夜に浮かぶ幻想群
いつも夜の湾岸線を走る度に思うのだ
川崎と木更津を結ぶアクアラインも然りだが
陸上の建造物よりも海上の光のなかに浮かびあがった巨大建造物は
何故か深く心を打つ
....
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深夜目覚めて居
夜明けを待つ様
兆しを心待ちに
冷気を押し開く
其の様に憧れる
一つ二つと開く
満ちて芳し香を ....
先におことわりしておきますが、これは夢の話です。
夢に見た出来事なのに、本当にあったことのように胸に刺さって、忘れられないような夢を、時には見ることがあるでしょう。
特に寝覚めの一瞬前に見 ....
月は 水底から仰ぐ小舟
雲の向こうをかろやかに滑り
だが本当は流されているのは雲の方
月は自分の道を行くだけだ
きみは 月のように生きるのか
風に流されることもなく
....
人の不幸の上には幸せは成り立たないこと
ガツガツしているといつもカスばかりつかんでしまうこと
しまいにはまわりも巻き込んでしまうこと
快楽は苦しみの原料であること
子供のためと ....
あなたは
とても綺麗に微笑みながら
水のような滑らかさで話をつなぐ
わたしは
そんなあなたに見惚れながら
あなたの綻びを探してしまう
あなたは
笑っていないほうの目でわたしの ....
娘と一緒にドラッグストアーに行って
「好きなものをひとつだけ買ってあげるよ」
と言ったら
「ホチキスが欲しい」と言う
「ホチキスならうちに二つもあるでしょ。
塗り絵の本とか色マジックのセ ....
ハライタマエ キヨメタマエ
この深くて狭い川は何を流す川だろう
いや、川ですらないこの闇の濃さ
私は落ちていく 落ちているのだ
剃刀を舐める時のように
私の背中を恐怖が焼きつづける
....
トルコキキョウ スカートを裾をひらゆらひらゆら させている
貴女と呼ぶべきかしら 幼い妖精の衛星が見える
貴女と呼ぶには 重力をあまり感じていない様
トルコキキョウ 月曜日に透き通る喉を 瓶 ....
かなしくてないているのか
さびしくてないているのか
雲の切れ間に青空
風に小さな羽根をふるわせて
うれしくてないているのか
いとしくてないているのか
透きとおった雪が流れて
目の ....
僕たちは夜を旅する
孤独にむかって囁き続けるナイトバードなんだ
代償なんてありはしない
ささくれを癒す為に空を飛んできた
まぬけなオウムの類だが
ちっともいいことなんてないって言いな ....
{引用=進歩は昔話を撲滅する}
あんたの事は食わしちゃる
あたしが部屋で何しとるかは
詮索せんといて
覗きでもしたら出て行くきね
女房のオツーはそう言って襖を閉め
日がな何事か ....
冬の夜
街灯から離れた暗がり
こんなにも遠かったんだ
喜びも悲しみもちりばめた星空
カルガモが音もなく泳ぎ
湖面に浮かんだ月が揺れる
語り合うことも
言い合う ....
笑った顔が好きって言われて
これっぽっちも
意識してなかったのに
あたしのほうが好きになって
どんどんどんどん好きになって
気づけば一緒に暮らしてて
だけど一年半たったころから
お互いの ....
海外で活躍するメジャーリーガーや
サッカー選手たちはいつも大きな注目を浴びる
でも それをまず為したのは
商社を始めとする無名のサラリーマン諸兄だ
メディアはニュース・バリューがないので ....
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メザシも高くなったものだ
....
苦しみを抱いたこの胸は
最早、使い物にはならない。
声が聞きたい
そんな欲求ばかりが募る
すぐ傍に居るはずの貴方は、
いつの間 ....
わたしは、山人氏の「生活」という作品を とりあげさせていただきます。
まずは 作品を 添付させていただきます。
【生活】
端麗に折りたたまれた見事な生活をそれぞれが晒し ....
【合唱コンクール】
中一の娘が学校の合唱コンクールで、伴奏を引き受けてきた、と驚愕なことをいう。
娘がピアノを習っていたのは小学校三年までで、どこをどうやったら、そういうことになるのか。
....
シロツメクサに
私はなろう
遠い
異国のビードロを
木箱に
そっと包み込む
同胞たちの
笑顔のように
こわれてやまぬ
あなたの心
私は
そっと包み込む
花で
ある ....
春隣
朝から夜中までテレビをつけっぱなしにする
私の垂れ流し好きをどうにかしてくれ
うるさすぎて、何ひとつ変わらずに私の冬が過ぎていく
世の中はどうだ。目眩をおこすほど輝いているのか
....
私の詩を
だれかが声にだして読んでくれたら
いいとおもう
大きな
大きな声で読んでくれたらいいとおもう
この私の両の耳にも
きこえるように はっきりと
よんでくれたらいいとおもう
....
今迄の僕は
どれほど多くのまなざしに
みつめられてきただろう
どれほど多くの手に
支えられてきただろう
今、僕は、ようやく
幹の内側からいのちの歓びを{ルビ呻=うめ}くよ ....
あなたは
ひとがいいから
何でも引き受けちゃって
責任も押し付けられて
それでいて
美味しいところは
持っていかれて
見ていて歯痒いくらいだ
田沼さん
たぬまれたって
断ってい ....
二00一年十月
白い骨になった祖母が
熱気の中に横たわっていた
八歳の息子が私を見上げる
「お母さん、人ってこうやって焼かれるんだね。」
君に答える言葉がない
だって私も今初めて
焼 ....
オバサン オバサンって ウルサイ!
今は若いアンタたちも
いずれはオバサンになるんだ
その時のために
オバサンの心得を教えておくよ
まず オバサンは
“ 絶対に負けを認めない ”
何 ....
きみを思うと
僕は張り裂けそうだ
聞いておくれよ
僕がどんなにきみを思っているか
きみを思うと
僕の前は膨らんで膨らんで
今にも爆発しそうなんだ
撫でておくれよ
40過ぎの
多くの人 ....
遅い昼食を済ませて
苺の実を一つ齧る
幾つもの
目には見えない高い壁が
頭のなかに聳え立ち
増えたり減ったりしている
煙草を一本吸う
....
【つぶつぶとうがらし】
このタイトルが、イコール「粒々辛苦」の振り仮名だと思う人がいたら、その人は私の同級生の○○くんかもしれない。
そう、小学生(たぶん6年生くらい)の時、国語の書き ....
日記詩
(一)
真昼の銀行、キャッシュコーナーの長い列は
金にまつわる一喜一憂を分かち合うかのように寒いほど静かだ
これはまさに近代の儀式
笑っても泣いてもいけない参列者たちは
残酷な ....
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