる空気にあたしは、握っているこぶしをすこしずつひらく。
 

[294]半知半能[2006 01/26 22:46]
早く、君の光る指先を隠せ。
 

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